山梨大ADP 第1回 UXデザイン概論 2004年10月25日

いつものマクドナルドで軽く夕食をとり、
18:10にNTTデータのビルへ。

ということで、本日は恩師でもある安藤先生の講義です、
スライド見るとかなり盛りだくさんなので、
ポイントだけ記録に残しておきます。

▼自己紹介
 安藤昌也
 千葉工業大学教授
 UXデザインの教科書
 監訳 プロダクトビジョン
 Youtubeチャンネル「安藤昌也ら」
 
▼UXとは
 user experience

▼UXD
 User experience design
 黒須先生はdesigning for UXと呼んでいる

 使い手 USER【UX】
 作り手 Designer【UXD】

ユーザーがうれしいと感じる体験となるように 製品やサービスを企画の段階から
理想のユーザー体験(UX)を目標として デザインしていく取組み方とその方法論

 
▼HCDとUXD
HCDやUXデザインは、“使う人”あるいは“使う人の体験”を尊重し、
そのことを考えてデザインすることだ。

使う人の状況を理解することはとても難しい
まして使う人のことを考えてものづくりすることも難しい
だが方法論に従うことで接近できる

▼組織的活動としての人間中心設計

 利用状況(コンテキスト)は時間的な側面を強調している。

■体験価値とUXデザイン

 安藤先生はUXを「長期的ユーザビリティ」と呼んでいた。

 体験と経験の違いは?
 マイクロソフトはユーザー経験と呼んでいる
 体験という言葉には瞬間的なニュアンスを含んでいる

▼体験価値とUXデザイン
 
 体験こそ商品
 (Merholz ,et al,.2008)

▼消費者は「体験」を買っている
 バルミューダと日本のサイトを比較すると、
 体験価値をいかに伝達するかに注力しているかに気づく

美味しく炊ける機能は必要だが
それによってユーザーは美味しい食事のある生活価値を求めている

▼ユーザー体験(UX)とは?

 ユーザー体験は、製品やサービスを実際の利用状況(利用文 脈)の中で利用する際の、
 ユーザーの中に生じるもの。

 ユーザーの心の中にUXがあるという意味ではない
 利用文脈の中で製品とインタラクションの結果生じるものがUXという意味

▼UXの期間モデル
 UXは、時間の観点捉えることが重要。ユーザーは、
 それぞれ、異なる評価基準で体験を評価する。

UXの期間モデル

 

※UXなんて難しくない サプライズパーティーだって立派なUXデザインだろ?

 UXD 体験が量産・再生産される製品・サービスと仕組みを作ること
 SD サービス提供体の品質を維持する全体的・組織的を計画すること
  ※サービスリカバリーデザイン

■体験の捉え方
 
UXデザインを軸としたイノベーション
 
 UXを考慮したアプリケーションが、イノベーションへと繋がるビジネス展開のコア
 となる事例も増えている。

「JapanTaxi (全国タクシー)」(2011~2022)の例
  (2021〜タクシーアプリ 「GO」)

 プロダクトのUXデザインだけで、利益を考えようとすると結局失敗するのは確実
 総合的なビジネス展開の主軸としてUXデザインを置くことが重要

 GPSでどこでも来てくれる
  →ああ、良かったなー
  →JapanTaxiの人々はちゃんとわかっている。

  JapnTaxi→累積的UX
  MOV→エピソード的UX
  S.RIDE→瞬間的UX

▼体験全体を様々なレンズで見ることが重要

UXデザインはUXをとらえる多様なレベルを行き来し、全てのレベルを計画することになる。
売りはその内の重視点。

▼具体的にどうアプローチするのか?

▼UXデザインの大きな特徴
 ペルソナ法

▼UXデザインの大きな特徴
 UX「ユーザーの主観的体験」という扱いにくい事象を、
 ユーザーモデリングという技法を活用し、デザインの俎上に
 載せる点が最大の特徴である。

 パターンとして捉えてモデルを作ることで
操作可能になる
  →利用状況

従来のマーケティング・セグメントでは不十分
ユーザーの利用状況・利用文脈を基づいてパターン化

▼ユーザーモデリングとUXデザインの考え方。
 ユーザーモデリングの三階層は、UXデザインの基本発想。
 
 属性層→行為層→価値層

 行為を作る

▼様々な調査法や分析法は三階層で対応付けられる

 ペルソナ法は3階層にかかる
 行為層→ジャーニーマップ
 価値層→KA法
 属性層→ペルソナ

▼UXデザインの基本ユーザーモデル「UX3点セット」
 価値マップ
 ペルソナ
 ジャーニーマップ
 の順番で作る時が多い

▼ユーザー体験の中心は「体験価値」
 日常生活を考えてみると、「体験価値」は誰かにその製品や サービスの良さを伝える時に、
 自然に話される内容になる。

 説明できない製品はないのと同じ

 製品やサービスを実際の利用環境で使い続けた時に
 どんな思いを持つか、それが製品・サービスの目指すべき目標

▼あなたの製品のユーザーは使用後になんと言いますか?
 では、あなたが今開発している製品のユーザー(ペルソナ) は、
 使用後・継続使用後になんと言いますか?
 ‒ BtoB製品でも同じです。

 開発当初に想定ユーザーに語らせたい魅力がわからない
 製品はソーシャルネットワーク時代には絶対売れません!

▼あなたの製品のユーザーは使用後になんと言いますか?

 1.ペルソナというか想定ユーザーもはっきりしてないから よくわからない
2.ペルソナや想定ユーザーは決まっているけど、なんて 喋るのかよくわからない
 3.ペルソナや想定ユーザーは決まってるし、体験価値は わかっているけど、
  私以外の他のメンバーはわからない
 4.ペルソナや想定ユーザーはいるし、開発で議論する時によく出てくるので、
  他の人もだいたい何を喋るかわかると思う

■UXデザインへの誤解と超理解

▼UXデザイン/HCDに対する誤解

そのペルソナはマーケットでどれくらいの規模いるんだ?
ペルソナってそんな偏った人の事考えても売れない
もっと万人に受け入れられる機能を考えないと

こういう考え方では “機能てんこ盛り” になるだけ
結局使われない製品になるだけ、という反省

利用状況が同じであれば
人は同じような行動・反応をする可能性が高い
  →人間行動の状況依存性を応用

※利用状況・利用文脈

▼特に“ペルソナ”への誤解が大きい
 ペルソナも本来的には人ではなく(ユーザーを含む) 利用状況のパターンを表したもの。

▼ペルソナに対する間違い
 ペルソナは、“人の姿”をしているので、わかりやすすぎるため、
 多くの誤解・間違いが巷に溢れているので注意が必要。

・ペルソナは、人ではありません。利用状況のパターンを人格化したものです。
・ペルソナは、販売ターゲットの希望を表現したものではありません。
 人が達成したいゴールや目標を含んだ利用状況のパターンです。
・ペルソナは、妄想で作ったり、実在の一人の人に基づいて作るもので はありません。
 あくまでリサーチに基づいた分析により、パターン化 して作るものです。
・ペルソナは、一体(一人)作れば良いわけではありません。むしろ 複数作ることが重要で、
 その中から優先する対象を決める方が良い。

 敢えて言えばペルソナは“誰か”ではない。状況のパターン。
 パターンを人格化し伝わりやすく、活用しやすくしたもの

▼利用状況に基づくデザインを理解しない人の不安心理

個別解
ペルソナを用いた個別的状況を追求した解決策

 ↓価値伝達

一般解
同じ利用状況や・体験を変更して良いユーザーに広く適応

創るモード・売るモードをごっちゃにしてないかを問うべき

▼UXDの品質に影響する3要素と2つの設計対象
 価値発見
 価値実現
 価値伝達

UXデザインは誰でも関わることです
あなたの顧客(本当のユーザー)が
これから作る製品を使った後に
その良さを他者になんと伝えますか?
それをあらかじめ想定してから 作るのがUXデザインです
だから
作る人全員がわかっているべきことですよね

■懇親会
 懇親会は有楽町の「じぶんどき」へ。

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