■サービスデザイン方法論 戦略編 2015年06月28日
 エスノグラフィとサービスデザイン戦略
 千葉工業大学デザイン学科 安藤昌也教授

 サービスデザイン方法論 戦略編の2日目です、
 場所は同じくYahoo!さんです。

■自己紹介
 富士フィルムと聞いて思いついたこと。

 ・大友さん 楽天ディレクター
 ・須藤さん ブラザー
 ・斉藤さん エンジニアの会社を運営
 ・途中からNECの岩田さん

 ※富士フィルムはエコー検査で後発だったが、HCDを取り入れてシェア3位まで上り詰めた。
  エコーも記念写真のようだと考えた。
  富士フィルムが開発したHCD手法:福笑い法

■UXデザインの考え方

▼産業デザインとしてのUXD
 UX (1)体験そのものはユーザーの個人的なもの
        ?
 UXD (2)どんな体験をしてもらうか計画すること
        ?
    (3)体験が量産・再生産される仕組みを作ること

  ※おもてなし
   裏ではちゃんとした仕組みがある。
   
  ※Webでは(2)と(3)が近いので、やりやすい。

▼UXデザインをはじめるための前提

 1. ユーザーの体験を設計対象と捉える
 2. 製品・サービスは、ユーザー体験を実現する手段
  あるいはユーザー体験の一部としてとらえる。(タッチポイント)

▼UXをデザインするための諸手法の位置づけ
 ユーザーの体験価値を探索するフェーズ
  ・ユーザー行為の観察・インタビュー
  ・エスノグラフィ
  ・KA法による価値モデリング、上位下位分析
  ・ペルソナ/問題シナリオ

 コンセプトアイディア
  ・製品・サービスアイディア
  ・バリューシナリオ、ストーリーテリング

 実現すべきユーザー体験とその効果の可視化
  ・アクティングアウトによる体験のスケッチ
  ・アクティビティシナリオ
  ・ユーザージャーニーマッピング、UXマップ

 企図した体験を実現するフェーズ
  ・プロトタイピング/モックアップ
  ・サービスブループリント
  ・ユーザーテスト

■UXデザイン戦略

▼UXデザイン戦略の考え方
 ユーザーのことを考えないビジネスはありえない。
 我々の取り組んでいることはかならず伝わる。
 が、伝え方については考える必要がある。

▼あるべきUXデザイン戦略の視座
 UXD戦略はどのレベルでも設定可能だが、組織のDNAと整合しつつ、
 時代に合った体験価値を示すのが重要。

 ※UXコンセプトは会社の資産
 ※UXデザイン戦略には企業の歴史、文化、DNAが整合、
  リフレームされていることが重要。
 ※社員の意識も重要:社員がUXの意識を持っていないとだめ。
  ものをつくっていくときは同じものを目指していくことが大事。
 ※UXデザイン戦略は企業の言葉であるが、ユーザーの言葉になるはずである。

▼企業におけるUXデザイン実践ポイント
 (1)ユーザー体験をデザインするためには何から着手すればよいか?

 (2)ユーザーの体験価値のどこに着眼してデザインしたらよいのか?

 (3)ユーザー体験価値が把握できればよいUXデザインができるのか?
 
 (4)どうやって既存のビジネスの提供価値をリフレームして
    新しいUXデザインを生み出せるのか?

 (5)UXデザインによる商品コンセプトをどうやって作っていけばよいか?

  ※”UXコンセプトツリー”を戦略の要として使う!

▼ユーザー体験をデザインするためには何から着手すればよいか?
 まずは調査してみましょう。がもっともリーズナブルな方法。
 ユーザ調査→モデリング→ペルソナ作成→商品コンセプトのアイディア創出

 ※大事なのはユーザー調査やペルソナ作成しているときにビジネスの話をしない、
  ビジネス情報は適切なタイミングで合わせる。
  ユーザーのことを考えるときはユーザーのことに集中する。
 ※エンジニアだと技術のことを考えてしまう。

▼ユーザーモデリングの三階層
 属性層→行為層→価値層

 ※デザインとはユーザーに新しい行為をさせる
 ※UX3点セット(ペルソナ・CJM・KA法)

(1)ユーザー体験をデザインするには何から着手すればよいか?

▼ユーザーの価値モデルから始める
 KA法などを活用しユーザーの本質的な価値の全体像を見極めることから
 UXデザインを始める。

▼KA法
 KA法は、調査結果それぞれの事実の背後にあるユーザーにとっての価値を抽出。
 ※どんな小さな行為にも背景には価値は存在する

(2)ユーザーの体験価値のどこに着眼してデザインしたらよいのか?
 答えはない
 既存サービスの提供価値分析を行う。

▼競合の提供価値分析
 ユーザーの体験価値で見ると、意外な競合が提供するサービスでカバーされていることもある。
 
▼企業等のサービスのKA分析
 リバースエンジニアリング

(3)ユーザー体験価値が把握できればよいUXデザインができるのか?
 例:家電ドクター メンテくん。
 例:リコール.jp

  →クロネコヤマトが行っているサービス
   ※パナソニックのリコールをクロネコヤマトが代行したのでノウハウが溜まっていた。

▼クロネコヤマトメンテナンス支援ビジネスの構造
 ビジネス提供価値のリフレーミングが必須になる。
 ※ビジネスのコアコンピタンスをユーザー体験の視点で捉え直し体験価値を
  絞り込むことが重要。
  →UXコンセプトツリーを利用する。

(4)どうやって既存ビジネスの提供価値をリフレームして
   新しいUXデザインを生み出せるのか?
 
▼企業のDNAをユーザーの価値に読み替える
 例:東芝はお客さんに対してどういった価値を提供していたか。
   トップダウンアプローチ

http://www.toshiba.co.jp/design/ux/

 タブレットのワークショップを行い、
 まずはデザインセンター長にアクティングアウトを見てもらった
 →これはすごい!と副社長プレゼンに導入された。
  副社長に経験価値が大事だということを理解してもらった
  (UXという言葉は使ってない)
  UXに取り組む事はは当たり前のこと。

  UXデザインの事例を作りたいとリクエストを受けたが、一個も作ってない、
  今まで東芝が取り組んで来たことがUXデザインになっていた。

▼アイデア発想とその選出結果から導出する
 例:MTI
   ボトムアップのアプローチ

  具体的アイディアリストから体験コンセプト案を考える。
  UX決済という社内プロセスを持っているようになった。

(5)UXデザインによる商品のコンセプトをどうやって作っていけばよいか?

▼UXコンセプトツリー
 体験コンセプトをタッチポイントで考える。
 ビジネスの情報をここで使用する。

▼UXコンセプトツリーの作成法
 ※体験フィルター→よい体験をしないと良いものはつくれない。
          UXデザイナーは体験フィルターを鍛えよう。
 ※アイデア投票が大事

▼小括
 UXコンセプトツリーを途中段階で導出することとして、以下の3つが挙げられる

  (1)ユーザー体験価値が、企業の提供価値の文脈の中に位置づけられ、明確化される
  (2)個別に発想したアイデアだけがUXデザインの成果となるだけでなく、
     ユーザー体験価値を実現する手段として明確に位置づけられる。
  (3)アイデアや商品コンセプトの評価を行う際に、
     どの水準までが検証できたかの基準が明確になり、
     ブラッシュアップが行いやすくなる。

■ワークショップ

 とりあえずKA法を実施。

▼価値マップ作成

 ヘルスケア→健康を気遣うをサポートする。

 対象行為:テーマ
  「健康を気遣う」

 手法:観察が苦手な場合、フォトエッセイをやるとよい。
    あなたがやっていること
    あなたがやりたくてもできてないこと(未充足)

 ※質的研究ではマップをつくった納得感が重要。

▼アイデア発想

▼商品開発の3要素
 ターゲット、

ここでペルソナをターゲットユーザーとして利用してアイデア発想する。
価値の連鎖に注目する。
SEPIAフレームワークがアイデア発想のドライブを握っている。

(1)価値マップの注目すべき点、共感した点を話し合う
(2)ターゲットユーザーを決めてアイデアを発想
(3)SEPIAフレームワークも考慮する。

★アイデア発想の手法があまりよく取り入れられていない、と感じました。

▼投票を行う

単純に付箋が多くついたもの順に並べ替える。

 ピンク→自分がユーザーだとしたら、ぜひ使ってみたいサービス
 ブルー→企業として提供したらウケそうだと思うサービス
 イエロー→実現性が最も高いと思うサービス

今回はピンクが多くついたものを上位にする
(ブルーは企業なので判断しずらいため)

▼上位アイデアから共通する体験を導出する。
 上位に残ったアイデアを見比べて、そこに共通するユーザーの体験価値を導出する。
 その際、作る言葉は、以下のような表現にするとよい

 ・ユーザーが共感するような、モチベーションや必要性を含んだものがよい
 ・動詞的な表現であるもの、もしくはユーザーの動きを含んだものがよい
 ・多様なタイプのユーザーに共通するもののほうがよい

  ※ユーザーの体験と企業の理念が両方組合わさった文言だと良い。

 僕たちのチームは 
 「健康な未来を写しだす。」
 としました。

※KFS(キー満足要因)はタッチポイントを満たすための条件、
 毎回同じ状態で撮影できるから、継続して変化を見ることが出来る。
 体系の差分を比較できるから、継続して変化を見ることが出来る。

残念ながら体験したことのあるワークショップだったので・・・
まぁ、復習にはなりましたが、最初に言ってくれればって感じです。