全6回のサービスデザインセミナーの3回目は千葉工大の山崎先生の発想法です、
このチームで最後のワークショップとなります。
体験からの発想法 講義 13:00~14:10
これまでのHCD/UXでは発想についてあまり語られていない。
→従来は問題解決型のため
(現状を直すだけ)
新規提案:見えていない問題→発想
▼これからの発想法の5つのポイント
1. 既存の要素の新しい組み合わせ
2. 拡散と収束
3. 構造的発想と総合的発想
4. モノからの発想とヒトからの発想
5. リフレームが大事
▼発想法とは
デザインにおける発想法とは、新しいアイデアを生み出すことを支援する手法
・発想のためのアプローチ
問題解決型アプローチ
提案型アプローチ
・代表的な発想法
発散技法(代表はブレーンストーミング法)
収束技法考支援(代表はKJ法)
総合技法
態度技法
▼発想のアプローチ
ペルソナシナリオ法などを使って、生活の中から発掘される思いつきを提案化し、
コンセプトから具体案を表現する。
▼発想法の種類
発散技法
収束技法
総合技法
態度技法
▼既存の要素の新しい組み合わせ
ジェーマス・W・ヤングの「アイデアの作り方」
→知っておくべき一番大切なことは、
アイデアをどこから探してくるのでなく、
アイデアの源泉にある原理を把握する
・原理1
アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ
・原理2
既存の要素の新しい組み合わせを導く才能は、
事物の関連性を見つけ出す才能に依存する。
事実と事実の間の関連性を探ろうとする心の修正が大事
・アイデアの作り方、ジェーマス・W・ヤング
1.資料集め段階(収集と組み合わせ)
課題のための特殊知識と一般的知識の貯蔵をたえず豊富にすることから生まれる資料
2. 心の消化段階(分析)
心の中でこれらの資料に手を加える
3.ふ化段階(ふ化)
意識の外に写す
4. ひらめき
アイデアの実際上の誕生、分かった、見つけた
5.最終段階
現実の有用性に合致させるために具体化し展開させる段階
▼4つの発想のアプローチ
・ヒトの調査
気づき
ペルソナ
・モノの調査
気づき
動向
▼拡散と収束
例:砂金採り
素晴らしい砂金撮りは一カ所だけでなく、いろんなところに砂金を採りにいく。
効率的な方法はない。
金を古いにかけて、ちゃんと採ることも大事
・限定した発想とアイデアの展開
早期段階のアイデアの絞り込みは発想を限られたものにしてしまう。
・多様な発想とアイデア
多様な発想法と多くのアイデアを出し、ひとつに絞り込むのではなく、
複数のアイデアをプロトタイピングして評価を繰り返す。
▼デザイン思考のアプローチを定義、Tim Braun
「人々が生活のなかで何を欲し、何を必要とするか」
「製造、包装、マーケティング、販売およびアフターサービスの方法について、
人々が何を好み、何を嫌うのか」
これら2項目について、直接観察し、徹底的に理解し、
それによってイノベーションに活力を与えること
▼構造的発想と総合的発想
・構造化コンセプト
概要:ユーザーの使用状況を、行動の流れの視点で図式化したもの
対象ユーザーの確認と目標の設定
要素に分解する
要素のプライオリティをつける
要素をさらに分解する
分解した要素に重みをつける
各要素のアイデアを検討
アイデアを総合化する
・情報から概念を生み出す(論理的アプローチ)
情報の整理(情報の確認)
ユーザー情報(含む競合する製品やサービスに関連するユーザー情報)
ビジネス情報(含む競合する製品やサービスに関連するビジネス情報)
技術情報(含む競合する製品やサービスに関連する技術情報)
情報の整理からプロジェクトのプライオリティを作る
どのユーザーグループにプライオリティ
対象ユーザーのタスクのプライオリティ
対象ユーザーの問題点のプライオリティ
対象ユーザーの望むことのプライオリティ
ステークホルダーのプライオリティ
ビジネス視点からのプライオリティ
技術的視点からのプライオリティ
・構造化発想
対象ユーザーと目標設定
要素に分解する
要素のプライオリティをつける
要素をさらに分解する
分解した要素に重みをつける
各要素のアイデアを検討
アイデアを総合化する
・Found Object
ものやサービスの観察からの情報を活用して発想する
ものやサービスを観察して、これまでの体験をリストアップする
共通の体験を発見する
共通の体験を生かしたアイデアを検討する
アイデアを少し、押さえたアイデアにする
例:紙コップ
→飲むときに噛む→アイデア発想
・情報から概念を生み出す(感覚的アプローチ)
情報の整理(情報の収集)
情報を収集する
観察から、体験を収集する
共通の体験を発見する
共通の体験を生かしたアイデアを展開する
できあがったアイデアを下記の視点から評価
ユーザー視点、ビジネス視点、技術視点
評価結果を利用して、改善する
▼モノからの発想とヒトからの発想
1.ヒトから客観的に発想する
デザイン対象物の利用するヒトをユーザ調査などを通して、
客観的な人物像を視覚化して、その人物の目的を考慮して、
アイデアを発想する。
例:ペルソナ手法の活用
シナリオ手法の活用
2.ヒトから主観的に発想する
人間の行動を観察したり、インタビューをする中で、
気づきを得て、その気づきを発想のネタとしてアイデアを展開する。
例:観察での気づき
フィールドワークでの気づき
インタビューでの気づき
3.モノから客観的に発想する
道具、商品や技術などの過去の動向やこれから予測して、
モノの方向性を視覚化して、それを活用して、アイデアを発想する。
例:商品ロードマップ
技術ロードマップ
道具年表
4. モノから主観的に発想する
道具、商品や技術などのモノに関わることでの、
気づきを発想のネタとしてアイデアを展開する。
例:技術活用の検討
道具の歴史の検討
▼ヒトからの発想
1. 体験視点の活用
体験視点とは、ユーザーエクスペリエンスデザインの考え方の基本である、
ユーザー体験を時間軸、環境軸や人間軸より分析し、
体験を仮説して、その仮説より発想する方法である。
活用方法
・一般的な状況から発想するのではなく、いろいろな状況設定をして、
それぞれの状況設定にてアイデアを検討する。
・状況設定を変えることで、多くのアイデアを創出することができる。
・たとえば「一般的な花瓶」のアイデアを考えるのではなく、
「お母さんが、夜、お風呂で、花の色を楽しむ状況」を考えて
アイデアを創出することである。
活用例
体験を定義する5W1Hを文章として記述して、その文章をスケッチなど視覚化して、
アイデアを作ってみる。次に、その5W1Hを変えてみて、別のアイデアを作る。
2. 体験マトリックスの活用
体験マトリックスとは、体験の状況設定をマトリックスを使って、様々に設定し、
多くのアイデアを創出する方法である。
活用方法
・状況設定の基本要素である、時間、場所、目的、
対象ユーザなどの要素の中より2つの要素を選択する。
・2つの要素よりマトリックスを作る。
・マトリックスのマス目に、それぞれの状況によって設定されたアイデアを創出する。
3. ユーザーシナリオの活用(体験シナリオ)
ユーザーシナリオとは、どのようなユーザが、どのような環境で、
人工物に関わって、どのような行動をとるかについて記述した物語である。
このシナリオを記述してから、そのシナリオに基づいて発想する。
活用方法
・シナリオには、5W1Hを表現する
・いつ、どこで(when, where)は状況を表す
・誰が(who)はユーザを表す
・何を(what)は対象としている商品を表す
・どうして(why)はユーザの目標や期待を表す
・どのように(how)はその商品の使い方を表す
・シナリオに、モノと人間の時間軸での体験を記述することができ、
そこから発想する
※シナリオにも構造化シナリオだけでなく、
最悪のシナリオや最高のシナリオなどもある。
4. フォトエッセイの活用
フォトエッセイとは、テーマに沿って深く内省するために、
写真とエッセイを活用して、潜在的なニーズを明らかにする手法。
活用方法
・ユーザの本質的価値を発見するために、
ユーザがテーマに沿って深く内省してユーザにとってどのような意味をもつのかを、
それはなぜなのか内省をする。
・その結果を写真とエッセイのような文章に反映させたフォトエッセイを作る。
・この段階でユーザ自身が本質的価値やアイデアを発見する場合もある。
また、ここで作ったフォトエッセイを活用して、
他者がこのユーザの本質的価値を見出す場合もある。
5. フォトダイアリーの活用
フォトダイアリーとは、他人のリアルな生活の様子を見つめることで、
新しい発見を探す手法。
定期的な生活の写真と解説を活用して、外省的に潜在的なニーズを明らかにする手法
活用方法
・ユーザの生活のシーンの写真撮影と解説をつくる。
・写真撮影は、生活や活動状況を明らかにするために、
その状況での行動と環境が分かるように定期的に撮影をする。
・解説は、その時間にどのような活動をしてどのような状況であったか、
簡潔に記述する。
・この段階でユーザ自身が本質的価値やアイデアを発見する場合もある。
また、ここで作ったフォトダイアリーを活用して、
他者がこのユーザの本質的価値を見出す場合もある。
▼まとめ
・4つのデザイン発想
ヒトから客観的に発想する、主観的に発想する。
モノから客観的に発想する、主観的に発想する。
・体験から発想する手法
体験視点の活用
体験マトリックスの活用
ユーザーシナリオの活用
フォトエッセイの活用
フォトダイアリーの活用
▼リフレームが大事
リフレーミングとは、新たな観点(フレーム、枠組み)で、状況をとらえること。
・フレーミングとリフレーミング
フレーミング:日常的な観点で、状況を捉えること
リフレーミング:新たな視点で、状況を捉えること
リフレーミングの例:アキッレ・カスティリオーニ
トイレットペーパーの芯にデザインを入れてお土産にした。
自転車のサドルをイスにした
リフレーミングの例:福田繁雄
・意味のリフレーミングと状況のリフレーミング
意味のリフレーミング
ある状況に対して意味づけを変えること
例:フレーミング
電車が遅れたので、残念な気持ちになった。
リフレーミング
電車が遅れたが、大事故に会わずにすんでよかった。
状況のリフレーミング
意味は変えずに、状況を変えること
例:フレーミング
この目覚まし時計は、いつも時間が遅れて困る。
リフレーミング
この目覚まし時計は、いつも遅れるので、
遅れても大丈夫な休日用に使おう。
※リフレーミングするときにエクストリームユーザーの視点をえる。
■Work Session
ここで実際にリフレーミングを体験してみるということで、
「目覚まし時計」をリフレーミングして新しいアイデアをスケッチ。
観察から発想する 14:30~15:30
目標:新しいショッピング体験を観察結果より発想する。
1.観察結果を確認する
2.コンテクスト(時間、場所、ヒト、目的)を抽出する
3.コンテクストよりマトリックス型発想法で発想する
4.発想結果より提案するアイデアを絵コンテ化する。
ここからチーム単位のワークショップということで、
一部のチームは会議室の個室に移動(贅沢)
まず1回目の価値マップから、
要素(時間、場所、ヒト、目的)をポストイットに抜き出して、
どれをマトリックスにするか決める、
今回は「価値」と「目的」の2軸にしてアイデアを発想し、
それをシーンシナリオを絵に書きました、
これはかなりいいブレストとアイデアが出来たと思います。
UXマップから発想する 15:40~17:00
目標:新しいショッピング体験をUXマップを活用してリードユーザー視点より発想する。
1.現状のUXマップとリードユーザーを確認する
2.現状のUXマップより最悪のシナリオを書いてみる
3.素直な発想と逆転の発想のシナリオを書いてみる
4.多くのシナリオより、提案するシナリオを選択する
5.提案するシナリオより、提案するUXマップを書いてみる
前回作成したUXマップのテーマに沿って、
最悪のシナリオを考えて、
そこから「素直な発想」と「逆転の発想」を考えていきましたが、
そこからどうやってUXマップに繋げればいいかわからなくて、
UXマップを書く時間がほとんどなくて、
前回に作ったカスタマージャーニーマップに重ねて、
感情グラフと改善アイデアをポストイットで作成する方法で30分ぐらいで作成。
プレゼンギリギリでした。
各グループの発表 17:00~18:00
■感想
KAマップからの発想法は価値が抽出されているので新しいサービスなどを考えるときに、
かなり有効だと思いました、
カスタマージャーニーマップからの発想は時間が足りなかった点もあって、
かなり消化不良だったので、どこかでリベンジしたいですね。
■懇親会
UX居酒屋げんてんが工事中のため、
渋谷の土間土間で。
Bチームお疲れさまでした!!
コメント