第4回新横浜ユーザビリティ研究会

日時:2011年02月08日(火)16:00~
 場所:横浜デジタルアーツ専門学校 701教室
    http://yda.iwasaki.ac.jp/school/access.html

■概要
 ・HCD(人間中心設計)を踏まえた実践例について、
ユーザビリティ評価事務所のインターソフトさんがメインで担当。

 ・参加メンバー:京セラ、Panasonic、産業技術大学院大学履修プログラム参加者
         NHN Japan、etc
        
         総勢:23名

■タイムスケジュール
・16:00-16:30 「フィールドにおける利用状況調査」尾上晏義氏
・16:30-17:00 「開発初期段階におけるUI印象評価」人見幸香氏
・17:00-17:30 「インタラクションを持った製品における人間の経験を踏まえたユーザーモデル体系作成の取り組み」五十嵐友子
・18:00- 懇親会 串ダイニング桜山

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■所感
 ・インターソフトさんはオフィス機器やシステム系の調査が多いようで、
  Web業界の調査とはだいぶ違った感じです、
 
  ちょうどこの時期に大学の授業でSD法の宿題をしていたので、
  いい振りかえりになりました。

 ・五十嵐さんが議題として出した「ユーザーテストにおいて、タスクを完了できる人とできない人がいる」
  という問いは興味深いものがあったが、ユーアイズデザインの三澤さん曰く、
  「あたしはそんなことない!」と酔っぱらって言っていたので、
  リクルーティングの方法や、プロセスによっても影響があるのかもしれません。

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■「フィールドにおける利用状況調査」尾上晏義氏

 ▼HCDの取り組み方
 1.事実 information
 2.分析 Knowledge
 3.開発 Intelligence

 ▼フィールドワークによる利用状況調査
 ・ISO 9241-11 の枠組みに沿っている。

 ▼インターソフトでのISO 9241の利用改定
※インターソフトではISO 9241-11 を改定して利用している。

  1.利用者特性の記述。
 ・想定ユーザ

  2.仕事とに関係する現状値
   ・タスク、発生頻度

3.組織的環境
  ・勤務時間、運用構造

4.技術的環境
  ・ハードウェア、ソフトウェア

5.物理的環境
  ・レイアウト、安全上の配慮

 ▼事例

 (1)オフィス機器の利用状況調査のケース
   ・対象:プリンター・コピー等
   ・オフィス3ヵ所×2名ずつ×2名で12名、1週間張り付き、241サンプルを記録。

  □調査方法
   ・フィールド調査
       原稿の種類、枚数など
       どんな機能を使ったか・・
   ・アスキング調査(質問用紙)
   ・ファイリング

      ※企業内のため、機密保持への配慮が大変。 
   ※レイアウトなどは事前に書いておく。

   □調査結果
    ・多くの機能を使っていない。
   ・ほとんどのユーザーが特に設定などをしないで、
  スタートボタンを押すだけ。
     ↓
   スタート画面のUI設計重要!

   ・ホチキス機能も使われてない・・・


   □調査の効果・課題点
    ・UIの概念モデル検討に貢献

 (2)印刷システムの利用状況調査のケース
   ・対象:編集機・印刷機
     ・3名×3名 日中つきっきり

   □調査方法
    ・ヒアリング
     ・代表的な利用方法について、作業と利用機器のマトリクスを作成した。

    □調査結果
・調査結果をワークフロー図で作成した。


 (3)家庭用医療機器の利用状況調査
   ・対象:家庭用医療機器
   ・ユーザの活動時間全体の中で捉えた(朝から夜まで)
  ・6名のユーザーで、2週間実施
   ・電話で説明し、カメラ、記録シート、マニュアルを郵送。セルフレポーティングをしてもらう。
  (デジカメだと操作がむずかしい・・・)

   □調査方法
    ・セルフレポーティング
    ・ヒアリング
    ・分析、まとめ

   □結果
    ・実際の利用状況に即した改善検討ができた。

 ▼ISOに関するメモ
   ISO9241-11:オフィス用品向け
   ISO20282-1:日用品が対象(インターソフトでも翻訳中)

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■「開発初期段階におけるUI印象評価」人見幸香氏
  ・多摩美情報デザイン学科 出身

 ▼SD法
  ・携帯電話のUIの印象評価としてSD法による定量的調査を実施
  ・「見て」「触って」の部分を評価するのがSD法

▼対象ユーザの決定
・対象ユーザ
・人数 30名

▼対象製品
・3~5種

▼SD法
 ・形容詞対を訳30項目決定する。
(操作性、デザイン)

▼アンケート調査の実施。
 ・1部屋で4機種のローテーションを実施。
・ひとつの製品を評価してもらうのに約20分
(×対象機種分)

 ※SD法の形容詞対の選択には、経験が必要なおかつSD法のキモになる部分でもあるので、
  インターソフトさんでも過去の形容詞対から蓄積したデータと経験によって、
  作成する。

 ※SD法について参考資料
  ・SD法を用いた本文用欧文書体の印象分析.pdf
  ・日本におけるSD法による研究分野とその形容詞対尺度構成の概観.pdf
  ・感性品質の調査に用いる評価用語選定の指針.pdf
  ・視線を用いたWebデザインの評価.pdf

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■「インタラクションを持った製品における人間の経験を踏まえたユーザーモデル体系作成の取り組み」五十嵐友子

▼問題提起
 ・これまでユーザテストを実施して思うこと・・・・
 
   ※製品の対象ユーザーでリクルートしても、
 課題達成できる人と出来ない人がいる!!

 ▼事例 音楽ソフトウェアでの「再生」
・再生方法にもいくつかある・・・・
・操作方法に先行経験が影響しているのかも・・・
・達成率が低い群 → 自己流でPCを使う人たち
・達成率が高い群→ PCスキルが高いひとたち。
            ↓
         調査してみました。

 ▼調査
・失敗の事例からアンケートを作成した。
  ①日ごろ価値を感じる操作を集める
  ②ユーザーの困りごとをあつめる。
  ③ユーザテストのインタビュー結果をあつめる。

 ・40項目のアンケートを7点法で作成。(93人)
 ・アンケートの結果を因子分析し、6個に縮減
 ・それをデザインに活用。

 ▼結果
   ・UIデザインへの応用
   ・製品開発におけるユーザー調査への応用

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