最近、Facebookのリールを見ていると、妙な動画が増えてきた。
「画面を2回タップして!!」

コンテンツの途中で突然そう言われる。
言われるがままにダブルタップすると、結果的に「いいね」が押される仕組みだ。
一見、ただの小技に見える。
でも、UXデザイナーとして見ると、これはかなり危険な兆候だと感じている。
⚠️ ① ユーザーの意思決定をハックしている
本来「いいね」は、ユーザーの評価行動だ。
- 面白かった
- 役に立った
- 共感した
この“感情の結果”として押されるもの。
しかしこの手法は違う。
👉 「操作」を促して、結果的に「いいね」を押させている
つまり、
- 意思 → 行動 ではなく
- 誘導 → 行動 →(後付けの意味)
になっている。
これはUXではなく、行動操作(behavior manipulation)に近い。
🧠 ② システム1を悪用した“ダークパターン”
人間は深く考えずに反応する「直感的思考(システム1)」を持っている。
- 画面をタップして
- ここ押して
- 今すぐ!
こういった指示は、思考を介さずに行動を引き出す。
このリール動画は、
👉 「評価ボタン」を
👉 「ゲーム的操作」にすり替えている
つまり、ユーザーは「いいねした」という認識すら曖昧なまま押している。
これは典型的なダークパターンの一種だ。
📉 ③ プラットフォームの信頼性を壊す
ここが一番問題だと思っている。
「いいね」が本来の意味を失うこと。
もしこういう動画が増えたらどうなるか?
- いいね数が信用できなくなる
- 人気コンテンツの指標が崩れる
- アルゴリズムが歪む
結果として、
👉 「いいね=価値」というUXが崩壊する
これはプラットフォームにとって致命的だ。
📊 ④ アルゴリズム汚染という副作用
FacebookやInstagramは「いいね」を重要なシグナルとしている。
しかしこの手法が広がると、
- 本当に良いコンテンツ
- 操作で稼いだコンテンツ
が区別できなくなる。
するとどうなるか?
👉 “質の低いコンテンツ”が上に来る
これはUX的には
- 探索体験の劣化
- 情報の質の低下
を意味する。
ユーザー体験がじわじわ壊れていく。
😓 ⑤ ユーザー体験の「違和感」と「不信感」
最初は気づかないかもしれない。
でも何度か体験するとこうなる。
- なんか騙された感じがする
- 勝手にいいね押された
- このアプリ信用できる?
UXにおいて最も重要なのは
👉 「信頼」
一度でも損なわれると、回復は難しい。
🧩 ⑥ UXデザイナー視点での結論
この手法は短期的には効果がある。
- エンゲージメントが上がる
- 数字が伸びる
でも、それは“錯覚の成長”だ。
長期的には確実に壊す。
- ユーザーの信頼
- 指標の意味
- プラットフォームの健全性
🎯 結論:それはUXではなく「UXの破壊」
「画面を2回タップして」
この一言の裏にあるのは、
👉 ユーザー中心ではなく
👉 数値中心の設計
UXデザインとは本来、
- ユーザーの意図を尊重し
- 自然な行動を支えるもの
だ。
それを逆行するこの手法は、
👉 UXではなく「UXの破壊」
だと私は思う。
✍️ 追記(UXデザイナーとして)
もしこれを「テクニック」として学ぶ人がいるなら、気をつけてほしい。
それは
- “成果を出す技術”ではなく
- “信頼を削る技術”
だ。
UXは短期の数字ではなく、長期の関係性で評価される。


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