第5回WebUX研究会「ユーザエクスペリエンスのためのストーリーテリング」 2011年12月3日(土)

第5回目のWebUX研究会は、UXTOKYOの皆さまが翻訳し、
12月末日に発売になる。
ユーザエクスペリエンスのためのストーリーテリング
-よりよいデザインを生み出すストーリーの作り方と伝え方

の発売を記念して、
「ストーリーテリング」を題材とした、
ワークショップを中心として、行われました。

麹町のKDDIコミュニケーションのセミナールームに到着すると、
多摩美の駒田君と、浅野先生が受付を・・・

セミナー料金と懇親会費を払って、
あらかじめ決められていた席に・・・・

メンバーを見ると、
日頃面識のある、山本(ゆ)さんと、羽山さんと、
KAYACの渕上さんと、日本IBMの奥村さんと、
メンバーが豪華。

続々と到着する参加者の中には、
面識のある人が多いので、
雑談をしながら、
セミナーの開始を待つ。

13:00から、
セミナーは開始し、
まずは浅野先生からのご挨拶。

ストーリーテリングとは。

脇阪善則(楽天株式会社)

ストーリーテリングは、まだまだこれからの分野。

今、私達が行っていることを、
ストーリーという観点で、見直して、
自分たちのユーザーエクスペリエンスの業務に活かして行く。

 ▼ストーリーはあなたの身近にある。

 ▼UXとストーリー
  アメリカではストーリーテラーという方々が活躍している。
  例:TED

  →ストーリーは身近なもの。 
    ただし、ストーリーテリングには技術が必要です。

 ▼ストーリーテリングとは
  ストーリーの形式を使って情報を共有すること。

  ・出来事やアイデアを伝えるための方法のひとつ
  ・背後にある理由や動機を含めて伝えることができる。(エンゲージメントを深める)
  ・言葉やイメージ、サウンドなどいろんな手段を使って伝える。

 ▼狩人とストーリー
  狩人が狩りの後に、焚き火を囲んで会話をしたところから、
  ストーリーテリングが始まった。

 ▼政治家とストーリー
  オバマ大統領(We can change)

 ▼イノベーターとストーリー
  スティーブジョブス

 ▼セールスマンとストーリー
  ジャパネット高田の社長

 ★あなたもストーリーテラーになれます!

 ▼ストーリーの伝え方
  ストーリーテリングにはいろんな手段が含まれます。

  ・Oral Storytelling:口頭で伝える
  ・Written Storytelling:文書で伝える
  ・Multimadea Storytelling:ビデオやアニメを交えて伝える。

 ▼ユーザーエクスペリエンスのためのストーリー
  UXを表現するためにストーリーを使う

  ・コンテクストや状況を説明する。
  ・問題を説明する。
  ・デザインディスカッションのきっかけになる。
  ・新しいコンセプトを探索する。
  ・新しいデザインの影響を説明する。

 ▼UCDプロセスとストーリーテーリング
  ストーリーはUCDのプロセスそのものです。 

  例:ストーリーをタスクシナリオに落とし込んだり、
    そのタスクシナリオでデザインを評価したり。 

 ▼ストーリーを集める。
  ストーリーテラーはよい聞き手でもあります。
 
  ・ストーリーを聞く。
  ・ストーリーを語る。

   ※ユーザーから事実をヒアリングしてストーリーを作る!(創作ではない)

 ▼ストーリーの流れ
  ・プロット:キャラクターに起こった出来事の筋立て(アウトライン)
  ・シナリオ:プロットに基づいて、連続した出来事を説明するもの
  ・ジャーニー:個人的な感情の変化を含めた流れ。単に出来事を並べただけではない。

 ▼ストーリーの種類
  ・アネクドート(逸話):個人的な体験を表す出来事
  ・ナラティブ:個人的な経験に関する物語(語源はナレーション)
  ・ストーリー:最も広義の意味で使われるストーリー(客観性)

 ▼ユーザーの表現方法
  プロファイル:デモグラフィックデータ+コンテクスト
  ペルソナ:エモーショナルなゴール+UXの全体像
  キャラクター:ペルソナ+内面的な心の動き&行動

               ↓
             ストーリー

  
 ▼ストーリーの構造
  パターンを使ってユーザーストーリーをつくる。

  例:英雄的構造(スターウォーズなど)
    より共感を得たり、ストーリーとして利用できる。

ストーリーを聞く

酒井洋平(NHNジャパングループ)

▼HCDプロセスにおける「ストーリーを集める」とは?

  ・ストーリーを集めることは、人々、文脈、目的の理解に役立つ
   (ユーザーリサーチ・フィールドワーク・エスノグラフィ・文脈的質問法・インタビュー)

  ・要求定義の第一歩はテーマとパターンを発見することです
   (カードソーティング・新和図法・KJ法・ペルソナ))

  ・デザインは「世界を変える新しい何か」をストーリーとして語ります。
   (シナリオ・ストーリーボード・ワイヤーフレーム・プロトタイピング)

  ・生み出されたものが人々に役立つのかを試み物語る方法がユーザビリティ評価です
   (ウォークスルー・ユーザビリティテスト・分析)

 ▼ストーリーのソース
  ユーザーを集める対象
   ・ユーザー
   ・ビジネスステークホルダー
   ・同僚

   ・サーチログ
   ・サーバログ
   ・オンラインフォーラム / コミュニティ
   ・カスタマーサービスの記録
   ・トレーニングとセールスデモの記録
   ・マーケティング部門 / 顧客満足度調査

   ※データにもストーリーがある。

 ▼突然ですが、聞き上手とは、どんな人でしょう?
  →ググッてみた。
   http://oshiete.goo.ne.jp/qa/4203699.html

   ・質問上手。
   ・黙って人の話に耳を傾け
   ・時々うなずいて
   ・それは?ってこと?とか、
   ・もう一度お願いとか
   ・またずっと耳を傾けて
   ・話している人の心を追体験する。

 ▼ストーリーを集める
  観察力
  質問力

 ★聞くちから!! アクティブリスニング

 ▼アクティブリスニングのスキル
  ・関心を向け、受け入れる
  ・復唱する。
  ・振り返る
  ・解釈する
  ・要約/統合する。
  ・フィードバック
  ・支持する。
  ・確かめる
  ・黙っている

 ▼アクティブリスニングのポイント
  ・他者に気を配る
  ・黙って聞く
  ・相手に話すための余裕を与える
  ・話を注意深く聞いていることをそれとなく示す
  ・聞いた事を確認するかのように繰り返す
  ・判断を保留する。

 ▼ストーリーを集めるための方法 いろいろ
  書籍には他にも事例があります。
  ・クリティカル・インシデント・テクニック
  ・エスノグラフィの応用
  ・あえて不慣れな状況に置かれた人々を観察する

 ▼ストーリーを集めるための構造づくり
  ・半構造化インタビューが便利
   (クローズドクエスチョン・オープンクエスチョン)

  ポイント:
   ・あなたが話したい活動について質問
   ・活動のイメージを得るための質問
   ・特定の事例のついて質問
   ・ある状況のストーリー全体について詳細を質問

 ▼構造に基づいた効果的なノートテイク
  ・Agile UXにも有効
  ・インタビュー中にメモしやすい
  ・キャスト化、ペルソナ化しやすい。

  ポイント:
   ・デモグラフィック
   ・属性に関する情報
   ・アクション
   ・ストーリーメモ
    (いつ、どこで、なにを、誰と、どうやって、どうした、その理由)
   ・その他のディティール

 ▼書籍には。
  ・複数の人から聞いたストーリー
  ・詳しい行動を述べたストーリー
  ・ユーザー行動を理解しやすくするストーリー
  ・興味を引く体験を述べたストーリー
  ・信念とは矛盾するが説得力のあるストーリー

  といった様々なストーリーの断片をまとめる方法が紹介されています。

ワークショップ

 Agenda
 1.ストーリーを集める:15min
 2.ストーリーを選ぶ(構造化する):10min
 3.ストーリーをつくる:45min
 4.グループ内レビュー:15min
 5.全体発表:40min

 ▼1.ストーリーを集める

  ・3人1組みでチームを組み、
   アクティブリスニングを体験。

  ・それぞれが交替で「リスナー」「ストーリーテラー」「ノートテイカー」
   を体験

  ・リスナー
   リサーチシナリオに従って、ストーリーテラーに質問し、話を聞く。
   アクティブリスニングを心がける。

  ・ストーリーテラー 
   リサーチシナリオの内容と時間配分を目安に、
   自分の読書体験について話してください。

  ・ノートテイカー
   あとで整理しやすいようにリサーチメモ用紙にメモを取ってください。
   枠線はあくまで構造化の補助なので、自由にメモ書きしてもかまいません。

  チームが5人だったため、IBMの奥村さんとペアでインタビューの練習
  テーマは「読書」
  ぜんぜん、時間が足りなくて、途中までしか終わらない・・・・

※リサーチシナリオ

※記録用紙

後半は前のペアの観察。

 ▼2.ストーリーを選ぶ(構造化する):10min

  インタビューした内容を各自発表して、
  ポイントになることをポストイットに書き出して、
  1回目のワークショップは終了。

要素とパターン  ストーリーを作る 基礎編

前田俊幸(ジンガジャパン株式会社)

 ▼メッセージを共有する。
  ・合理、理性、実用⇔情緒、本能、感性
  ・メッセージの暗示⇔メッセージの明示

  「合理、理性、実用+メッセージを明示する」
  =ビジネスプレゼンテーション
 
 「情緒、本能、感性+メッセージの暗示」=「聞き手の頭で想像させる=共有する」
 =ストーリーテリング

 ▼サンプルストーリー

  (1)夕方5時。三田さんはレポートに取り組んでいた。

  (2)一日が終わろうとしていた。
     三田さんのいるオフィスの壁は、今朝のブレインストーミング
     のポストイットで覆われていた。
     レポートの作成は順調に進んでいた。

  (3)もうどれくらい時間が経ったのか、三田さんはわからなかった。
     オフィスはとても静かだった。
     オフィスの壁は、今朝行ったブレインストーミングのポストイットで覆われていた。
     机の上にはプリントの山が積み重なっている。
     半分かじりかけのサンドイッチがデスクの端においてあって、
     長い間忘れ去られている。
     オフィス内には、三田さんがキーボードをカチカチと打つ音だけが鳴り響いていた。

 ▼目標
  オーディエンス自らがこちらの意図する想像をしている状態。

 ▼アクティビティ 「レポートに取り組む」
  何をすればいいのか?

  ★5つの構成要素
  ★6つのストーリーのパターン

■5つの構成要素

  1.視点
  2.キャラクター
  3.コンテクスト
  4.心的イメージ
  5.言葉遣い

 ★要素の関係性

 視点とコンテクストとキャラクター
         ↓
      心的イメージ
         ↓ 言葉遣い
       メッセージ

■(1)視点
  例:ドラえもん

  ・のび太くんにとっては、親友
  ・しずかちゃんにとっては、エッチな青いネコ。
  ・のび太の母親からは、ペット?
  ・三田さんからは、孤独をいやしてくれる存在

  ★ストーリーを語る視点を選ぶ
   =経験の抜粋

 ▼いわゆる視点の話
  ・第三者視点(現実主義的)「三田さんは・・・」
   -ドキュメンタリー形式
   -使用状況やよくある出来事、アクティビティの説明に注力する。

  ・一人称始点(告白的)「私は・・・」
   -語り手の独自の目線
   -個人的な体験を他人とシェアする
   -ストーリーテラーとオーディエンスとつながり

 ▼視点を加える。

  「レポートに取り組む」

      ↓「三田さん」、第三者視点

  「三田さんはレポートに取り組んでいた。」

■(2)コンテクスト

 ▼コンテクストとは。
  ・ストーリーの話題を取り組む「環境」
  ・ストーリー内の出来事の「いつ」「どこで」「何を」

 
 ▼コンテクストを加える5つの方法。

  (1)物理コンテクスト

   【時】 
    ・時刻  例:午後11時
    ・時期  例:11月、大みそか

   【場所】
    ・場所  例:東京の渋谷
    ・スケール 例: 大→渋谷 中→渋谷駅前 小→ハチ公前のギャルのすぐ後ろ

  (2)情緒コンテクスト
    キャラクターの感情

    ・喜怒哀楽、精神状態など
    ・「オフィスで1人、カチカチとキーボードを打ち、続ける」三田さん
     -孤独な戦い
     -冷静
     -焦ってはなさそう・・・など

  (3)視覚コンテクスト
    五感を通じて感じること

    ・視覚「世界はどのように見えるか?」
    ・聴覚「どんな音がするのか?」
    ・嗅覚「どんな匂いを感じているか?」
    ・触覚「どんな質感を感じるか?」
    ・味覚「どんな味を感じているか?」

  (4)歴史コンテクスト
    ある特定の場所や時間にストーリーを位置づける情報のこと

    ・具体的:「東京オリンピックの頃」
    ・抽象的:「まだ電話を携帯していなかった頃」

  (5)記憶コンテクスト
    過去への個人的な結びつき

    ・「若かりしころ・・・」で想起するイメージ
    ・年代が違えば捉え方も変わる
     -1960年生まれにとってのバブル→楽しかったあの頃
     -1990年生まれにとってのバブル→日本衰退の予兆
    ・オーディエンスの理解が重要

    ※注意が必要。

 ▼コンテクストを「問う」
  (1)物理:いつ、どこで?
  (2)情緒:キャラクターの感情?
  (3)知覚:キャラクターの5感は?
  (4)歴史:どの時代の話?
  (5)記憶:オーディエンスをどこにフラッシュバックさせる?

■(2)キャラクターとは
 ストーリーに登場する人(または生き物)の特徴の定義

 ▼キャラクターの効果

 一日が終わろうとしていた。
 ○○○○の三田さんのいるオフィスの壁は、今朝のブレインストーミングのポストイットで、
 覆われていた。
 レポートの作成は順調に進んでいた。

  ・陸軍参謀軍曹だった場合 → ミッションクリティカル、極秘
  ・家政婦            → 緊張感、病的なまでに正確
  ・72歳の老人         → 心配、超高齢化社会

  ※ストーリーのメッセージに役立つキャラクターを選ぶ。

 
■(4)心的イメージ
  オーディエンスが言葉やストーリーのイベントを聴きながら想像していること、     
視覚的イメージ

  ・視点。コンテクスト。キャラクターでつくられる。
  ・強力な描写が、オーディエンスの心に残る。

■(5)言葉使い
  ・キャラクターの言葉遣いで話す。
   -プラウザのホーム VS インターネットで最初に出てくるページ。
   -キャラクターの知識・ボキャブラリー
   -ユーザ調査に基づいた「実在の話し方」

  ・メッセージを伝えることに集中する。
   -気を散らさない。その説明は本当に必要か?
   -「ボタンを押し」出したら要注意。

 
 ▼要素を加えるポイント
  1.ストーリーのメッセージを強化する要素を選ぶ。
  2.キャラクターやコンテクストについてオーディエンスが既に知っていることは何か?
  3.余計な要素は何一つない。

■ストーリーのパターン
 フレームワーク

 ▼ストーリーのパターン
  ディテールを加える前段階のストーリーのフレームワーク(構造)には、
  伝統的なパターンがある。

  ・キャンベル「千の顔を持つ英雄」→文化・時代を超えた英雄の旅
   http://www.amazon.co.jp/dp/4409590081

  ・プロップ「昔話の形態学」→31種類の役割
   http://howtomanga.web.fc2.com/story/propp.html

 ▼6つのパターン

  【Prescriptive】 模範的
   ・シンプルな論理構造。”Xにおいて、YならばZ”

  【Hero】 英雄
   ・”行って帰る”。指輪物語

  【Familiar to Foreign】 新しいものに親しむ
   ・聞き手に新しいものを導入する。

  【Framed】 フレーム構造
   ・同じ場所で始まり、異なる認識と理解を手にした後、同じ場所で終わる。

  【Layerd】 階層的
   ・スパイラル的構造。
   オーディエンスの想像力を刺激しやすい。

  【Contextual Interludes】 文脈的幕間
   ・コンテクストの詳述。感覚的な要素を詳しく補足、小休止になる。

  

 ▼Layered(階層的)パターン
  ・どのイメージも、その前のイメージの上に作られ、
   階層を積み重ねるように全体のストーリーが作られる
  ・小さなイメージから語り、ディテールを加えていく。

  例:階層パターン
    →本書を参照。

 ▼構成・階層パターン
  メリット
  デメリット

 ▼ストーリーはレゴブロックではない。
  組み立てて終わりではない。
  ブラシと絵の具で描くもの。

ワークショップ(2) あるトピックスをターゲットに説明する。

 例:田中君、学生さん。
   渋谷駅で読書をしている。
   彼に共感できるようなストーリーテーリング。

 ターゲットオーディエンス
  田中部長
  →本は自宅で読むもの
   ましてやハチ公前で読むヤツなんて意味がわからない。
  →ハチ公前なんていったことない。

  (1)まず、田中部長に伝えたいものを考える。
    ・ユーザ理解
    ・アイディア

  (2)そして田中くんののキャラについて考える。

  (3)ストーリーテリング

  ★以下、自作。
   20歳の学生である田中くんは、 
   一緒に勉強会へ行く友達との待ち合わせのため、
   土曜日に、渋谷駅前にあるハチ公前にいた。

   土曜日のハチ公前は、身動きも取れないくらい、たくさんの人で埋まっていて、
   友達も約束の時間に遅れるとのことだった。   

   田中君は、空いている縁石に腰をおろして、友達を待つ事にした。

   ちょっとした時間ができたので、
   田中君はiPhoneを取り出し、読書ができるアプリケーションを立ち上げ、
   途中まで読んでいたところに挟んでいたしおりから、
   読む事にした。

   田中くんは読書をしながら、自分が気になったことや、
   あとで調べたいことを読書アプリのメモ機能を使って書きとめていると、
   20分遅れで、友達が到着し、合流できたので、
   目的の場所に向かった。
   途中にメモしたことは、家に帰ってまとめ直してみようと思った。

 各自発表して、
 チームの中から、どれを発表するか一つ選んで、
 さらに肉付けをするためディスカッション。
 ここでは羽山さんを選択。

グループ発表

グループの代表が自分のチームのストーリーテリングを発表

10分でざっくり理解するユーザーストーリーマッピング

川口恭伸(AgileUCDja、アギレルゴコンサルティング株式会社)

▼ユーザーストーリー
  ・ユーザーストーリーテンプレート
   ○○として、△△をしたい、その結果××

  ★背景には膨大な暗黙値がある。

 ▼3つの観点
  ・Card
   計画時に使用する、ストーリーの説明文書。
   記憶を助ける道具としても利用する。

  ・Conversation
   ストーリーの詳細を具体化するための会話を行う。

  ・Confirmation
   詳細を表わすテスト(試験方法)
   ストーリーの完了条件として用いる。

 ▼よいストーリーの条件
  Independent(独立している)
  Negotiable(交渉可能)
  Valuable(価値がある)
  Estimatable(見積もり可能)
  Small(小さい)
  Testable(試験可能)

 ▼プロダクトバックログ
  スクラムで利用する要件リスト

  ・プロダクトに必要なものが、すべて順序付きで一覧になったもの、
   プロダクトの変更要求の唯一の情報源。
  ・一番上の項目から開発を開始する。
  ・動的であり、適切で競争力のある有用なプロダクトを求めて、
   絶えず変化する。

 ▼エクスペリエンス VS 構築順序

  エクスペリエンス(ユーザーとして体験する順番)
        ↓プロダクトオーナーが変換
  プロダクトバックログ

 ▼ユーザーストーリーマッピング
  Jeff Pattonが開発した
  →「製品の設計」「ユーザーワークフロー」「リリース計画」を見える化

 ▼リリース計画=スライス

 ▼協調プロダクトデザイン
  ・製品が提供するユーザーワークフローの見える化
  ・チーム全員がメンテナンスできる。
  ・詳細を書ききるのではなく、全体像を合意する。

    要件定義+開発計画

 ▼Passionate Product Design プロセス

 ▼デザインプロセス
  プラグマティックペルソナ+ジャーニーマップ
           ↓プロダクト探索(協調ワークショップ)
  ユーザーストーリーマッピング

 ▼プロダクトの成功要件
  価値がある (BA)
  使用可能魅力がある。(UX)
  実現可能(Dev)

   ※チームで進める!!

ディスカッション

・ストーリー使ってますか?
・ストーリーを使うとしたらどういう目的
・ユーザの理解
・デザインのアイデアだし
・デザイン評価
・ストーリーテリングとプレゼンテーション

▼脇坂さん
  そんなにまだ、業務に使っているわけではない。 
  ただ、ペルソナなどを作る際に、簡単にストーリーテリングをして纏めるときがある。
  ストーリーテリングの手法を構造化すれば、もっと効率的に利用できるのではないか。

 ▼坂田さん
  韓国資本の会社のため、韓国の方に日本の文化をわかってもらうために、
  ストーリー仕立てで説明することもある。

  ネーバーはアジャイルの極み、めっちゃ早い、だが成り立っている。
  すぐ開発しないとだめ。
  そのため、動き出しているプロジェクトの改善点を、
  ストーリーとしてプレゼンすることもある。

  インタビューなどで映像記録を取るが、
  それをどういったレポーティングにするか悩むことがある。
  ドキュメントにしても読まない。
  映像記録を細切れにして、ダイジェストを作成することがある。
  (3分以内を求められることがある。)

 ▼前田さん
  課題共有にストーリーテリング使えるが、手っ取り早いのは生の状況を見せることが一番。
  なので、リサーチ決定者を現場に連れ出すことに注力している。

  今期待しているのは、何か新しいものを考えるときに納得感を得てもらうために、
  ストーリーテリングを使っていけるのではないか。

 ▼坂本さん。
  ユーザーの意図をシナリオとして作成することがあるが、
  意図を間違えるとただの妄想。
  ストーリー自体がコンテンツになってはダメ、
  ストーリーはあくまでも周辺、伝えるためのツール。
  コンテンツが大事。

  伝え方の方法としては効果があるのではないか。

 ▼川口さん
  ストーリーを上手くやりたいタイミングが2つある。
  (1)朝会などで、誰の為にやっていたんだっけと問いかけることにより、
    意識の統一をするために使う。

  (2)複数のステークホルダーなどに、短い時間に相手に伝えるため、ストーリーを利用する。
    あんまり製品設計には使っていない。

 ▼Yahoo! JAPANの酒井さん
  プレゼンのためのストーリー。
  情感は伝わるけど、でも仕様やスペックに落とし込む際に失敗したことがある。

 ▼富士通 ありかなさん
  近年のマルチデバイスやソーシャルは、意思決定者が体験していないため、
  意思決定の権利を持っている人は、
  ストーリーにしないと理解・納得できない方がいる。

 ▼山口さん
  一般のビジネスの世界ではストーリー仕立てで話すことは普通、
  それがインタラクションデザインのストーリーとどう違うのかは、ちょっと整理できてない。

 ▼脇坂さん
  ユーザーエクスペリエンスでストーリーを使う場合、
  定量的なデータ等と組み合わせてストーリーを使うことによって、
  より説得力のある説明になるのではないか。(アクセス解析など)

  ビジネスの分野でもストーリーテリングは使われている。
  例:経営者ががビジョンを説明するためにストーリーテリングを使う。

  ※マーケティングのストーリーテリングの本もすでに出版されている。

 ▼酒井さん
  ユーザーエクスペリエンスの中でストーリーテリングを使う場合、
  事実に基づいてストーリーテリングを行っていることを認識してもらう。

  勝手にいっているわけではなく、
  調査のうえにできたストーリーだとステークホルダーに説明する。

 ▼脇坂さん
  1人のペルソナだと、ナラティブになりがち。
  複数のペルソナをストーリーテリングに入れると、
  腹落ちするストーリーになるのではないか。

 ▼前田さん。
  ジェンガはむちゃくちゃ定量的な会社。
  定性的な調査をストーリーにすることにより、
  刺激を与えることができる。

■この本を翻訳しようとした意図。

 ▼脇坂さん
  ローゼンフィールドメディアの本がとてもいいので、
  翻訳とかできるといいよねと、Twitter上で盛り上がって、
  ローゼンフィールドに聞いてみたら、
  一番、売れている本だった。

■広告の話

 ▼小林さん(柔軟仕上げ。)
  プロモーション全体で考えると、ストーリー仕立てで見せることはある。
  セス・ゴーディンの「マーケティングは嘘を語れ!」という書籍内の、
  「ユーザーの目線に基づいたストーリーを作って、
  共感させてものを買ってもらいましょう。」
  という考え方に近いのでは、

  ストーリーを考えてクリエイティブブリーフに落とし込んで、演出を考えることは、
  コピーライターのの方がやる手法なのでは。

まとめ

「ターゲッットオーディエンスの木村部長に、
何を伝えるべきなのか」というコンセプトが上手く定まってなくて、
ストーリーを上手く作ろうとすることに方向が向いてしまって、
ストーリーが「妄想だよね?」ってことになりかけていた感があるので、
ちょっと注意が必要だなと思いました。

テーマが読書だったけど、
ストーリーから読書がどっかにいってしまった感が・・・・

あくまでも主がコンセプトで、
ストーリーテリングは「伝え方」ですからね・・・

きちんとHCDのプロセスを実施して、
クリエイティブブリーフとかに落とし込む際には、
もっと伝わるようなストーリーテリングが作れるような気がします。

でも、ストーリーつくると、
みんな読み方にも気をつけるようになるのが面白いwww

省察 1次会

1次会は、市ヶ谷の「旬鮮酒場 天狗」にて。

人見知らーなので、どうしても知り合いで固まってしまうけど、
新しい人とも色々とお話でき、楽しい省察でした。

省察 2次会

顔見知りのメンバーと、登壇者の皆さんで、
市ヶ谷駅近くの「さくら水産」へ。

仮面ライダーのUXから、
ドラクエのUXまで、
大いに盛り上がりました。

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