[書評] USIP ユーザビリティ評価のためのWebサイト部分プロトタイピング法 2025年01月21日

産業技術大学院大学のユーザーテストでお世話になった古田先生が本を書いたとのことで、さっそく読んでみました。

USIP法:ユーザースクリプトによるプロトタイピングの手法

概要

USIP法(User-Script Injection for Prototyping)は、既存のWebサイトをユーザースクリプトで改編し、ユーザーテストやプロトタイピングを効率的に実施する手法です。これは、HTML/CSS/JavaScriptを利用し、既存のページの一部をカスタマイズすることで、リアルなテスト環境を迅速に構築できます。


主なメリット

  • 迅速なプロトタイピング: 現行サイトをベースに部分改修することで、99%本番環境に近いテストが可能。

  • 低コスト運用: サーバーデータを変更せず、担当者を巻き込まずに独立した調査が可能。

  • 既存ツールとの補完性: Figmaなどのツールで表現が難しい動的インタラクションやデータベース連携も対応可能。


制約

  • クライアントサイド限定: サーバーサイドの処理には対応不可。

  • 端末依存性: 改編はスクリプトが仕込まれた端末でのみ有効。

  • リモートテストの困難さ: 参加者自身にスクリプトや拡張機能をインストールさせるのは難しい。


実践の流れ

  1. 環境準備

    • Tampermonkeyなどの拡張機能をインストールし、ブラウザ上でスクリプトを動作させる準備を整える。

  2. スクリプト作成

    • JavaScriptを用いて対象ページを改編。特定の要素を取得し、スタイル変更やイベント処理を追加。

  3. ユーザーテスト

    • プロトタイプを用いたモニター評価を実施し、改善案を検証。


応用例

  • 既存要素のカスタマイズ: ボタンのデザイン変更や警告文の表示位置を調整。

  • インタラクションの追加: 入力欄への注意喚起の吹き出しを表示。

  • 外部リソース管理: CSSやJavaScriptを外部サーバーで管理し、更新を効率化。


活用シーン

  • 小規模改修案の迅速な検証。

  • ユーザビリティ向上に向けた部分的なデザインテスト。

  • リアルな環境下でのユーザーテスト。


著者の見解

本手法は、既存サイトの改善案を現実的に検証するための効率的な手段であり、リサーチ部門や品質保証部門との連携に最適です。大規模リニューアルとは異なり、小さな改善を繰り返すアジャイル型のプロセスに貢献します。とのことです。

所感

うーん、JavaScriptゴリゴリに書いてあるのでちょっと難しかったです。

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