参加枠が埋まってしまって参加できなかった予定だったのですが、
当日キャンセルが出たということで初めてShibuyaUXに参加してきました。
会場のボヤージュグループのアジトに着いたとたんに
「乾杯ー!」と音頭が聞こえてくるぐらいの温度感
今回のShibuyaUXはミクシィから9月に独立した株式会社ノハナの立ち上げのお話でした。
「ノハナ立ち上げをUXer(UXの人)の視点で振り返る」
▼ノハナの紹介
コンセプト:1組でも多くの家族に笑顔を届ける。
・ミクシィ社の社内ベンチャー制度から生まれた
(三ヶ月でプロダクトをリリースしないといけない)
・スマホにためた写真を毎月一冊無料でフォトブックにできるサービス
・現在のユーザー数は40万人、年内に50万人を想定している。
・7月にTVで取り上げられたため、急激にユーザー数が増加した。
・7、8割がリピーター
・フォトブックの複数購入や高級化や広告連動などのビジネスモデル
・11月にノハナ年賀状というサービスをリリース予定
・初期立ち上げメンバーは4人、「家族」をテーマに集まった。
・現在のメンバーは14名となった。
▼初期プロダクトの成功要因
明確なビジョン:「家族を笑顔に」
明確なターゲット:「ママが使いたい」
→検証対象が社内にいる
広いマーケット「潜在顧客約300万人」
→フォトブック市場は役90億円、そんなに大きくはない
強いコンセプト:毎月1冊無料フォトブック
→ユーザーベネフィットがはっきり
→マーケティングが楽チン
CSと継続的改善:顧客の成長と呼吸を合わせる
→Twitterでのアクティブサポート
▼UXerとして初期プロダクトにはどのように関わったか?
Customer Development(顧客開発):Learn
・社内ママインタビュー「家族の写真活用」
・ターゲット:仕事、家事、育児で忙しい、難しいことは苦手
・ニーズ:スマホで撮りためた写真を形に残したい、
しかも手間なくお得に。(ママ価格)
・心理的背景:自分が両親にしてもらったように自分も子どもにアルバムを残したい
・インタビューの成果:
・ユーザー、ニーズ、利用状況の明確化
→アイデア展開→「毎月1冊無料フォトブック」
・チームメンバーの共感の醸成:「ママってこうなんだ!」
深くヒアリングすることによってなっとく
Minimum Viable Product(最小の出荷可能なプロダクト):Build
・機能的側面:
・アプリ:機能要件定義(ユーザーストーリーマッピングを作成)→画面設計
→パーツ制作→アプリ実装(エンジニアと)→QA
・フォトブック:業者と打ち合わせをして造本設計
→プロト制作(会社のプリンターで出力)
→InDesignデータ制作→組版システム実装(エンジニア)
・Webサイト:要件定義(マーケターと)→メッセージライン設計→画面設計→実装
・心理的側面:
・ママに「自分たちのサービス」と感じてもらうために
・メッセージやビジュアルをママに最適化
・認知付加を下げる
・達成感を感じてもらう。(単純な作業でクオリティの高いものが出来る)
・美的側面:
・ビジュアルコンセプトに基づくアートディレクション
・美的側面も価値の一つ:「シンプルでオシャレだから使いたい」
・コンセプトシートを作成して協業するパートナーとかと共有した。
Validated Learning(検証による学習):Measure
・リリース前
・価値検証:社内ママ
・ユーザビリティ検証:社内パパ、ママ
・リリース後
・定期
・コンバージョン確認(毎日)
・問い合わせ確認(毎日)
・定例MTGでKPI確認(毎週)
KPIは三ヶ月区切りぐらいで設定
・不定期
・マダム会(社内ランチ会)
・アンケート調査(フォトブックを購入してくれたユーザー)
・ユーザー会(ノハナミートアップとして、
1ヶ月で準備して15組ぐらいの家族と行った。)
・リリースが最高の価値検証の場
・価値が曖昧なまま作ってはいけない
例えば美的価値も重要なら検証できるレベルまで作る
・ただし作りすぎていけない
価値を外していないなら80点主義は重要
▼UXerとして今後どのように関わるか?
黒字化への圧力が高まる
・継続的な顧客価値提供(サービスの成功)のためには利益(ビジネスの成功)が必須
・なんのために働いているのか?を忘れない
・全国、全世界の「家族の笑顔」
・自分たちの笑顔(自分、自分の家族、チーム、ステークホルダー)
様々なプロダクトを様々なメンバーで作る
・顧客中心のLearn→Build→Measureのフィードバックサイクルへの参加を促す
・顧客への共感の場を作る
デザイナーの力をチームのために使う
・デザインとは課題解決のために概念を要素化→再構築する力
・プロダクトのビジュアルデザインだけを守備範囲にしていないか?
(だからUXデザイナーと呼ばない)
・プロダクトは顧客価値提供の一段落
・ビジュアルデザインはデザインの一手段
・さまざまな課題にデザイナーの力を使おう
・スタートアップでは特にそれが必要(職能の壁がない)
■質問タイム
Q:ガチHCDプロセスだったが意識しておこなったのか。
A:あえて手法にこだわったわけではない、社内で実施するときも、
手法をやろうとはあえて言わなかった。
Q:プロジェクトとしてガチで課題にぶつかった時は?
A:常に細かい課題はあった、
一番大変だったのは3ヶ月でアプリをリリースしなければならないため、
アプリの制作が思ったように進まなかったとき。
Q:なぜ馬場さんにアサインが来たのか?
A:社内で行っていた活動がきっかけで声をかけられた、
最初はアドバイスをする程度だったがどんどん深く関わっていくようになった。
ライトニングトーク
ビアバッシュしながらのライトニングトーク
■残念UXerの体験談ただし非公開 イトマキさん
モノができていない段階でのピボットは危険
(プロトタイピングが大事ということですね。)
小さく作ってから価値検証をすること。
■Why’d You have to go and make “UX” things so complicated 坂田さん
現在のUXの混在した状況やサービスデザインについてライトニングトーク。
その他数名からも宣伝があって終了となりました。
素敵なプロジェクトのお話だったので、非常に羨ましく感じました、
僕もいつかはこんなプロジェクトに関わってみたいです。
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