HCD-Netが連続して開催する「HCD-Net教育セミナー・サービスデザイン方法論」に参加することができました(キャンセル待ち1番でした。)
第一回目は「渋谷でショッピング体験を観察してくる」というものでした。
(渋谷はバラエティにとんでいるため)
会場は渋谷のMixiさんで10時~18時のちょっと長丁場でした。
■チーム編成
今回は自分でグループを決める流れ、
とりあえずBチームにポストイットを貼る。
▼メンバー
・千葉さん
・山浦さん
・藤代さん
・川鍋さん
■浅野先生の挨拶
今回は、参加者が40名、見学者が15名
講義
単に観察してくるだけではなく次につなげるために、
分析する手法を実践する。
台紙が2枚
一枚はKAカード
もう一枚は白紙のカードで、写真が取れない場合にスケッチを書いてくる
▼観察スケジュール
ご飯も含めて2時間程度
▼エスノグラフィの概要
エスノグラフィは従来から行っている手法である。
▼本来のエスノグラフィとは
文化人類学、社会学の研究手法。
※フィールドワークに基づいて人々の生活世界の体系的記述がなされたもの
→方法論ではない。(どんな手法でもいい)
▼応用としてのエスノグラフィ
ビジネス分野でイノベーションの技法として進展した。
※不確実性の高いビジネス環境において機会探索・仮説発見型のアプローチとして期待高
▼”イノベーション”イメージの変化
イノベーションはより身近なもの、より体験価値に共感するものへと変化している。
※日本の大学でもイノベーション教育が盛んになっている。
▼人間中心デザインプロセス – ISO9241-210
エスノグラフィは利用状況の理解で使われることが多い
▼エスノグラフィの全体像
フィールドワークの実施
(現場の状況を観察/行為の背景のインタビューの両方を実施しないといけない)
↓
エスノグラフィで明らかになる事情
人々の行為の全体像(コンテキスト)/潜在的なニーズ/(暗黙のうち)の価値観
↓
ソリューション・提案へ。
※エスノグラフィはモデル化まで行うことが必要、
フィールドワークしてポストイット張るだけではエスノグラフィではない。
▼応用エスノグラフィの主な適用目的
・主に新しいコンセプトの開発が目的
・主に改善や最適化が目的(行動観察)
■エスノグラフィをやってなにがかわるのか?
例:プレミアムモルツ
→2003年まではモルツスーパープレミアムという商品で、全然売れなかった。
両方の違いは名前が違うのと、CMでの展開。
→「金曜日はプレモルの日」
※金曜日に嬉しいご褒美を与えるという価値観の発見。
例:プレミアムロールケーキ
OLの行動観察をした結果、
一日を頑張った自分へのご褒美を探しているという価値を見いだした。
※モノの進化ではなく、意味の転換=シーンを作る
例:ドトールコーヒー
フランスをイメージしたエクセシオールカフェを作ったが失敗した。(1990?)
エクセルシオールカフェを作った。(2000?)
▼エスノグラフィによるユーザーインサイトの発見
多くのユーザーの最大公約数としての生活価値・ニーズの発見
▼従来型のマーケティング・リサーチとの違い
マーケティングリサーチ
→垂直型顧客理解(平均的な顧客像)
エスノグラフィ調査
→水平型顧客理解
▼生活世界におけるニーズ
潜在的ニーズは、文化的理想と実践のギャップを探るとともに、
日常の実践に潜む本質的ニーズを発見する。
※潜在的ニーズというコトバを批判する批判するひともいる。
生活の中で意味を持たないモノや行為は存在しえない
↓
生活や状況の中に意味が埋め込まれている。
▼1.生活や状況の中に”埋め込まれた意味”を探す
例:ソフラン
柔軟剤に対して、汚れまでもコーティングしてしまう
社会構成主義
→人々は思い込みの世界に生きている
エスノグラフィでは人々の生活の中に埋め込まれたモノや行為の意味を解釈する。
▼2.対象者やデータの比較により価値観をより際立たせる
エスノグラフィは、異なる群との比較により、違いや共通項を際立たせていくアプローチ。
異なるデータを得ることでより理解を含められる。
例:秘密のケンミンSHOW
・対象者の選択
・異なるタイプのエクストリームユーザー
▼3.行為の観察だけでなくその背景や考えも把握する。
例:安藤父と母の集合写真の立ち位置
→集合写真を撮るという行為の中にも意味がある。
▼「観察」と「インタビュー」の相補関係
外から観る?内から観る
※インタビューのハードルが高い場合は、
フォトエッセイや脳内マップで補う。
▼4.現場を観る際は”問い”を立てて観る
”なぜこの人はこういう風にしているんだろう?”
▼観察の心構え
観察の4つの掟
・問いを立て、観察の焦点化を行う。観察を重ねるごとに、焦点の精緻化を行う。
・予め”仮説”や”予見”、”思い込み”をもってフィールドに臨まない。
・ユーザを観る。ユーザ中心に観る。
・フィールドでは、記録に徹する。解釈は帰ってから行うつもりで観る。
▼5.調査で得られた情報は分析して”モデリング”する
・属性層(ペルソナ)
・行為層
・価値層
フィールドワーク 11時30分~
▼テーマ
全く新しい提供価値を持った、ショッピングサービスの企画立案のために実施する調査
「いいもの探し」
~ショッピング体験~
▼出発
とりあえず簡単に調査場所の内容だけ決めて、
詳細はご飯を食べながら決めることにして、
クロスタワー地下のコーヒーショップにて。
そのあと、ヒカリエと東横のれん街をフィールドワーク。
▼帰宅
14時ちょいすぎにMixi本社に戻って来て、
写真を印刷。
▼15時00~
安藤先生のフィールドワークの例:
フィールドワークしながら、徐々に観るものをフォーカスしていく。
KA法
心の声を推測することが重要
心の声から価値が生まれることが多いため。
※価値に迷ったら、心の声+価値でOK
※写真の力は偉大。
ビジュアルと価値によって価値マップを作成する。
※データに密接するような価値を考える。(グラウンデッドオンデータ)
KAカード作成
各自6枚程度印刷した写真からKAカードを作成。
おやつに東横のれん街で買ったフロレスタの動物ドーナッツ
KAカードをKJ法で整理して模造紙へ。
発表
懇親会はUX居酒屋ことげんてん
今日のKAマップは第3回の発想法でも使います。
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