World IA Day 2025 Tokyo 2025年03月08日

■はじめに。

5時間の長丁場でしたが、
かなり難解なお話がつづきました、
誤字脱字のチェックをしていますが、
人名など判読不可能はものがありましたので、
あらかじめご了承ください。

    1. ■はじめに。
  1. ■オープニングキーノート
    1. ■長谷川さんの感想
    2. ■ミニディスカッション
    3. ■セッション1
    4. ■セッション2
    5. 1. IA(インフォメーションアーキテクチャ)と倫理
    6. 2. ダークパターンとは
    7. 3. ダークパターンへの対策
    8. 4. ダークパターンとユーザーの非対称性
    9. 5. IAができること:クリエイティブ・コモンズのモデル
    10. 6. IAの新たな役割
    11. 結論
    12. ■話題提供1
    13. 1. IAとAI、ナレッジマネジメント
    14. 2. ナレッジマネジメントとIA
    15. 3. AIの登場とナレッジ管理の変化
    16. 4. ナレッジの流動性を高めるべき理由
    17. 5. IAの新たな役割
    18. 6. AI時代に求められるナレッジマネジメント
    19. 7. IAの未来
    20. 結論
    21. ■話題提供2
    22. 1. 商業デザインとアクセシビリティ
    23. 2. マーケティングとペルソナ
    24. 3. 環境要因による一時的な障害
    25. 4. 売上とアクセシビリティの対立
    26. 5. 倫理と非倫理の境界線
    27. 6. 倫理フレームワークの提案
    28. 結論
    29. ■話題提供3
    30. 1. スーパーマーケットにおける情報設計
    31. 2. 商品の分類と文脈
    32. 3. 文脈による陳列の利点と課題
    33. 4. アレルギー対応コーナーの設置
    34. 5. 文脈と分類のバランス
    35. 6. 進化する売り場のデザイン
    36. 結論
    37. ■話題提供4
    38. 1. IA(インフォメーションアーキテクチャ)とプロフェッショナリズム
    39. 2. IAの役割:受け身ではなく、変化を生み出す存在
    40. 3. ドゥルーズ&ガタリの「アジャンスマン」とIA
    41. 4. IAの役割:社会における「逃走線」の引き手
    42. 5. 倫理と美学の関係
    43. 6. IAの未来:意味の創造者としての進化
    44. 結論
    45. ■話題提供5
    46. 1. テーマ:デジタル時代のウェルビーイング
    47. 2. 通知との向き合い方
    48. 3. タスク管理の課題
    49. 4. ジャーナリング(内省)によるウェルビーイング向上
    50. 5. 結論:ウェルビーイングのためのバランス
  2. クロージングキーノート
    1. 1. IA(インフォメーションアーキテクチャ)の本質
    2. 2. 情報整理の基本概念
    3. 3. 情報の意味とコンテクストの重要性
    4. 4. センスメイキングとIAの役割
    5. 5. 規制や法律との関係
    6. 6. システムの複雑性とIAの対応
    7. 7. IAの未来と課題

■オープニングキーノート

プロフェッショナリズムの倫理を超えて – 低線量被曝と高レベル放射性廃棄物の倫理から考える
山本史華 / 東京都市大学共通教育部教授

講演者の紹介と研究分野
山本氏は東京都市大学(旧・武蔵工業大学)の教員で、哲学と倫理学を専門に研究している。特に、生命倫理学(脳死、安楽死、代理出産など)に関心を持ち、研究している。


講演のテーマ
今回の講演では、「低線量被曝(放射線の少ない被曝)と高レベル放射性廃棄物の倫理」をテーマにしている。放射線や原発問題と倫理学の関係について考える。


哲学と医療倫理の違い
哲学や倫理学では「正解がない問題」に対して考え続けることが大事とされる。一方、医療系の分野では、正解を前提に授業が行われることが多い。この違いを踏まえ、今回の講演では「正解を押し付ける」のではなく、「みんなで一緒に考える」スタイルを取る。


プロフェッショナリズムとは?
プロフェッショナリズムは「専門職としての倫理や責任感」を指す。医者や弁護士のような専門職は、知識や技能を持ち、特定の倫理基準を守ることで成り立っている。しかし、専門職だけが倫理を持つべきなのか? という問題提起をする。


生命倫理学の誕生
1970年代に、医療のあり方が「医者中心」から「患者中心」に変化し、生命倫理学が誕生した。患者が自分で判断するための「インフォームド・コンセント(十分な説明を受けた上での同意)」が重視されるようになった。


3.11と原発事故
2011年の東日本大震災では、地震と津波により約2万人が死亡したが、原発事故が「最も深刻な問題」と考えられている。これは、

  1. 放射線の影響が長期間にわたるため、未来への不安が大きい

  2. 原発事故は「人災(人間のミス)」であり、責任を問えるから
    といった理由がある。


低線量被曝の問題
放射線を少しずつ浴びる「低線量被曝」が人体にどのような影響を与えるのかは、まだ科学的に明確にされていない。特に福島では、子どもたちの甲状腺がんの発生率が全国平均より高いというデータがあるが、それが放射線の影響によるものかどうかは議論が続いている。


科学と倫理の関係
科学者でも「正解が分からない」ことがあるため、社会全体で議論し、倫理的にどうするべきか考えなければならない。放射線や原発の問題は「科学だけでは答えを出せない」ため、社会的なコンセンサス(合意)が必要になる。


結論
プロフェッショナリズム(専門職の倫理)は大切だが、それだけでは解決できない問題が増えている。特に、放射線や原発の問題は「専門家だけでなく、社会全体で考えるべき問題」であり、科学と社会の両方の視点から議論することが必要だ。

■長谷川さんの感想

デザインと社会の問題(ウィキッド・プロブレム)

  • 情報アーキテクチャ(IA)やUX(ユーザーエクスペリエンス)の専門家の視点から、デザインが社会問題とどう関わるかを考察。

  • 「ウィキッド・プロブレム(Wicked Problem)」とは、明確な答えがなく、解決の基準も決められない問題のこと。

  • 社会やビジネスの問題の多くが「ウィキッド・プロブレム」であり、特に現代では情報通信技術の発展により、その問題がより顕在化している。


デザインが問題解決に果たす役割

  • デザインのプロセスは、答えが決まっていない問題に対して試行錯誤しながら解決策を見つけるもの。

  • 例えば、プロトタイピング(試作)を繰り返しながら、新しい発見や仮説を導くアプローチが有効。

  • デザインの手法は、社会問題の解決にも応用できる可能性がある。


現代社会におけるデザインの価値

  • これまでデザインは「より良い生活を目指す」分野として発展してきた。

  • しかし、核廃棄物や生命倫理のような「取り返しのつかない問題」には、デザインだけでは対応が難しい。

  • 社会におけるデザインの役割を再考し、分野ごとに適切な方法を模索する必要がある。


感想のまとめ

  • デザインの考え方は社会問題にも有効だが、解決困難な倫理的・技術的な問題に対しては限界がある。

  • 生命倫理や核廃棄物のような問題は、デザインだけでなく、より広い視点でのアプローチが求められる。

  • これらの問題に取り組むためには、デザインと他の専門分野の協力が不可欠だと感じた。

■ミニディスカッション

オープニングキーノートの質疑応答を兼ねて
パネリスト:山本史華、長谷川敦士、大橋正司、森田雄(モデレーター)

Q.山本先生

ちょっと質問していいですか
推論の方法としてよく言われるのが
演繹と帰納と
先ほどおっしゃったアブダクション
そうするとアブダクション発見の
あれですね、推理ですよね

A.長谷川さん
デザインがアブダクション的なんですか
正確に言うとデザインもアートもエンジニアリングもサイエンスも
全部多分アブダクションは用いていて
おそらく科学技術の新しい発見と言われているものは
演繹とか帰納では発見はできなくて
アブダクションを起こしているだけで
その中でデザインという分野は
これはあまりそこの結果的に起こったってことは言ってるんだけども
そこまで言及している人はまだ
ドースト(不明)っていう人がちょっと言ってるんですけど
あまりまだ言われてないので
今それをどこから研究として立て付けようか
思っているところではあるんですけれども
実はデザイナーがお題を
例えば何かやらなきゃいけないお題がある
それはグラフィックデザインでも
ウェブデザインでも
プロダクトでもいいんだけれども
お題があるときに
ひらめいたとか
ここに向かってやろうとかって
そんなすごい話はなく
よくわからんわけですよ
どうしていいかすらよくわからないみたいな
もうどこから切り込んでいいかもわからないみたいな
ような結構無力感みたいな状態からスタートするんですね
でも何か経験積んだデザイナー
経験ない子たちは
若い子たちはそこで困るわけですけども
そしたらまず何かやれとかって
上司から言われるわけですけども
実は仮の試作ということを
スケッチ書いてみるとよくわからないから
こんなんかなとか書いてみるとかっていうのは
決してゴールに向かっての道筋ではなく
自分の手癖だったりとか
周辺の探索だったりしてるんですね
その探索というかアウトプットしたものを自分で見て
これってここに使えるかもしれないなというような
解決への仮説を自分の試作から自分で発見してるんです
これはまさにアブダクションなんです
自分で自己発電アブダクションを行っていて
その自己発電アブダクションを
癖として実はやっていて
なので分かんない時にプロトタイピングしてみるとか
スケッチしてみるとか
アイデア100連発考えてみるっていうような
デザインの業界のある種精神論的に語られていることは
実は大変合理的な
自己発電アブダクションのための工作である
可能性が高いというふうに今見立てていて
それはアートの世界もそうなんですけれども
それが実は現代の
特に非デザインの人の方が世の中的には多いわけで
デザイナー界隈なんて多分5%とか1%とかしかいないわけで
非デザインの97%の人がその癖というか
ことを言語として理解して
つまり普通の人は書くとか作ってみるっていうのは
最終アウトプットのプレゼンテーション手段だと
考えている人が多いわけですね
先生もそうですけども
アカデミアの人っていうのは
似たようなことを結果やっているので
こっち側の界隈の人という意味なすんですけども
普通の人は実はメモを書くとかは
ToDoのリストを書くとか
必要な記録をするみたいなこととか
プレゼンテーションのためにアウトプットをするとか
またまたスケッチを書くなんていうのは
清書のための
この10まであったら
1日の気づくようなものじゃなきゃいけないから
なんか下手な落書きってものは
完全にその筋道から外れたものだっていうふうに
おそらく思考の中では捉えてしまっているのではないか
普通の人もアブダクションみたいなことをやってるっていう
普通の人もアブダクションができるんだけれども
その可能性を自らスポイルしてしまっているような
抗議をしているので
もっと何かの困っていることがあったときに
無駄打ちでもいいから
なんか落書きなのか
落書きというか
試しの集作ということをもっと日常にすることによって
実は多くの人が
新しい仮説を導いて
ウィキッドプログラムに対しての対処ができるようなことは
実は結構みんなできるんじゃないのというのは
個人的には今その分野を研究しているんですけれども
どういうのがアブダクションが大事というところを。

Q.山本先生
演繹とか帰納とかアブダクションと言われると
演繹とかデザインっていうと
僕の頭の中になるのは
もともと創世紀みたいなね
この世の中は神がデザインした社会なんですよ
っていうのがやっぱりあるわけです
それは演繹的なわけですよ
それに対して
現代になってフランシェス・ベーコンとかが
科学といったものをやっていくときには
やっぱり帰納的なもので対抗していくわけですよ
天体の運行を見て基礎性があって
明日ずっと東から太陽が昇ってきたら
明日も東から昇るだろう
だからそういうのにやる機能性がある
だから科学っていうのは非常に帰納的だって
考えてきたから
なんかデザインっていう風に言うと
非常に演繹的なものになるんじゃないかなって
それでも今のデザイナーとか
アブダクションっていうものになってるんだっていう
今のご意見は非常に僕にとってもその通りだなって思って
そうすると
そうすると昔でいうデザインの意味と
現代に使われてる意味っていうのがかなり違うっていうか
根本的にやっぱり変わってきてるんじゃないかなって
印象を持っている

A.長谷川さん
それでいうと科学ということについても
実は例えば
これはちょっと都市伝説的な話ですけど
ニュートンが万有引力の話とリンゴが生むのってあるじゃないですか
ペンが落ちたりリンゴが落ちたって
物が落ちるしか帰納だったら実は説明できないわけですよね
ペンが落ちたりんごが落ちた
これにこのちっちゃい物もでかい物も引力ってものがあって
全部それで引き付けられて
地球が超でかいから我々は重力で引き付けられてるんじゃないのっていうのは
明らかに観察を超えた勝手なこじつけであって
おそらく帰納だけでは科学原則であるとか
自分の観測を超えたもの自体の発見ってことで
基本的には行動的にできないわけですね
ところが科学の発見というものはそこの憶測を含めた
まだ見ぬものへの推測が多分に含まれていて
それをアブダクションで得られた仮説というものを
実証することによってフロンティアが広がってるってところがやっぱりあるので
サイエンティストもそのアブダクションを得るために日々
手元のできることをやって
得たアブダクションを他人に説明するために論理を使って
説明をしているに過ぎなくて
決してその論理的に演繹的に考えているサイエンティストも
あんまりいないと思ってるんですね
いいサイエンティストの人は
デザイナーもアーティストも構造は一緒で
実は昔からそんなもんだというふうに多分言われて
ただただこのちょっとややこしいのは
近代デザインっていうのはたかだか100年ぐらいの歴史しかなくて
っていうのは産業化が進む産業革命で
大量生産ができるようになったので
マスターピースを作る人が
デザイナーというふうに呼ばれるようになったんですね
デザインって言葉自体はもう500年ぐらい前からあるんですけども
どちらかというと名詞として
動詞として何かを計画するとか設計するということを
デザインっていうふうに扱ってたんだけれども
今のようなデザインって言葉自体は
本当に120世紀入ってからなんですね
その前は職人とか
クラフトマンとか言われてた
要は町の鍛冶屋さんが全部作ってて
アノニマスじゃない人も全部やってたんですよね
ただその近代デザインっても
100年の中では
やっぱりこれ衣装性がどういう形がいいかってこと自体
ものすごいサイエンスの心理学の試験も
投入されるんですけれども
そこから最適化を図ると
柄系の末裔のボタンばっかりついた柄系が
13メーカーが全部同じような形になるようになる
飽和するわけですね
基本的には
そこでスマホみたいなものがバーンって出てくるみたいなような
ブレークスルーは基本的には
その演繹からは行かなくて
日本ではその演繹の方が話は通じるけど
帰納じゃないですか?
いやスマホのボタンがいっぱいついてる
なんかガラケーがスマホじゃなくて
ガラケーの日本の2024年ぐらいって
みんなガラケーが最古の頃だったじゃないですか
iPhone出る時に。

Q.山本さん
それよく分かんないけど
僕が勘違いした時に
いろんなあれを見ながら比較して

A.大橋さん
ある種類のパラダイムですよね
そのルールがあって
みんなテンキー。

Q.長谷川さん
テンキーで入力をして
その中でこういう問題を解決しよう
パラダイムからやってるって意味では
演繹っていうことですね
演繹って言わないのか
局所最適解っていうことだけかもしれないですけど
そこの例はあまり良くなかった
演繹とは言わないか
演繹とは言わないと
パラダイムとはまた別かもしれないけど

・長谷川さん
人に責任
倫理的責任を
帰するということよりも
何か制度を作ってしまうと
その制度の力学みたいなもので
人々の行動がそっちに向かっていくってことで
生み出される状況ってことがありますよね
個人の
良し悪しの判断じゃなくて
基本的に資本主義社会という圧力の中で
人の行動が
どんなふうに振る舞うかってこと自体は
もう大体
その人の弱さとかも
みんな分かってるわけで
そのルールの中で
ゲームやったら
こっちに向かうじゃんってことが
生み出している
例えば貧困であるとか
そういったことの
倫理的責任というものを
ただその資本主義を生み出したっていうことも
資本主義のレベルがいっぱいあって
アイデアのレベルの話なのか
どの実装の
どの法律の施行なのかみたいなことに
細分化もできるわけですけれども
その構造が負う力学ということの責任を
誰がどう考えるべきなのかっていうのが
最近僕はテーマなんですね。

Q.森田さん
IAっていう職業とか
絶滅企業者で4人しか名乗ってる奴がいない
四天王ですね
そういう意味で
四天王とか

私が言うと
その
引き詰めると
分かりやすさって
情報の分類とか
体系化したりとか
質量を作っていって
分かりやすくするっていうことを通じて
人々に良さを提供していく
その情報がちゃんと流通する
滞りなく流通することによって
まあ社会が良くなっていくとかな
そういうことを目指しているのが
IAの振る舞いなんですけれども
えっと
その低線量被曝のやつもだし
まあ高射性
廃棄
核廃棄物とかでもそうなんだけども
結局それをじゃあ取り扱う
施設とかのデザインとか
例えばリデザインとか
っていう話にもしなった場合
その仕事があった場合に
別に何も対応できないなっていうのは
普通に思ったわけですよ
分かりやすくしたところで
何も解決しないし
しかも
分かりやすくならない
なんですかね
その
最後の
行き着く先が
その
分離だと
無地みたいな
解決もないし
その
エビデンスはないし
すべては憶測の塊になってしまうし
まあ
でもこれらは憶測なのですってことを
分かりやすく伝えることはできるんだけれども
でもその
10万年だけで保つ施設を作ることはできないし
デザインの設計レベルでは
とかっていうのも
まあ
聞きながら思っていました
これも感想みたいなもんなんですけども
だから
IAがやれることはあるんだろうけれども
なんか
通常のスケール感
通常の業務のスケール感で
せいぜい
例えば土地開発だったら
100年
数百年とかの設計はあるとは思うんだけども
10万年レベルでのスケールで
責任を引き継いでいくっていう
制度設計までのデザインはできるんだけれども
それを直接解決するのは難しいなっていうような
感想なんだけどねっていうのを思いましたっていう

Q.山本さん
10万年間保存するために施設をデザインしてくれって
難しい話ですけど

そういうのを進めるとして
日本のニューモって言ってますけど
ニューモが例えば一般の人に
分かりやすく伝えるようにしてくださいみたいなことは
伝えるべき。

A.森田さん
ここまで伝えられればいいよとか
その先は分かんないってことも含めて伝えられればいいよっていう
その
ある種外形が分かってる
範囲が分かってるものに関しては
分かりやすく伝えるのが
むしろ我々の
デザイン責務みたいなところだから
それは全然むしろ
取り組めるなとは思ったんだけど
それをやったところで
厳密には直の解決になってないんだなっていうのを
ちょっと思ったけど

A.長谷川さん
解決を目指せないっていうのは
今日のもともとのものなんですけど
どっちかっていうと
社会学的な問いというか
不可断定性で
不可断定性を
社会的に認識されていないということによって
人々はイエスかノーか
右か左か
危険か
安全かみたいな
そういう対立に
すぐ話を持っていきがちになる
ということ自体を
何とかするっていうのは
我々ができる仕事と
短期的にもできる仕事じゃないかなという
気は感じになる
そうですね

A.大橋さん
最後に何か言っておくと
不可断定性っていうもの
そのものはすごく大事な
理論だと思うし
ここにいる人たちは
今不可断定性あるよねって言ってて
みんなこの生活を持って受け止めているわけですけど
今日クロージングキーノートで
そういう話をしようかなと思ってたので
僕も先に結論を先出しするんですけど
アメリカの今の現状を見てると
そのコミュニケーションは可能なんだろうかって
すごく思っちゃうんですよね
IAって結局アメリカでかなり普及したというか
発展してきたものなので
かなりサイエンスコミュニケーションを含めて
しっかりコミュニケーションしましょうとか
ちゃんと社会で合意形成をしていきましょうということを
延々やってきたわけだけれども
それを例えばSNSだとか
様々なテクノーズが解されたときに
ある種社会構造が破壊された結果として
今アメリカ政府自体が
いろいろ我々はデジタルをやっている分野だと
デジタルに関係しているセクションを含めて
ほぼほぼ崩壊していますよ
というときに今言ったフレームワークですね
というのはそれを受け入れようとしない人たちに対して
どういうふうにコミュニケーションをしていけばいいのか
どういうふうに提示していけばいいのか
という課題を今まざまざと見せられていらして
そこに対して僕は今今日回答を持ってないです
というのがちょっと興奮です

Q.長谷川さん
アメリカの誰だ
アメリカって言ってもいろんな人いる

A.大橋さん
ちょっとそこはまた後でってことになると思うんですけど
少なくともそれによってやっぱり心を痛めた人もいれば
これでアメリカは使われると思っている
人もいればっていう状況を
ある種テクノロジーが担保しているんですよね

Q.山本さん
僕は授業では
精霊力がもっと精霊力の話をしているので
脳死とか安楽死の話をしているんですけど
必ず最後の授業で言うことが
脳死とか安楽死の立場を求められるんですよ
賛成とか反対とか
でもそれを速断するなと
賛成の意見も分かるし反転の意見も分かるから
不可断定性なんですよ
不可断定性ってもやもやするから非常に嫌なんです
でもそれを持ち続けていることが倫理的なんだって話をする
むしろ
結論を下ろしちゃうと人間って考えなくなるんです
もう解決してるから
結論が分からないからこそ考え続けるわけですよ
でも今の見ていると
政治っていうのは僕は決断だと思ってるんですよ
政治っていうのは決断しないと始まらない
あまりにも世の中でもやもやしたものがたくさん大きすぎていて
トランプがあれだけ支持されるっていうのは
彼は決断してるからって思うんですよ
その決断がいいか悪いかはとまかくしても
決断するんですよ
彼はもうコロナっていったら
それをやっちゃうっていう
そうするので
そこがすごいすっきりして
日々人々に受けられてるんじゃないか
政治っていうのは多分、決断であって
その大体物事っていうのはいい面も悪い面もあって
どっちも決まらなくて
それを考え続けることが僕は重要だと思うんだけど
政治の世界とどっちかに決断しないと始まらないから
決断するっていうので
やっぱり違うそこには大きく差があるんじゃないかなと思ったりします

■セッション1

修験道と倫理とダークパターン
山本円郁 / インフォメーションアーキテクト、行者・山伏

1. 講演のテーマ

山本円郁氏は「修験道と論理のダークパターン」について講演し、自身の修験道の経験とデザイン・倫理の関係について語った。


2. 修験道とは

  • 日本古来の山岳信仰で1300年の歴史を持つ。

  • 山伏(修験者)は山に入り、修行を通じて霊的な力を高め、人々のために尽くす役割を担う。

  • 山の神々が守る世界観の中で、信仰と祈りが重要とされている。


3. 戒律と倫理

  • 修験道には「五戒(殺さない・盗まない・嘘をつかない・淫らな行いをしない・酒を飲まない)」があり、これが絶対的な倫理となっている。

  • この倫理は社会の法律やルールを超える「超法律」として位置づけられる。


4. ダークパターンと倫理

  • ダークパターン(ユーザーを騙すデザイン手法)は、売上向上のために無意識に採用されることが多い。

  • 法律では問題にならず、企業の利益にもなるため、倫理的な問題として扱われにくい。

  • 倫理を外部からのルールではなく、内発的なものとして持つことが重要。


5. IA(インフォメーションアーキテクチャ)と倫理

  • IA(情報設計)は、ただの技術ではなく、倫理やプロフェッショナリズムを持つべき職業。

  • 「IAは神か奴隷か?」という問いを立て、利益のための道具になるのか、それとも倫理に基づいた道を貫くのかを考察。

  • 本来、IAは崇高な理念や神話を持ち、それに基づいた倫理を確立するべき。


6. 修験道とIAの共通点

  • 修験道もIAも絶滅の危機にある。

  • 修験道は明治維新の際に廃止令で激減し、現在は約1000人しかいない。

  • IAもまた、社会の流れに埋もれかけているが、理念を持つことで生き残る道を模索できる。


7. 結論

  • IAやデザインの分野においても、倫理や信念を持つことが重要。

  • ただ技術を追求するのではなく、「神話」としての理念を持つことで、倫理的な行動を選択できる。

  • IAも修験道のように信念を持って継承し、未来に繋げるべき。

■セッション2

理解のデザインの可能性:ダークパターンから考える
長谷川敦士 / 株式会社コンセント 代表取締役社長、インフォメーションアーキテクト

1. IA(インフォメーションアーキテクチャ)と倫理

  • 長谷川氏は、IA(インフォメーションアーキテクト)の理念として「人は理解できる」という信念があることを述べる。

  • IAは「理解のデザイン」を行う職業であり、人々が情報を適切に理解できるように設計することが求められる。


2. ダークパターンとは

  • ダークパターンとは、ユーザーを意図的に誤解させたり、望まない行動を取らせるようにデザインされたUI/UXのこと。

  • デジタル技術の進化により、グロースハックやナッジ(行動経済学に基づいた誘導技術)が悪用され、ダークパターンが増加している。

  • 企業側は売上向上のためにダークパターンを利用しがちで、デザイナー個人では拒否しづらい構造になっている。


3. ダークパターンへの対策

  • 法律やガイドラインの整備が進んでおり、アメリカでは「サブスクのワンクリック解約」が義務化された。

  • 日本でもダークパターン対策協会が設立され、HCD-Net(人間中心設計推進機構)などの倫理規範が議論されている。

  • ただし、企業が都合の良い解釈をして倫理ガイドラインを形骸化する可能性があるため、実効性のある仕組みが必要。


4. ダークパターンとユーザーの非対称性

  • ダークパターンの本質は「情報の非対称性」にある。

  • 企業はユーザーの認知バイアス(限定合理性)を利用し、不利な契約や誤解を誘発する。

  • 法律は人々を「合理的経済人(すべての情報を理解し、最適な判断をする人)」として扱っているが、実際の人間はそうではないため、保護が不十分になりやすい。


5. IAができること:クリエイティブ・コモンズのモデル

  • 法律や契約情報のわかりにくさを解消するために、クリエイティブ・コモンズ(CC)ライセンスの手法を応用する

  • CCは「専門家向けの法的文章」「一般向けのアイコン」「機械が解釈できるメタデータ」の3層構造で情報を整理している。

  • IAの視点から、ECサイトの利用規約やプライバシーポリシー、保険契約などを、この3層構造で整理し、ユーザーに理解しやすくする試みを行う。


6. IAの新たな役割

  • ダークパターンの問題を解決するには、デザイナーが単に企業の利益のために設計するのではなく、ユーザーの理解を助ける視点が必要。

  • IAは、情報をわかりやすく整理し、企業とユーザーの情報の非対称性を改善する役割を担うべきである。

  • これを「社会的なIAの使命」として実践していくことが、今後の課題となる。


結論

  • IAは単なる技術ではなく、社会的な役割を持つべきである。

  • 法律とUXデザインの非対称性を埋める新たな情報設計の手法が必要。

  • クリエイティブ・コモンズのようなモデルを活用し、情報の透明性を向上させることが今後の課題となる。

■話題提供1

Flow, Not Stock 〜 知識触媒としてのIA
五ヶ市壮央 / 株式会社グッドパッチ Goodpatch Anywhere デザインマネージャー

1. IAとAI、ナレッジマネジメント

  • 五ヶ市氏は「Flow, Not Stock(蓄積ではなく流動)」というテーマで、IA(インフォメーションアーキテクチャ)とAI、ナレッジマネジメントの関係を考察。

  • IA(情報設計)は、情報を「収集・編集・創出」する流れが重要。

  • AIの発展により、情報の創出が低コストで可能になり、編集の部分もAIに担われる可能性が出てきた。


2. ナレッジマネジメントとIA

  • 組織内の知識(ナレッジ)は「暗黙知」として蓄積されるが、明確に整理されていないことが多い。

  • IAの役割は、このナレッジを「見える化」し、活用可能にすること。

  • しかし、ナレッジマネジメントには「情報を蓄積するだけでは不十分」という課題がある。


3. AIの登場とナレッジ管理の変化

  • AIを活用すると、過去のナレッジを検索・要約し、適切な知識を即座に提示できるようになる。

  • AIは、ナレッジ管理の「妖精さん(裏方の情報整理役)」としての役割を果たす可能性がある。

  • 実際に、Notion AIを使って社内のナレッジを検索したところ、適切な情報が即座に提示された。


4. ナレッジの流動性を高めるべき理由

  • 情報が蓄積されるだけではなく、常に更新され、組織全体で活用できるようにすることが重要。

  • 組織が特定の方法論に固執すると、変化や学習の機会を失い、進化できなくなる(熟練した無能の状態)。

  • 多様な知識が混ざり合い、新しい気づきを生む環境を整えることが、組織の成長に必要。


5. IAの新たな役割

  • IAは単なる管理者ではなく、「知識触媒(ナレッジカタリスト)」として、ナレッジの流動性を高める役割を担うべき。

  • 具体的には:

    • 異なる専門性を結びつける

    • 競争を活性化させる場をデザインする

    • 意図的に異なる視点を持つメンバーを集める

  • これにより、ナレッジマネージャーは「情報の管理者」から「知識の流動を促進するファシリテーター」に変化する。


6. AI時代に求められるナレッジマネジメント

  • AI時代には、ナレッジマネジメントの役割が「管理・展開」から「競争・活性化」へとシフトする。

  • 重要なポイント:

    • 倫理的配慮(誰もが参加できる、情報の透明性を確保する)

    • 新しい知識を生み出す環境をデザインする

    • 完璧なドキュメントを目指さず、常に知識が更新され続ける状態を維持する


7. IAの未来

  • AIがナレッジ管理の多くを担うことで、IAの役割はより本質的な部分(情報の意味をデザインし、人に良い影響を与えること)にシフトする。

  • AIの登場によってIAが不要になるのではなく、むしろより本質的な情報設計が求められるようになる。

  • IAとナレッジマネジメントを組み合わせることで、知識の活用が進み、組織の成長が促進される。


結論

  • ナレッジマネジメントは、情報の蓄積ではなく、知識が流れ続ける「フロー」型へと進化すべき。

  • IAは、知識の整理・活用を支援するだけでなく、知識を活性化させる「触媒」の役割を果たすべき。

  • AIの活用により、IAの役割がより戦略的・創造的なものへとシフトする可能性がある。

Flow, Not Stock 〜 知識触媒としてのIA|Takehisa Gokaichi
この記事はWorld IA Day 2025 Tokyoでのライトニングトークで発表したスライドを少し固めに編集しなおした記事です。 Information Architecture(IA)は情報の構造を設計する仕事です。Webサイトやアプ...

■話題提供2

商業デザインのアクセシビリティにおける倫理フレームワークの考察
森田雄 / 株式会社ツルカメ 代表取締役社長、インフォメーションアーキテクト

1. 商業デザインとアクセシビリティ

  • 森田氏は「商業デザインのアクセシビリティにおける倫理フレームワーク」について考察。

  • 商業デザインとは、一般企業の業務活動におけるデザインであり、行政のデザインとは異なる。

  • 企業の最優先事項は「会社の存続(売上・利益)」であり、アクセシビリティの優先度は低くなりがち。

  • しかし、障害者差別解消法により、合理的配慮が求められ、アクセシビリティが必要不可欠になっている。


2. マーケティングとペルソナ

  • 企業のマーケティングでは「ターゲット=健常者」で設計されることが多い。

  • 一部の企業は障害者をペルソナに含めるが、実際には障害者を一括りにすることは難しい。

  • なぜ「健常者」というペルソナは明示されず、「障害者」だけが特別扱いされるのか?

  • ペルソナとは、本来スペクトラム(連続体)で表現されるべき。

    • 例:健常者も老化や病気、怪我で一時的・永続的な障害を持つ可能性がある。


3. 環境要因による一時的な障害

  • 人は状況によって一時的に障害者と同じ制約を受ける。

    • 例1:騒がしい場所では聴覚障害者と同じ状況になる。

    • 例2:直射日光でスマホ画面が見えない → 視覚障害と同じ。

    • 例3:乗馬中に細かいボタン操作が難しい → 上肢障害と同じ。


4. 売上とアクセシビリティの対立

  • 企業の売上施策とアクセシビリティはしばしば対立する。

  • 「アクセシビリティに予算をかけるより売上に回したい」という考えは根本的に変えにくい。

  • しかし、企業がアクセシビリティに取り組もうとしまいと、ペルソナは本質的にスペクトラムであるという事実は変わらない。


5. 倫理と非倫理の境界線

  • 企業は「倫理の境界線」を定義すべき。

    • 例:健常者の顧客は優先するが、怪我をした途端に顧客として扱わなくなるのか?

    • 企業がどこまでアクセシビリティを提供するかの基準を明確にする必要がある。

  • この境界線を企業統治の合意点として明文化することが重要。

    • これにより、合理的配慮の範囲や企業倫理が明確になる。


6. 倫理フレームワークの提案

  • 企業ごとに「倫理フレームワーク」を作成すべき。

    • ペルソナごとにスペクトラムを可視化し、倫理の境界線を設定。

    • これを企業のアクセシビリティ戦略や現場の実装方針の基準とする。

  • アクセシビリティは特別なものではなく、すべての顧客に共通する要件である。

    • 企業の倫理的対応を可視化し、持続的な取り組みを促す。


結論

  • アクセシビリティは特定の人だけの問題ではなく、すべての人に関わる問題である。

  • 企業は「倫理の境界線」を明確にし、合理的配慮の範囲を定義すべき。

  • 「倫理フレームワーク」を導入することで、アクセシビリティの取り組みを企業戦略に組み込みやすくなる。

商業デザインのアクセシビリティにおける倫理フレームワークの考察
World IA Day 2025 Tokyo (2025年3月8日開催) 上記イベントの話題提供2「商業デザインのアクセシビリティにおける倫理フレームワークの考察」にて使用したスライドを公開用に編集したもので…

■話題提供3

SUPER supermarket -『スーパー』マーケットを目指して!お買い物で考えるやさしいIA
髙橋英里 / NEC、UXデザイナー

1. スーパーマーケットにおける情報設計

  • 高橋氏は「スーパーマーケットにおける優しいUI」について考察。

  • 買い物客が「何をどこで見つけられるか」という視点から、スーパーマーケットの陳列や情報設計を分析。


2. 商品の分類と文脈

  • スーパーマーケットの基本構造

    • 商品は部門別に管理され、セルフサービスが基本。

    • 例:野菜、肉、乳製品、調味料など、カテゴリごとに分けられている。

  • 文脈による陳列の登場

    • 近年、商品が「どの料理に使われるか」という文脈で配置されることが増えている。

    • 例:

      • 火鍋の素がラム肉売り場に置かれていた → 火鍋=ラム肉と関連付けられた陳列。

      • ビーフシチューのルーが角切り肉の横にある → 買い物客の献立選びをサポート。


3. 文脈による陳列の利点と課題

  • 利点

    • 料理をしない人でも使い方が分かりやすい。

    • 「知らない食材」にも手を伸ばしやすくなる(例:ロマネスコ+レシピ)。

    • 「今夜の献立を決める」目的の買い物客にとって便利。

  • 課題

    • 「いつもある場所」にないと、商品を見つけにくい。

    • 商品が売り場に重複して置かれない場合、特定のコーナーで見つけられないことがある。


4. アレルギー対応コーナーの設置

  • アレルギーフレンドリー商品が特定の棚にまとめられるケースが増加。

    • 例:小麦不使用の醤油、グルテンフリーパスタ、アレルギー対応のカレールーなど。

    • メリット:アレルギーがある人には便利で、一か所で必要なものを探せる。

    • デメリット:「パスタコーナー」にあると思っていたら別の棚に移動していて見つけられない。


5. 文脈と分類のバランス

  • スーパーマーケットの陳列は「分類」と「文脈」の両方が必要。

    • 分類:肉、野菜、調味料など、カテゴリごとの配置。

    • 文脈:料理や食事制限に応じた陳列(例:ハラル食品、アレルギーフレンドリー食品)。

    • 課題:どちらかに偏ると、商品が見つけにくくなる。


6. 進化する売り場のデザイン

  • 今後の課題

    • ユーザー側が「文脈と分類の両方がある」ことを理解する必要がある。

    • 文脈を重視しすぎると、慣れた配置から商品が消えてしまう問題が発生。

  • 理想の売り場

    • 「文脈と分類のバランスを取り、どちらでも商品が見つかる設計」。

    • 例:パスタコーナーにも、アレルギー対応の棚にもグルテンフリーパスタを置く。


結論

  • スーパーマーケットの陳列は、従来の「分類」から「文脈を重視した配置」にシフトしている。

  • ユーザーにとっては便利だが、商品が見つかりにくくなるリスクもある。

  • 「分類」と「文脈」を両立させる売り場デザインが求められる。

■話題提供4

アーキテクチャとアジャンスマン -倫理とエステティクスの狭間で-
井登友一 / 株式会社インフォバーン 取締役副社長、デザインストラテジスト

1. IA(インフォメーションアーキテクチャ)とプロフェッショナリズム

  • 井登氏は「IAのプロフェッショナリズムと倫理・美学の関係」について考察。

  • IA(情報設計)のプロフェッショナルとしての価値は、時代や社会文化の変化によって決まる。

  • 倫理的な判断も社会の文脈によって変化し続けるため、IAもその変化に適応し続ける必要がある。


2. IAの役割:受け身ではなく、変化を生み出す存在

  • プロフェッショナルは「社会の変化に追従するだけではなく、自ら変化を生み出すべき存在」である。

  • 社会の中で何が良い状態かを問い続け、それを実現するために行動することが、IAの本質。

  • この考え方は、デザインの巨匠ハーバート・サイモンの「より良い状態を作ることがデザインである」という思想と一致する。


3. ドゥルーズ&ガタリの「アジャンスマン」とIA

  • 「アジャンスマン(arrangement, assemblage)」とは、さまざまな要素(人・モノ・言葉)が相互作用し、新しい価値や機能を生み出す配置のこと。

  • 固定された構造ではなく、流動的なネットワークとして機能する。

  • IAは「情報の整理者」だけでなく、新しい価値を生み出す存在として、アジャンスマンの中で重要な役割を果たす。

  • つまり、「IAのAをアーキテクチャ(構造)ではなく、アジャンスマン(動的な関係性)」と捉え直すことで、新しいIAの可能性が見えてくる。


4. IAの役割:社会における「逃走線」の引き手

  • ドゥルーズの「逃走線(ライン・オブ・フライト)」の概念を応用し、IAは「変化のきっかけを作る存在」になれる。

  • 現状のシステムに揺さぶりをかけ、新たな意味や価値を生み出すことがIAの役割。

  • IAは「情報を整理するだけでなく、意味を作る存在」へと進化していくべきである。


5. 倫理と美学の関係

  • 倫理は社会の枠組みの中で形成されるが、美学(エステティクス)はそれを超越する概念。

  • IAは「倫理的に正しい」だけでなく、「美しい」「より良い」と感じられる状態を目指すべき。

  • 「既存のシステムを解体し、新たな意味を生み出す」ことがIAの本質的な役割である。


6. IAの未来:意味の創造者としての進化

  • IAは「情報の整理」から「新たな意味の創造」へと進化するべきである。

  • 既存の価値観や構造を脱領土化し、新たな意味を生み出すことがIAのプロフェッショナリズムになる。

  • 「IAの絶滅危惧種としての側面」を脱し、新たな価値を創造し続ける存在として進化すべき。


結論

  • IAは単なる情報整理の仕事ではなく、変化を生み出す「意味の創造者」であるべき。

  • 固定された構造ではなく、流動的なアジャンスマンとして社会と関わることが重要。

  • 「より良い状態を生み出す」ことがIAの本質であり、そのために変化を誘発する役割を果たすべき。

アーキテクチャからアジャンスマンへ ー倫理とエステティクスの狭間でー(仮) From Architecture To Agencement -Consideration between Ethics and Aesthetics-
アーキテクチャからアジャンスマンへ ー倫理とエステティクスの狭間でー(仮) From Architecture To Agencement -Consideration between Ethics and Aesthetics- - Do...

■話題提供5

サービスを「使う側」としてのウェルビーイングに関する工夫
滝沢将也 / プロダクトデザイナー、音楽家
村上隆紀 / 株式会社アウェアファイ UIデザイナー

1. テーマ:デジタル時代のウェルビーイング

滝沢氏と村上氏は「デジタル環境におけるプロフェッショナリズムとウェルビーイング」について対話した。
ウェルビーイングとは「快適に生きること」だが、人によって異なるため、個々に向き合う必要がある。
デジタル技術が進化する中で、情報の洪水やタスクの増加がウェルビーイングに影響を与える。


2. 通知との向き合い方

スマホやアプリの通知は、利便性とストレスの両面がある。
必要な通知を厳選し、不要なものはオフにすることで、情報の洪水を制御できる。
「遅いインターネット」や「集中できる環境」を提供するアプリが増えており、デジタルデトックスの考え方が広がっている。


3. タスク管理の課題

通知が増えることで、タスクが増えてしまい、管理が煩雑になる。
タスクを「やらなければならないもの」と「やりたいもの」に分けることが重要。
タスクを細かく管理しすぎると、かえってプレッシャーになり、ウェルビーイングを損なう。
タスク化せずに「やれたらいいこと」として緩やかに記録する方法も有効。


4. ジャーナリング(内省)によるウェルビーイング向上

日々の感情や考えを記録する「ジャーナリング(内省のための日記)」が有効。
自分の考えや気持ちを文字にすることで、ストレスを軽減し、自己理解を深める。
SNSではなく、自分だけの記録として残すことで、他者の影響を受けずに純粋な思考を整理できる。
過去の記録を振り返ることで、自分の成長や変化を実感できる。


5. 結論:ウェルビーイングのためのバランス

デジタル技術の進化は便利だが、情報過多やタスクの増加が負担になる可能性がある。
通知やタスクを適切に管理し、自分にとって快適なバランスを見つけることが重要。
ジャーナリングを活用することで、自分の状態を客観視し、ウェルビーイングを高められる。
結論を出すことよりも、日々の向き合い方を模索し続けることが大切。

クロージングキーノート

“By Design”の射程と倫理
大橋正司 / サイフォン合同会社 代表社員、インフォメーションアーキテクト

1. IA(インフォメーションアーキテクチャ)の本質

大橋氏は、情報設計(IA)が「センスメイキング(意味を理解する)」ための技術であることを強調した。
IAは単に情報を整理するだけでなく、人々が情報を理解し、適切に活用できるようにする役割を持つ。


2. 情報整理の基本概念

情報整理には、オントロジー(意味の分類)、タクソノミー(カテゴリーの整理)、コレオグラフィー(情報の振る舞い)の3つの要素がある。
これらを適切に活用することで、情報がスムーズに伝わる仕組みを作ることができる。


3. 情報の意味とコンテクストの重要性

情報は単独で存在するのではなく、文脈(コンテクスト)の中で意味を持つ。
例えば、食品の分類は一般的なカテゴリー(野菜、肉、調味料)だけでなく、料理の文脈(カレーの具材、和食の調味料)に基づいても整理される。
このように、文脈による整理がIAの重要な役割の一つとなる。


4. センスメイキングとIAの役割

情報は、単に伝達されるものではなく、受け手の理解のプロセスを伴う。
IAはこの「理解の支援」を行うための設計を考えるべきであり、適切なラベリング(名称付け)や情報の配置が必要になる。


5. 規制や法律との関係

法律や規制の制定だけでは情報の問題を解決できない。
例えば、GDPR(一般データ保護規則)では、ユーザーが選択できるように情報を提供するが、選択肢が多すぎるとユーザーに負担を与えることになる。
IAは、こうした規制が実際に機能するように情報を整理し、ユーザーにとって理解しやすい形にすることが求められる。


6. システムの複雑性とIAの対応

現代のシステムは単独で機能するものではなく、多くの要素が相互に影響を及ぼすネットワークの中にある。
例として、福島原発事故や航空事故では、複数のシステムが絡み合う中で、情報の伝達や判断が遅れたことで大きな被害が発生した。
IAは、こうした複雑なシステムの中で情報を適切に整理し、スムーズな意思決定を支援する役割を持つ。


7. IAの未来と課題

IAは単なる情報整理の技術ではなく、「全体のシステムを見渡し、意味を作る仕事」である。
情報の整理だけでなく、「わからないこと」を明確にし、分からなさと向き合いながら適切な判断ができるようにすることが求められる。

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