第3回 UXD initiative研究会 2011年08月26日

8月26(金)に恵比寿の株式会社コンセントで行われた、
「UXD initiative研究会」に参加してきました。

業務システムのユーザビリティセミナーからのハシゴだったのですが、
翌日も恵比寿で朝からセミナーがあるので、
西麻布にホテルを取りました。

先にチェックインだけしておきたかったので、
「溜池山王→西麻布→恵比寿」とタクシー移動。

天気が良ければ、歩く予定でしたが、
豪雨だったため、タクシーを活用。

恵比寿駅から、
徒歩で、コンセントまで。

正面入り口は閉まっているとのことなので、
裏口にまわり、
電話で係の方を呼んで、
中に入れてもらう。

なぜか、
最前列の席が呼んでいるような気がして、
hcdvalueの子たちが、最前列へ集合。

UXD initiative 第3回研究会|UXDパターンランゲージ

ユーザーエクスペリエンスデザインの実践で参考とするアプローチとして、
建築家であるクリストファー・アレグザンダーが提唱した、「パターンランゲージ」があります。

パターンランゲージのアプローチ手法は、物の設計だけではなく、
そこに含まれる行為や得られる感覚、学習までを取り入れた考え方であり、
ユーザーエクスペリエンスデザインに近かったり、参考になるとのことで、
大学の教育プログラムでパターンランゲージアプローチを実践している慶応義塾大学SFCの井庭先生と、
千葉工業大学でユーザーエクスペリエンス教育を実践している安藤先生から、
事例などを紹介していただき、ユーザーエクスペリエンスデザインの議論を高めるのが目的です。

UXD教育の実際

まずは千葉工大の安藤先生がニュースキャスター風に登場

■千葉工大でのUXD教育の取り組み
 情報デザインコースでのUXDは「時間の概念を扱える」ことを一つの目標に
  演習などを実施している。

■UXとは
 ISO9214-210におけるUXの定義
 UX白書

■様々な視点からのUX
 「UX白書」によるUXを期間の観点で区切る考え方は、
 様々に用いられる言葉を整理するのに役立つ。

  ・利用前 予期的UX
  ・利用中 瞬間的UX ※UI
  ・利用後 エピソード的UX
  ・利用時間全体 累積的UX

  ※hcdvalueの翻訳プロジェクトを参照。

■UXデザインとUX
 最近のUXデザインははエピソード的UXの積み重ねでデザインをすることが多い。
 エピソード的UXデザインと意味的(累積的)UXデザインにはギャップがある。
 エピソード的UXの積み重ねが意味的UXにならない、
  意味的UXデザインにはたどり着きにくい。

■エピソード的UXから意味的UXに高める仮説
 意欲・学びが、エピソードを作るために重要。
 エピソードの積み重ねが、意味的UXにつながる。
 それでは、意欲・学びをどうUXに組み込めるのか?

■意欲・学びをどうUXに組み込めるのか?

 例:コアリズム
 ヤーナとジュリア
  →詳細はこちらを参照

ラーニング・パターン:経験を語るためのメディアの制作と導入

続いて、慶應大学SFCの井庭崇先生から、パターンランゲージについての講義

■パターンランゲージ
 経験を掘り起こし・語るためのメディアの制作と導入

■パターンランゲージとは
 ある特定の領域における「デザインの知」(design knowledge:)
 デザインは問題解決、たんなるTIPSではない。
 生き生きとした「全体性」や「質」をうみだすための生成的な構造・
 過程の探究・再現を目指した方法・道具。

■デザインとは問題発見・解決である。
 すぐれたデザイナーは無意識的に実践しているため、
  それをパターンランゲージとして記述する。

 Context → problem → Solution

■デザインパターン 
 パターンランゲージはKent Beck & Ward Cuningham によって、
 ソフトウェアの世界で導入・応用され大きな成功をおさめた。

 pattern language
  =The timeless way of describing
   the timeless way of describing designing

 ※建築だけではなくデザインの世界にも応用され始めた。

■方法としてのパターンランゲージの進化

▼デザインの対象 
 1.0→物質的なもの(建築)
 2.0→非物質的なもの(ソフトウェア・組織)
 3.0→人間の行為(学び・教育・変革行動)
    よりアジャイルなデザイン

▼パターンランゲージ使い方
 1.0→デザインする人と使う人の断絶に橋渡しをする。
 2.0→デザインの熟達者と非熟達者の差を埋める
 3.0→それぞれ異なる経験をもつ、多様な人たち(行為者)をつなぐ、ワークショップ。

▼パターンランゲージ作り方
 1.0→デザイン熟達者によりパターンの掘り起こし
 2.0→デザイン熟達者による協動的な改善
  ※writer’s workshop
   プレゼンとかしない、書いたものを共有・評価・改善を行う。
 3.0→人間行為のパターンランゲージ

▼学習パターン
 「学び方」を学ぶ
 SFCでは新入生に冊子を配っている。
 学生に読まれる事を想定し、シンプルに作っている。

▼学習パターンを用いた対話ワークショップ
 項目リストの中から、体験したことを全部、
 これから取り入れたいことを4つ選び、
 すでに体験している人を探して、体験談を聞く。

 項目
  10 身体で覚える
  11 成長の発見
  12 言語のシャワー
  13 アウトプットから始まる学び
  14 プロトタイピング
  20 広がりと掘り下げの「T字」
  21 隠れた関係性から学び
  22 右脳と左脳のスイッチ
  23 鳥の眼と虫の眼
  30 ライバルをつくる
  31 教えることによる学び
  32 外国語の普段使い
  33 小さく生んで大きく育てる
  34 魅せる力

 →Experience Mining and Dialogues
  経験を掘り起こし、対話の俎上に載せる。

▼井庭研 プレゼンテーションパターン プロジェクト
 (1)みんなでいいプレゼンについてブレスト
 (2)KJ法
 (3)中分類を言語化
 (4)みんなでパターンランゲージ化

 ※プレゼンをやったことがないのに、自身の経験から、
  パターンランゲージを生み出せた。

 ※学習パターンはむちゃくちゃ大変なので、
  今は方法論も考えつつ実践している、
  それができれば、自分たちのコミュニティ活動のこともまとめられるはず。

 →このプレゼンテーションパターンは、
   SFC Open Research Forumで公開される予定。

▼学習パターンカードゲーム
 学習パターンの冊子を読むだけではなくインタラクションやコミュニケーションが重要なので、
 カードゲームにしている。

ラウンドテーブル

▼もともとの問題意識
 UXDのパターンランゲージ化してみたいので、
 本家のパターンランゲージ専門家に話を聞いてみたい。

▼授業で写真を使ったワークショップを実施した。
 →パターンランゲージを組み合わせた、
  強制発送法→メタパターンランゲージ

▼ソフトウェア業界のパターンランゲージ
 →検証が早い!!
 →建築業界などだと長い!

 ※非常に刺激的で内容のラウンドテーブルだったので、
  すべてはメモなどできず・・・

感想

UXDのパターンランゲージ作成とかだとちょっとハードルが高いような気がしています。
(UXという定義がふんわりしているので・・・)

 取り組みのスタートとしては、少しフォーカスして、
「HCDのパターンランゲージ」あたりで、
ちょっとワークショップ的に試してみるのがいいのかと思ったり・・・・

 「HCDの価値」については、ワークショップしたり論文発表もあったりするので、
タネはあるハズなので・・・

参考資料

▼Togetter
  UXD initiative 第3回研究会|UXDパターンランゲージ ( #uxdin )
  http://togetter.com/li/182480

▼学習パターンランゲージサイト
 
 http://learningpatterns.sfc.keio.ac.jp/

▼iTunes U パターンランゲージ 2010
  
http://itunes.apple.com/us/itunes-u/id415430585

▼SFC授業コンテンツ
  http://gc.sfc.keio.ac.jp/cgi/class/class_top.cgi?2010_25136

懇親会

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