困った!を解決するアクセシビリティことはじめ 2024年9月25日

講師:間嶋沙知さん

▼自己紹介
 ・高知在住フリーランス
 ・小規模受託案件メイン
 ・印刷物+ウェブデザイン
 ・こぶたと暮らしている

▼「困った!」を解決するデザイン
 書籍:2024年09月24日発売

▼アクセシビリティは0か100かではなく高めるもの

現状より多くの人に届く可能性を拡げるもの
減点法ではなく加点法でいこう。

①アクセシビリティってなんだろう

 ユーザビリティと間違いやすい
 
 アクセシビリティ:使える状況の幅広さ

 使いやすさはアクセシビリティの上に成り立つ

 まずは使えるレベルを満たす
 その状況をより多くの人に拡げる

・ユーザビリティも向上する

・シャンプーの容器:シャンプーのこきざみに込められた思い 花王
 https://www.kao.com/jp/web-accessibility/accessibility-movies/

・ネットフリックス:訴訟をもとに字幕を付け始めた。
 https://help.netflix.com/ja/node/116022

▼アクセシビリティのよくある誤解
 うちには必要ない?関係ない?

 ・ユーザーに障害者はいないから
 ・若者がターゲットだから
 ・公的機関じゃないから

 アクセシビリティが必要ないものはない
 無関係な人はいない

  アクセスできないと価値や情報、体験を受け取れない

▼ニーズ/ペインの共有
 状況       一時的  永続的
 たくさんのにもつ 怪我   片腕
 騒がしい場所   耳鳴り  聴覚障害
 まぶしい場所   白内障  ロービジョン

▼高齢社会
 2070年 38.7%

▼障害の社会モデル
 社会の側にある壁を取り除けば「障害」はなくなる
 ×階段のみ 〇エレベーターもある

▼職場に必要なのは、あなたのやさしさです? SmartHR
https://accessibility.smarthr.co.jp/specialmovie/

▼障害者差別解消法改正
 具体的な基準が提供されているわけではない。

×アクセシビリティが義務化されます!
 ×これひとつで国の要求する基準を満たせます

 →事業者の「合理的配慮」の提供が義務化した。

▼合理的配慮の提供
 障害のある人から、社会の中にあるバリアを取り除くために
 何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられたときに
 負担が重すぎない範囲で対応すること
 
 Reasonable Accommodation
 合理的、適正な 調整。

 
▼合理的配慮の提供のポイント
 建設的な対話をもとに調査を行う

▼環境の設備
 合理的配慮が適格に行えるよう、不特定多数の
 障害者を主な対象として行う事前の改善措置 

アクセシビリティを向上する=「環境の整備」を進めると
 ・合理的配慮の提供がスムーズに行える
 ・いろんな状況で誰もが便利に使える
 ・社会参加できる人/利用者の母数が増える

▼アクセシビリティ向上のポイント
 誰かの「困った!」に気づいて改善すること

 改善すればみんなが使いやすくなる

②困った!を解決するデザイン

▼「知らなかった」が壁をつくる
 ・ユーザーの困りごとを知らなかった
 ・困りごとの解決方法を知らなかった

▼アクセシビリティは視点を増やす味方
 ・ユーザーの困りごとを知らなかった
  →ユーザーと利用状況を知る
 ・困りごとの解決方法を知らなかった
  →手段や表現の引き出しを増やす

▼書籍:「困った!」を解決するデザイン
 ・初版は黄色マーカーで強調
  改定版は波線

▼色の困りごと①コントラストが低い
 ロービジョン:焦点ズレ・光量過多
 加齢:白内障

▼アクセシブルな色使いのポイント①

 コントラストを確保する
 
 ・屋外の直射日光の下
 ・薄暗い部屋で見ている
 ・古いモニタ、プロジェクター
 ・急ぎながら見ている

 →さまざまな状況で見えやすくなる

▼色の困りごと②色だけで情報を伝えている

 日本人男性の約20人に1人が一般色覚と異なる色覚

 →色以外の要素と組み合わせて情報を伝える

▼カラーユニバーサルデザイン
 色のわかりやすさを誰もが受け取れるように

▼色覚シミュレーションのチェックポイント
 ・色の見え方によって読めなくなる情報がないか
 ・色の見え方が異なっても色分けは機能しているか
 ・色だけで伝えている情報はないか

▼カラーユニバーサルデザイン推奨配色セット
 https://jfly.uni-koeln.de/colorset/

▼文字とことばの困りごと
 読みにくさの状況はさまざま
 ・見えない、見えにくい
 ・言語の壁
 ・読書姿勢を保つのが困難
 ・ディスレクシア

▼アクセシブルな文字とことばのポイント
 特性に応じて利用しやすい形式を選べるようにする

▼アクセシブル・ブック
 特性に応じて利用しやすい形式でコンテンツにアクセスできる本
 読書バリアフリー法 文部科学省

 ★ここに画像001

▼コンテンツ作成時のポイント
 
 見出しをつけよう

 見出しがないと…
  ・わかりにくい
  ・情報が見つけにくい
  ・読む気にならない

▼見出しの役割
 見出しは
 目を引くために役立つだけでなく
 情報を組織化し、
 階層構造を明らかにし、
 ページ上の道案内となり、
 焦点を作り出します。

▼見出しのつけかた
 ①情報を整理して内容ごとにまとめる
 ②内容を予測できる見出しをつける
 ③見た目に反映する

▼さらにアクセシブルに

 見出し要素を使おう(書式設定)
 ・目次が生成できる
 ・スタイルを一括で変更できる

▼見出し要素を使うコツ
 ・見出しレベルで階層を表す
 ・見出しでないものに装飾目的で見出し要素を使わない

③ウェブとアクセシビリティ
 ウェブ→どこからでもアクセスできる

 ウェブの力はその普遍性にある。
 障害の有無に関わらず誰でもアクセスできることは
 ウェブの本質的なあり方である。

 Tim Berners-Lee

▼視覚障害者のウェブページ利用方法の紹介ビデオ(総務省)
 https://www.youtube.com/watch?v=RLIKacI05fE

 ・VoiceOver
 ・らくらくマウスIIIジョイスティック型

▼おすすめ
 書籍:Webアプリケーションアクセシビリティ

▼何をどこまでやればいいの…?
 あらゆる困りごとをカバーできる指針が欲しい!

 Web Content Accessibility Guidelines 2.2
 https://waic.jp/translations/WCAG22/

▼WCAGの4つの原則
 1:知覚可能 29
 2:操作可能 34
 3:理解可能 21
 4:堅牢   2

▼達成基準の3つの適合レベル
 A:最低限の基準
  達成できないと支援技術を使ってもアクセスできない

 AA:望ましい基準
  達成できれば支援技術なしでもアクセスしやすい
 
 AAA:発展的な基準
  達成できればさらにアクセスしやすくなる

 ※通常はAかAAを目指す

 WCAG 早見表:時代工房
 https://www.jidaikobo.com/archives/40.html

 ・WCAG 解説書 https://waic.jp/translations/WCAG21/Understanding/
 ・各社のウェブアクセシビリティガイドライン

   ・Ameba
   https://ameblo.jp/accessibility
   ・freee
     https://a11y-guidelines.freee.co.jp/index.html
   ・LIFULL
   https://www.lifull.blog/entry/lifull-accessibility-guidelines
   ・SmartHR
     https://smarthr.design/accessibility/

 ・ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック(デジタル庁)
  https://www.digital.go.jp/resources/introduction-to-web-accessibility-guidebook

④ここから始めるアクセシビリティ

▼4つの「非干渉」
 達成できないと他のコンテンツまで干渉するもの
  ・音声の制御
  ・3回の閃光、又は閾値以下
  ・キーボードトラップなし
  ・一時停止、停止、非表示

▼非干渉①音声の制御

 音声を勝手に再生しない!
 

▼非干渉②3回の閃光、又は閾値以下

 光が激しい点滅する表現を避ける!
 (ポケモンショック事件)
 

▼③非干渉:キーボードトラップなし

 フォーカスインジケーターを消さない
 2.4.7.フォーカスの可視化(AA)

▼非干渉④一時停止、停止、非表示

 コンテンツを勝手に動かさない

 動かさずに表示する方法を検討する

 AAA11Y:https://www.aaa11y.com/

▼The WebAIM Million:https://accessible-usable.net/2024/04/entry_240411.html

▼コントラストの確保
 
▼代替テキスト
 
 AIで作ってもらう。

▼チェックリスト
 A11y.jp:https://weba11y.jp/

ウェブアクセシビリティ簡易チェックリスト
 https://smarthr.design/accessibility/check-list/

アクセシビリティを高めることは
情報・価値・体験が届く人を増やす
クリエイティブな行為

コメント

タイトルとURLをコピーしました