今日はメインのセミナーですが、
午後からなので、とりあえずお昼ご飯を食べにエスカの山本屋本店に。
さすがに混んでますね、そんなには時間かからなかったですけど。
天ぷらうどんにご飯をつけちゃいました。
お昼ご飯を食べても時間が余ってたので、
コメダでシロノワールを。
一服してから会場のウィンク愛知に向かいました。
「UXデザインの教科書」出版記念セミナー in名古屋
▼UXデザインにおける安藤の特殊なポジション
・NTTデータ時代は調査コンサルをしていた。(サービスデザインが仕事だった。)
・アライド・ブレインズ時代→使えないものを使えるものにしていた。
▼理論
UXの研究で初めて博士号を取った。
▼「UXデザインの教科書」は教科書である
UXデザインを学びたい人が、一通りの知識を習得するために独習できる教科書。
→皆さんの読む書籍は途切れ途切れになってしまっているので、間をつなぐ本を書いた。
→予定の2倍書いた。文章が入りきららなくて4章だけダブルカラムになった(笑)
▼学問領域としてのUXデザインを扱っている。
UXデザインは、1つの学問領域である。知っておくべきアカデミックな知識を
整理体系化したのも本書の特徴。
▼実践としてのUXデザインを扱っている。
UXデザインは、デザインの実践でもある。
実践のための手法と結果、コツや留意点について整理されている点も特徴。
▼UXは流行り言葉?
UXのUXがなっていない→みんな好きですねー
良いものを作りたいと思った人たちが作り上げてきたものがUX。
▼本書の想い
・UXデザインをもっと当たり前のものにしたい
UXデザイナーの独占ではなく、みんなが考えられるようになれば、
いいものをつくることができる。
・みんながUXデザインをできるようになった時、UXデザイナーは
もっと専門的にユーザーの心理に迫れる専門家になってほしい
・UXデザインへの考え方は多様でいい。だが「UXの最適化」といってしまうような、
本質を理解していない言葉の氾濫が、
いいものをつくる活動を妨げないような環境を作りたい
・論理観をもった専門職としてのUXデザイナーが、もっと増えて活躍できるようにしたい
そして、いい社会をつくりたい。
※UXの最適化とか言っちゃう会社が気に食わない(笑)
あんまりイイ加減にUXって付けちゃう会社が増えるとUXって怪しくね。
と思われてしまう。
■UXデザインの現在
▼実践としてのUXデザインの要素と関係性
UXデザイン→直接対象物を示しているわけではない(分かりにくさの一つ)
UXがデザインできればマインドコントロールになってしまう。
いろいろなものを組み合わせてデザインを作っていく。
▼産業デザインとしてのUXデザイン
UXとUXDとの言葉の違い
UX→「体験」そのものはユーザーの個人的なもの
UXD→どんな「体験」をしてもらうか計画すること。
※UXDには一番大切なことが抜けている。
企業として体験が量産・再生産される製品・サービスと仕組みを作ること
※UXは主観、それをどうにかエンジニアリングすることがキモになる。
▼UXデザインのインプット
UXデザインを行うためには7つのインプットが必要。
・ユーザー体験(体験価値)
・利用文脈(時間の概念が必要)
・製品そのものの把握
・ビジネス戦略の把握
※ワークショップとかするとビジネス戦略が抜けおちる。
(会社らしらという解き方)
・ノウハウの活用(デザインパターン・ガイドライン)
・人間中心設計プロセス
・学問(認知工学・人間工学・感性工学)
▼UXデザインのアウトプット
・実現する体験価値の設定
・(理想のUXと利用文脈の想定)どういった利用文脈で使われるか
・理想のUXを実現する製品・サービスの制作
・UXを実現する製品・サービスを提供する仕組みの設計
※仕組みを作るまでがUXデザイン
→利用文脈のシナリオを書くことが非常に難しい(アクティビティシナリオ)
最初に画面とか作っちゃう。
■UX
▼UXの基本フレームワーク:ハッセンツァールモデル
実用的属性→プラグマティッククオリティ
快楽的属性→ヘドニッククオリティ
※UXの研究者でハッセンツァールを知らない人はもぐり。
▼ISO9241-210におけるUXの定義
ユーザエクスペリエンス(UX)
製品、システム又はサービスの使用及び/
又は使用を予想したことにより生じる個人の近くと反応。
・注1:ユーザーエクスペリエンスは、使用前、使用中、及び使用後に生じる、
ユーザーの感情、信念、思考、知覚、身体的及び心理的反応、行動、
その結果のすべてを含む。
・注2:ユーザーエクスペリエンスは、ブランドイメージ、提示、機能の動き、
システムの性能、インタラクティブシステムのインタラクティブな振る舞い
及び支援機能、事前の経験の結果生じるユーザーの内的及び身体的な状態、
態度、技能及び人格、利用の状況、これらの帰結である。
・注3:ユーザビリティは、ユーザーの個人的な目標の観点から解釈されたとき、
通常はユーザーエクスペリエンスと結びついた知覚及び感情的側面の類を
含めることができる。ユーザビリティの基準は、
ユーザーエクスペリエンスのいくつかの側面を評価するために使用できる。
▼UX白書のモデル
UXを4つの期間で分けて考えると分かりやすいよ。
※誤解が多い
お化け屋敷は入り口と出口が平行になっている。
(出口で怖がりながら出てくる人を並んでいる人に見せている)
→予期的UXをデザインしている。
UIUXという考えで取り組む人
→間違っているわけではない、UIから考える人は一時的UXから考えている。
ただタスクベースで考えるのが基本。
※UX頑張ろうよ!という人たちはどこを取り組もうかとしているかを考えたほうがいい。
■UXと体験価値
▼そもそも体験価値とは何か?
体験価値とは、ユーザーが日常の利用体験から構築する経験的知識に対する概念的な表象。
※表象→認知心理学的には概念的なイメージ
▼体験価値はどのように形成されるのか?
人はモノを使う経験を通して、徐々に体験価値を形成する。
これはメンタルモデルの精緻化の過程とも言える。
■体験価値に基づくUXデザイン
安藤先生の父親の話
・今まではSDカードからプリントしていた。
・それがスマフォから印刷するように変わってしまった。
・安藤先生のお父さんは印刷できなくなってしまった。
・安藤先生のお父さんは建築関係の仕事で大型のプリンターを持っている。
・CADを使ってA1で出力した(笑)
※みんなで写真を見たいという本質的な価値は達成されている。
▼HCDとUXDプロセス
人間中心設計は、UXデザインを実践するための理論。
▼UXをデザインするための諸手法の位置付け
▼なぜ体験価値に基づくUXデザインなのか
人は多くのものに囲まれて生活している。
ユーザーにとって意味や価値を、感じないものは、無いのも同然。
使うことでユーザーが構築する価値=体験価値をまず理解することが
新しい製品・サービスを作る近道
▼ニーズではなく体験価値に注目する理由
手段にとらわれず本質的にひとが求めるものを把握する。
▼体験価値に基づくUXデザインの考え方
ユーザーモデリングの三階層は、UXデザインの基本発想。
※お客さんの言ったことを順番にやるだけではモデリングしていない、
順番分けしただけ、だめ。
属性層 どんな方か、どんなユーザーか。
行為層 行為をしている。何らかの意味がある。
価値層 着目する価値(体験価値)
※3つのモデルに対応する手法がある
・ユーザー調査の代表的な手法
価値層 デプスインタビュー・フォトエッセイ
行為層 エスノグラフィ・コンテクスチュアルインクワイアリー・行動観察
属性層 アンケート・インタビュー
・主なユーザーモデリング手法
価値層 上位・下位関係分析 KA法
行為層 ジャーニーマップ・問題シナリオ・ワークモデル分析
属性層 ペルソナ法
▼UXデザインの基本ユーザーモデル。
ジャーニーマップのキモはマトリクスモデル。
▼どうやって目指す体験価値を選べばよいか?
ここからページが飛びました。
▼シナリオで描くユーザーの行動・感情・価値観
本書P135に手法が書かれている。
書籍「成功することを決めた」
▼一貫的手法(5)構造化シナリオ法
バリューシナリオ、アクティビティシナリオ、
インタラクションシナリオに分けてシナリオを書く方法。
※特殊なポイント。書いていけないことが決まっている。
書かないことによって、下のレイヤーの自由度を上げている。
エンジニアはアクティビティを書けない。
※機能とアクティビティの違いがわからない。
※アクティビティとインタラクションの違いがわかると初めてUXDに成る。
■質問
BtoBとBtoCのユーザーの違いはあるのか
→違わない。同様にしっかりと調べないといけない。
ワークショップ
最初からUXコンセプトシートが用意されていて、全部埋まっている状態から、
空いているところを埋めていく。
最後までなかなか埋まらないまま、
アクティビティシナリオはかけず・・・
いつもアクティビティシナリオを書く際に「さぁ、書いて!」になりがちですけど、
安藤先生のワークシートを使えば、よりよいアクティビティシナリオが書けると感じました。
▼UXデザインでなかなか学べない点
UXデザインのプロセスでは、理想のUXを検討することが重要だが、
リサーチからシナリオを検討する過程を丁寧に学ぶ機会は少ない。
▼構造化シナリオ法で最も難しいアクティビティ
適切なアクティビティシナリオが書ければ、UXデザインの根幹が理解できたも同然。
しかし、初心者には難しい。
▼ワークショップでうまくアクティビティが書けない理由
従来のワークショップでは、うまくアクティビティが書けないことが多い。
その理由は、ワークショップでシナリオ=文章を書くこと自体の限界とも言える。
・アクティビティを検討している段階では、タスクとユーザーの行動の区別をつけにくい。
タスクを考えないとユーザーの行動を考えることができないこともある。
・シナリオ(=文章)を書くとすると、誰かがオーガナイズして書くことになる。
細かい矛盾を、一人のオーガナイザーが埋め合わせることになりがち。
・前から検討すると、次第に矛盾が生じるが、文章で順に書き出してしまうと、
試行錯誤する手間を惜しむ傾向にあり、修正されにくい。
・コンセプトの体験を描くことに注目が行くため、コンセプトが目指していた体験価値が、
そのままシナリオで本当にユーザーに実感できるものになっているか
考えないまま進んでしまうことが多い。
■まとめ
とてもわかりやすいセミナーでした、これだけのために名古屋に来たかいがありました、
(本には書いてあると思うのですが、なかなか読み込めず・・・)
■懇親会
1次会は「世界の山ちゃん」
2次会はセクシー居酒屋のSAYURI
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