2015年07月05日 サービスデザイン方法論 戦略編 4回目
長谷川敦士氏
■プロジェクトプランニング
▼本日の趣旨
課題の解決のために有効なプロジェクト設計を行う視点を、
具体的なプロジェクト設計のプロセスを通じて養う。
▼ワーク1
・プロジェクト文脈の理解
・タスクの読み合わせ
・プロジェクト検討
既存の手法を利用して、新商品企画のプロジェクトを作るワークだったが、
HCDの勉強をしている人たちなのにHCDのプロセスを使おうとしないという点が、
もったいないと思いました。
そんなに難しいワークではないのだけれど経験不足もあり、
あんまり上手くいってませんでした。
なんで知らない手法を使おうとするのか・・・
※人間中心設計専門家が数名いる状態なのに・・・
※自分は人間中心設計専門家なので、あんまり口出ししないようにしてました。
■発表
ツッコミが激しくて、かなり戦略的でしたww
・Fチーム
購入した既存顧客のデータを分析し、
カスタマージャーニーマップ(As is-To be)を作成
最終的にできたものをストーリーボードで表現。
→カスタマージャーニーマップからストーリーボードを作成するときの
ジャンプに無理があるかも。
・Eチーム
エスノグラフィー調査に2コマ利用。その結果からペルソナを作成、KA法で分析
分析結果からアイデア発想を行い、結果をビジネスモデルキャンバスに当てはめて検証。
プレゼン用にプロトタイプとシナリオを作成。
→そもそもなんでHCDなんてやるのかを事業部に説明することが不足している。
KA法やペルソナを作成する手間は隠れたニーズや新しいインサイトを見いだして、
売れる商品を作るために行うんですよという説明が不足している。
(事業部はユーザーを見ていない)
・Dチーム
エスノグラフィ(お宅訪問インタビュー)してKA法分析・価値マップ作成。
ラピッドプロトタイピングをし、UXコンセプトツリーを作成し、コンセプトの確認。
その後実際に試してみて確認する。その改善点をプロトタイピング。
プロトタイピングの様子を作成しておいて、シナリオを作成。
→なぜラピッドプロトタイピングを価値マップのあとに行うのか?
コンセプトツリーもなんであとで作るのか。
→ラピッドプロトタイピングがアイデア発想を兼ねている。
改善的にアプローチするパターンとイノベーティブな製品を生み出すパターンと、
両方考えておく必要がある。
他人の思考のパターンを考えておくことはやっておいたほうがいい。
・Cチーム
現状調査→分析→アイデア出し→プロトタイプ→レビュー
(プロトタイプ→レビューを2回繰り返す)
→今ある家電を見直して新規サービスを生み出すことも考える。
→ビジネスモデルキャンバスはある事業がなんだったのかの
見直しに相当するものなのでは。
俯瞰して理解するにはいいけど、新規事業の場合は文脈が見えない。
ビジネスになるかどうか考えるとビジネスモデルキャンバスで
上手くいったかといって、
実際にビジネスになるかどうかはわからない。
→これはバリュープロポジションキャンバスが抜けているからでしょうね。
ビジネスモデルキャンバスの1面しか捉えられなくて残念です。
プロジェクトのデザインにはひとことで言えるようなプロジェクトコンセプトが必要
使うツールの意味合いも把握しておく必要がある。
事業の妥当性を図るツールはあるのか?
→どれくらいのマーケット規模感やプレイヤーの動きを見る
→セグメンテーションマップ、全体の市場調査
→事業ドメインにあっているのか、社員の強みにあっているのか。
→手法の不確実性が高いものには投資しない、
古典的なマーケティングの手法を使っている。
・Bチーム
Bチームは最初にHCDの手法を使う理由を説明。
調査→分析→アイデア→提案資料
調査→マーケティングチームの定量調査を利用してセグメントを絞る。
売り場のエスノグラフィ
分析→上位下位分析から潜在ニーズを見いだす。
(KA法のユーザーの心の声が胡散臭いといわれうまくいかなかった。)
キャスト表を作成する。
ビジネスモデルキャンバス
カスタマージャーニーマップ
アイデア→デザイン部だけでなくたくさんの事業部が集まってアイデア発想しましょう。
Q:キャストってなに?
→ペルソナでしょう。
問題なのは購入に至る人なのか、購入は関係ないのかがわからない。
巻き込み型は面白いがday4でいきなり参加するのは無理があるので、
2日目とかから参加するのがいいのでは。
デザインはいつでてくるのか
→よい商品プロデュースのデザインもデザイン部の仕事なんですよ。
キャストのなかから、どのキャストを重要視してデザインしていくのか?
→いろいろな軸から魅力度をだして決定していく。
ニーズだけではビジネスにはならない。
KA法が拒絶されたのはなぜか?
→心の声にバイアスが入る。心の声がいくつも出て来てしまう。
仮説を沢山つくって、検証し、それを短期間で繰り返すことも、デザイン。
・Aチーム
現状把握・分析→ユーザーの利用状況の特定→アイデアとコンセプト創出→企画まとめ
現状分析→すでにあるデータを分析する
社内の主婦を利用してKA法を行う。
ユーザーの利用状況の特定→SEPIAペルソナを作成
カスタマージャーニーマップを作成
アイデア出し→アイディアスケッチを作成→カードソートして絞り込み。
企画まとめ→アイディアの検証→アクティングアウト
Q:このプランの優位性は。
ビジネス要件を把握しようということを一日目にやっていること。
Q:弱点は?
デザインを忘れていた。
■ワーク3(これはやらなかった)
自チームのプロジェクトプランを見直して
・プロジェクト実施上のリスク
・自チームの特徴
→ 同じ条件化で複数人でプロジェクトプランニングしてもらうこともある。
・他に考えられるプラン
・検討上で悩んだところ。
→プロジェクトプランが機能することが重要。
プロジェクトプランもHCDとおなじようなサイクルで作成する必要がある。
(サクッとつくって検証)
■まとめ
プロジェクトプランニングとは
・どれだけ視点を持てたか:デザイナー、ビジネスオーナー、エンジニア、
セールス、販売店
・代替パターンを持てているか
・プロジェクトの中核はなにか(最初はラフにプロジェクトを組んでみる)
プロジェクトを一言で述べる(コアなことを言語化する)
(コアコンセプトが決まったら、ブレイクダウンして個々のタスクを見直してみる。)
・「スケジュールを守る」
守る必要はあるか、リスク要因、優先すべき事項
プロジェクトプラニング上の視点
・タスク同士の連続性
・価値マップはなにに使うのか(価値マップだけつくるのは若干乱暴)
・CJMはどうやって作るのか(CJMをミクロに見るだけではない方法など)
→抽象度が高い成果物なので、粒度があらいので、
そこから実際のアイディアを生み出すことに無理があるかも。
・どの段階でなにをやるのか
・タスク同士のバランス
納品物ベースではなくやるべきことに注力して実施する。
コンセントのサービスデザインのスプリントでは、
6週間で行うことを目標にしている。(2週間で一区切り・調査は3分の1くらい)
・「プロジェクト方針」
言語化、明示化
グラフィックレコーダーの樽ちゃんからもフィードバック
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