RESEARCH Conference Pop-up in FUKUOKA 2023年09月15日

RESEARCH Conference Pop-up in FUKUOKA
2023年09月15日 19:00~21:00
https://research-conf.connpass.com/event/293200/

福岡行きたかったけど(無理)
リモートで参加しました。

■19:00 ~ 19:05 イントロダクション
・司会はメルペイの松薗さん。
・2023年5月27日に東京で実施した。その後京都でも実施。

19:05 ~ 19:40 part1
■オープニングトーク by GMOペパボ 上田 利瑳子 氏
「レガシーなサービス・組織でリサーチの土壌を耕す」

・失敗談
・サービスと組織:ホスティングサーバー
・サービスリリースから20年
・ユーザーの変化
 →学生中心から幅広い世代へ。
・10年以上のベテランから新人まで。
・リサーチャーの職種がなかった。
 →社内でリサーチについて発信
 →デザイナー向け社内勉強会で発表
・とはいえ業務でのリサーチの機会は少なかった。

・リサーチと失敗
 ・初・業務でのがっつりリサーチ
 ・リサーチ前の検証リサーチを提案
 ・リリース内容に反映されなかった。
 →実査をギチギチに詰め込んだ、急ぎのスケジュール
 →一人で決めて、一人でやる必要があると思っていた

うちの組織でもとめられているのは「独力で高度な結果を納品する専門家」じゃなかった。

・2回目のチャンス:大規模な新機能の初期段階、仮説検証リサーチ
 →とにかくオープンにした。(Slackに書いた)
 →小さく速く仮設をアップデートする
 →次に社外に仮説
 →すぐに「いい感じ」のプロトタイプができた。
 →メンバーからも高評価

・組織のリサーチカルチャー
 →リサーチを進めるうちに組織の状況が見えてきた
 →みんなが抱く「ユーザー像」がバラバラ。
 →ユーザーのことを知っている人、実は少ないかも説

・3回目のリサーチ
 ・組織の状況に対しても貢献できるかも
 ・全メンバーを対象以外にもオープン&巻き込み
 ・事業部全メンバー(100人)のSlackチャンネルに進捗スレを立てた
 ・ユーザーの接点を増やす(量)×ユーザー理解を深める(質)
 ・Figjamを使って分析ワークショップ
 ・「ユーザー探検隊」の名前に命名した。
  →ユーザーに対する誤解が解けてきた。
 ・とりあえず@ueponに聞いてみるか
 
・まとめ
 ・オープンにしたことで「リサーチしたから良いものができたんだよね」と言ってもらえた。
 ・「ユーザーのことを知りたい」と第一想起してもらえるようになった。
 ・サービス・事業部横断で進めていきたい。

■Lightning Talk #1 by 株式会社ふくおかフィナンシャルグループ 川島 歩美 氏
「地銀がリサーチを本格的に実施するためのちいさな挑戦」 

1.地銀の新サービスの仮説検証の取り組み
 ・法人ポータルのお話
 ・はじめて顧客検証チーム誕生(営業歴8年以上)
 ・2週間1サイクルで実施
  ①10社~20社訪問
  ②フィードバック
  ③機能・UI改善
 ・現在200先の経営者・行員にインタビューを実施
 ・業種・エリアも様々
 ・見えてきた課題
  →妄想か事実か→「頂上決戦」というミーティングを行っている。
  →ちょっと嬉しい副産物
    ・行員「うちってこんなことやってるんですね!」
    ・顧客「銀行こんなこと考えてるんだね!」

2.今後広げていくために
  →仕組化・定性のアーカイブ
 
 始まって1年、挑戦は始まったばかり・・・

■Lightning Talk #2 by 株式会社ゆめみ 小林 明花 氏
「Research by Designerというデザインリサーチ」

・クライアントと共創する「BnB2C」モデル
・デザイン・イネーブルメント(わかる・できる・当たり前になる)
・ゆめみの顧客は何を求めているのか、どんなペインがあるのか調べよう!
 →半構造化インタビュー
   ①インタビュー設問設計
   ②リクルーティング
   ③実施・分析
   ④レポーティング
 →結果:自分の課題意識に共感して動いてくれる仲間が少ない
 →ゆめみが取り組みこと:目指すべきは、相談者の「1人目の味方」になること
 
・Research by Designer
 
・これから
 →プロジェクトの振り返りをそのまま活かす
  ・プロジェクトの振り返り
  ・インタビュー
  ・データベース化

■Lightning Talk #3 by 株式会社imago 冨田 里奈 氏
「経営層と現場のすれ違いから考えるこれからのUX改善」

・iMago
・iQ Labo
・ユーザー目線でどれだけ課題点を指摘しても、改善までつながらなかった。
・ユーザーファーストなサービスを
 →新規開発フェーズでは予算が付きやすいが運用フェーズでの改修は予算がつきづらい
 →UX改善は明確な指標がなく、主観になりがちである。投資効果などの数字上での議論が難しいため、やらないといけないのはわかるが、なかなか踏み切れない。
・わかったこと①経営指標を用いて数字で語る必要がある
・改善の効果測定を行い、KPIの貢献度を評価する
・じぶんたちのサービスから他部署が担当しているサービスと接続するフローで断絶が起こっているため、一貫したUXにするために連携して改善した。
・UXを改善したいと言われても自分たちの部署では精一杯いいものを作っているんだ。
・事業部間での協力が上手くいかない
 →ユーザーにとっては事業部なんて関係なく、「一つのサービス」としか認識してない
・わかったこと②サービスの全UXを統合的に可視化して各事業部の橋渡しをする必要がある
・事業部間のフローを可視化し、俯瞰的なUIの地図を作成

19:50 ~ 21:00 part2
■株式会社ヤマップ 土岐 拓未 氏
「なぜ登山アプリを作っていたら「なぜ山に登るのか?という問いに答えることになったのか?」」

・プロダクトマネージャー
・なぜ、山に登るのか? 
 →そこに、山があるからだ。(ジョージ・マロリー)
 →現在では誤訳とされている
 →答えは様々
 →YAMAPのユーザーリサーチ→この問いに現代においてどう答えるか?
・YAMAPアプリ→GPSで探知。通算390万ダウンロード。国内最大の登山コミュニティ
・YAMAPのパーパス→地球とつながるよろこび。
・YAMAPの歴史と、「ユーザー」の捉え方の変遷
 →いかに登山中の課題を解決するか? 
 →登山のジャニー全体をいかに解決するか
 →ユーザーの登山頻度を上げること=YAMAPのビジネスの成功に繋がる
・コロナ禍
 →人は自分の意志で「自由に山に登る」ことができる。ができなくなる。
・見えてきたこと 
 →それぞれの「日常」において登山という行為がどういう意味を持つか?
 →バリュージャーニー型のサービス提供へ
  Well-Being Life Journey
・これを実現するために「顧客起点の経営」を導入
・WHOに対してWHATを提供するか
・ユーザーヒアリング、N1インタビューの実施
 →顧客と一体化になりやすい
・登山に感じる「便益」は人によって異なる
・登山頻度は、その人の「生活」に大きく左右される
 →生活の制約があって登山がある。
・一方で「皆感じ方が違う」は正しいが、そこで終わらせてはビジネスにならない
・ユーザー像全体をどう捉えるか?
・顧客起点の経営でユーザー像の捉え方
 ・複数の「WhoとWhat」がある
 ・これらの顧客戦略に対して施策を実行する
 ・登山頻度を上げることが目的ではなく、それぞれの便益をどう提供するか考える。
・なぜ山に登るのか。
 →多様性がある=様々な「登山」に登る理由が存在する
 →多様性を認めた上で、「8割くらい」のユーザーに向けた複数の顧客戦略を実行する
・ビジネスを前進させ、パーパスの実現=地球とつながるよろこびへと繋がる行動支援を行う

・余談:個人的に考えていること
 ・「なぜ、山に登るのか」という問いはなぜ難しいか?
 ・登山=仮の目的を設定した上で、そのプロセスを楽しむ行為

・茶道に似ている。 岡倉天心「茶の本」
・仮説
 →このような「仮の目的を置いたうえでそのプロセスを楽しむ(偉大を考える)」という行為を指し示す言葉をまだ人類は獲得していないのでは?
 →サウナ=ととのう
 →登山=?

■TOTO株式会社 大塚 航生 氏
「公共空間におけるウォシュレット用リモコン開発秘話」

・東京出身。2020年からデザイン戦略へ従事
・TOTOデザイン本部紹介
 https://jp.toto.com/pages/design/
・静かなる存在感
・3つの視点
 ・人にやさしいデザイン
 ・居心地のよいデザイン
 ・誠実な美しさを持ったデザイン
・TOTOのユニバーサルデザイン
・前提
 ①購入~使用まで、さまざまなお客様が関わる
 ②使用者が多様である
 ③多くの器具が組み合わされて空間が構成される
 ④トイレ空間への意匠的なニーズが高まっている

・購入~使用まで、さまざまなお客様が関わる
 →施主・施工者・管理員・使用者
・使用者が多様である
 →ユニバーサル・だれでもつかいやすく
・多くの器具が組み合わされて空間が構成される
・トイレ空間への意匠的なニーズが高まっている
・従来のウォシュレットでは両立できなかった「施工しやすさと管理しやすさ」
 →電池式vs壁埋め込み式
・従来のウォシュレットリモコンでは両立できなかった「意匠性とユニバーサルデザイン」
・施行のしやすさ・管理のしやすさ 両立させるテクノロジーとしての「発電」
 ・一つの発電ユニットに9つのスイッチを配置
 ・リモコンサイズをJIS規格等に納めるコンパクト設計
 ・押す力と押し込み量を世の中のスイッチをもとに設計
・「押す力」と「押し込み量」の検討
 →空間に置いたときに全然キレイじゃない
・理想的なリモコン:ユニバーサルデザインと意匠性の両立
 →発電機構を搭載したうえでユニバーサルデザイン・意匠性を両立させるためのデザイン
・課題
 ・空間視点でのデザイン
 ・必要な効果を最小限の要素で実現するユニバーサルデザイン
 ・発電スイッチの違和感を軽減する
・ユニバーサルデザイン検証
 →TOTOテクニカルセンター:建築関係の専門家のお客様とコラボレーションする施設
・リモコンの形 公共トイレの操作系JIS
・リモコンのスイッチサイズ
 →最大化したスイッチ
 →水平垂直の分割線
 →押す部分を滑らかに隆起させた形状(ピアノ型)
・リモコンのスイッチ形状
 →視覚障害のお客様の操作特性に配慮したディテール
・リモコンのCMF(カラーマテリアルフィニッシュ)
 →優先順位を明確化・清潔感と堅牢感を表現
・リモコンの表示部
 →様々な表現、たっぷりとした余白
(文字サイズ・英語表記・点字・ピクトグラム)
・採用事例
 →ユニバーサルデザインを強く求められる高齢者施設
 →意匠性を強く求められる商業施設
・市場評価:アンケートより
 →発電について
 →デザインについて

■株式会社Retail AI X 難波 佳代子 氏
「一人目リサーチャーの実践と探求」

・靴の販売員からデジハリを経由して現職へ。
・会社紹介:TRIAL
 →流通小売事業・リテールAI事業
 →2018年11月設立、168名+海外法人、関連会社
・Retail AIが目指す新しいお買い物体験
・現状の課題
 →受託の文化
・課題解決のために自分ができること
 →量と質の分析で課題解決の幅を広げ、文化を変えたい
・受託文化を変えるための
 ・ストアコンパリゾン(自社と競合を比較調査する)
  →指示通りの行動が主流で、主体的に観察する行動は少なかった
  →観察するプロセスを学び、自分で判断し行動するための観察の目を持つことができた
 ・N1インタビュー
  →まずはやってみよう。トークフローを作成した。
  →インタビューのノウハウがなく、定量情報による顧客理解が中心だった
  →定性情報を時系列で立体的に理解することで、顧客理解の精度を高めることができた
 ・実店舗でのユーザーテスト 
  →予約から店舗受け取りまでのフロー説明
  →プロトタイプ操作(Figmaのワイヤー)
  →推測で仮説設定していたため、問題発見が遅れ、後戻りが多かった
  →ワイヤーによる早期テストにより、問題を素早く発見し、後戻りリスクを低減することができた

・まとめ
 →ユーザーが近いので調査しやすい
 →試合の流れを変えるように、お買い物体験をより良いものに
  (バレーボールのリベロに似ている。守備に徹して状況判断)
・今後について
 →10名未満での実施のため、全社員に広げるため、
  インタビュー方法をドキュメント化している。

21:00 ~ 21:45 クロージング&懇親会
・クロージング
 
TOTOさんのお話とか面白くはあったのだが、
ユニバーサルデザインのお話が中心だったので、
あくまでもリサーチカンファレンスということを忘れずに、
リサーチのお話を主体にして欲しかった。

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