DevLOVE Conference 2012 2012年12月16日

開発者コミュニティで1200名もの人数を集めるDevloveが、
100回目のセミナーを迎えるということで、
「DevLOVE Conference 2012」が開催されました、
公募セッションも設けられるということだったので、
発表を申し込んで、発表してきました。

本来であれば、
人間中心設計専門家としてユーザーエクスペリエンス関連の発表をするのですが、
大御所の黒須先生を初め、伊藤さんや佐々木さんなどの専門家が発表を行うので、
ネタがかぶらないように、「ワークショップと学び」という内容で発表してきました。

他の人のセッションも聞きたかったのですが、
風邪引き中ということもあり、
黒須先生のセッションに参加し、
自分のセッションを行って帰宅しました。

会場がサイバーエージェントさんなので、
アメーバ水が。

UXという言葉があまり好きじゃない、
だから「UXにもの申す」というタイトルにした。

■1. ユーザビリティからUXへ。

▼ユーザビリティ概念
 1991 Shackel
    ↓
 1993 Nielsen
    ↓
 一連のISO規格

 ユーザービリティはなんらからの目標を達成するためにある、
 有効さ、効率、満足度。

▼ユーザービリティに関するISO規格

 ・TC159(Ergonomics)
  ISO9241-11 : 1998
  ISO13407:1999
      ↓
  ISO92141-210:2010

 ・JTC1(Information Technology)
  ISO/IEC 9126-1:2001
      ↓
  ISO/IEC 25010:2011

▼ISO92141-210
 ISO9241-210になったときに、
「サービス」という言葉を追加しただけが気に入らない。
 
▼ISO9241-210におけるHCDプロセス
 「デザインによる解決案」はモノの視点なので、
 サービスデザインにはそぐわないと感じる。

 黒須先生は、いまのプロセスをHCD 2.0と勝手に読んでいる。

▼Quality in Use
 ISO/IEC 25000:2005
 ISO/IEC25010:2011

■2. UXという概念

▼ユーザービリティからUXへ(1)
 ユーザービリティという言葉だけでは足らずに、UXという言葉を考えた。
 ただ、改めて考えるとユーザービリティを中心として考えたのでは、
 だめではないのか?

▼ユーザービリティからUXへ(2)
 ノーマンが回想しているが、どうでもいいw

▼様々な定義の例
 Hassenzahlが感性について言及したことが多いが、
 楽しいことにフォーカスしすぎている。

 例:注射
   痛くていやだけど、最終的に病気がなおるならそれは良いUX。
 
▼主観的側面への関心
 1990 Csilszentmihalyi, M.
 1998 ISO9241-11における満足感
 2000 Jordan, P.
 2000 Hassenzahl, M. におけるHedonic Attribute
 2004 Norman, D.A.
 2011 Tractinsky, N. におけるAesthetics
 
▼感性経験を記述することば
 ・Comfort(心地よさ)
 ・Enjoyment(楽しさ)
 ・Pleasure(嬉しさ)
 ・Amenity(快適さ)
 ・Happiness(幸福感)
 ・Satisfaction(満足感)

 ※まだだれも手をつけていない分野

 長期的なモニタリングについてはISO9241では、半年から1年と定義している。
 ただ、みんな忙しいので、予測的評価に期待してしまうがそれはダメだ。
 (予測が変わることがあるので)

▼ISO9241-210の定義
 製品やシステムやサービスを利用した時、
 および/またはその利用を予測した時に生じる人々の知覚や反応

▼UX白書
 hcdvalueの翻訳

▼UXの現象的特性
 ・UXは一般概念としての経験の下位集合である。
 ・UXはシステムとの出会いを含む。
 ・UXは個人に特有なものである。
 ・UXは過去経験やそれにもとづく期待に影響される。
 ・UXは社会的文化的文脈に根ざしている。
 ・UXは技術志向なものではなく、人間に焦点を当てるものである。
 ・ユーザによって知覚されたユーザビリティは、
  全体的UXに寄与する典型的な側面であるが、
  UXはそれとは異なる。
 ・UXデザインはユーザインタフェースデザイン以上のものである。
 ・UXはブランドや消費者、顧客経験と相互に影響しあるものではあるが、
  それとは別のものである。

▼UXに影響する要因
 ・文脈
 ・ユーザ
 ・システム

▼白書の時間モデル
 ・他のシステムやブランドに関する事前経験の関与が表現されている。
 ・その他の情報が入ってきた後、新システムを購入したり入手したりする
 ・その後、短時間のUXやエピソード的UX
  (新しい機能に気づくとか、故障するなど)
  が徐々に累積する。
 ・利用している時期としていない時期を交互に交えながら、
  当該システムやブランドなどに関する情報が入ってくる
 ・それら全体を累積的UXと呼ぶ。
 
▼ユーザの種類
 ・直接ユーザ(一時ユーザ/二次ユーザ)
 ・間接ユーザ

▼まとめると
 ・ある環境のなかにいる生活体が、能動的または受動的に感覚器官を通して認知し、
  記憶し、学習した情報が、知的機能と感情機能によって把握された結果であり、
  次の経験を構成し獲得するための仮説の構築につながる。
  (環境、認知プロセス、知性と感性、仮説構築)

▼UXの評価法
 ・経験サンプリング法(ESM)
 ・前日再構築法
 ・AttrakDiff
 ・体感評価用具(Sensual Evaluation Instrument)

■3. UXからXへ。

▼UXの持つ利点-包括性
 ・単品の評価に焦点化していた従来のユーザビリティ評価の限界を、
  システムやサービス視点を含めることで乗り越える。

▼UXの功績
 ・欲求から印象まで、経験の時間的幅の長さを考えさせてくれたこと。
 ・経験というキーワードから、ユーザに限定されないその多様性を考えさせてくれたこと

▼UXの不適切さ
 ・Userだけではない
 ・あまりに一人歩きしすぎた(UXDという不適切な用語まで生み出した)

▼最後の印象が大切
 ・ユーザビリティ等の品質特性や外観形状などの感性特区性という
  独立変数が良くても、UXが良くなければダメだ、という同じロジック。
 ・UXが良いはずだと思っても、受け止め方は人によって様々
 ・良いUXを提供したつもりでも、残された印象が良くなければ効果がない
 ・経験の様々なフェーズは、最終的に印象に集約されるだろう。
 ・効果指標としての印象

▼顧客経験(CX)とユーザ経験(UX)
 ・顧客という言い方は、人工物提供側に視点がおかれている。
 ・他方、消費者やユーザという言い方は、比較的第三者的な視点から見ている。

▼サービスを考えた場合(SX)
 ・サービスを、ではなく、サービスも。
 ・サービスは「使う」ことか、「受ける」ことか。

■4. Xの3次元
 ・ユーザービリティ(品質特性)
 ・UX(感性特性)
 ・QOL(意味性)

 ※意味性がないとしょうがない。

▼事例:パナソニックのテレビ この意味性は?
 イオン発生装置を搭載した液晶テレビ
 →いらなくね?
 
▼意味をみつける
 エスノグラフィーが流行っているが、やれば結果がでる

■5. Xを確実にするために

▼ビジネスエスノグラフィは十分か
 かながらずしもGTAなどを利用する必要はないが、理論的飽和が起きる状態まで、
 十分な情報を得て、謙虚に解釈することが重要。
 仮説に引っ張られる人が多い。

■6. IMPRESSION FORMATION

▼印象の工学
「印象の工学」とはなにか

▼UXを捨ててIFと言おう
 Impression Formation(印象形成)

▼DIFへ
 ・UXDからDIFヘ。
  Designing for Impression Formationが正しく、適切である。

■ツイートまとめ
 http://togetter.com/li/423605

自分のセッション

 今年学んだ、「ワークショップと学び」について15分ほどお話してきました、
 少し時間が短くなってしまったのは失敗。

とりあえず、参加出来るものにはなるべく参加してみるという形で、
チャレンジしてみましたが、 やはりセミナー形式は緊張しますねー。

参照リンク

ツイートまとめ

Shinya’s Daily Report

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