■第2部 社会人のためのワークショップ
インフォグラフィックスは自分で考え行動させるための”キッカケ”デザイン
木村博之(チューブグラフィックス代表)
▼インフォグラフィックス作成の手順
土台
1. Message 伝えたいメッセージを決める。
2. Data データを収集し信頼性を確認
大黒柱
3. Concept デザインコンセプトを考える
4. Clear 伝えたいメッセージを改めて明確にする。
5. Attractive 相手の目と心を引きつける表現
6. Simple 必要な情報だけに絞る
7. Flow 目の流れに沿うレイアウトにする。
8. Wordless 言葉がなくても理解出来るようにする。
▼ニュースグラフィックス
SNSが主催したインフォグラフィックスワークショップ
@香港 2003.3
対象:アジアの新聞社デザイナー
テーマ:香港をアピールする。
@重慶 2009.3
対象:中国の新聞社デザイナー
テーマ:重慶をアピールする。
▼ワークショップ形式の授業
@千葉大学 工学部
コミュニケーションデザイン/2年生
@東洋大学 ライフデザイン学部
情報メディアデザイン / 3年生
▼コミニュケーションデザイン研究会
基本、年1回秋に開催。2008年?
▼企業でのワークショップ
グループによるダイアローグ
▼ワークショップに参加すれば、かならずスキルが身に付く?
→インフォグラフィックスは「自分で」考え行動させるための
”キッカケ”デザイン。
組織におけるワークショップの目的とその運営のためのポイント
小路晃嗣(デザインマネージャー)
▼異花受粉
色んな花粉が交わることで、新しいものが生まれる。
※企業の中でワークショップを実践するには、「継続」することが大事。
▼Why!
企業とは投資し、利益を出し、税金を納めることで継続した活動する組織
イノベーションのジレンマ
→合理的な判断の積み重ねが巨大企業を滅ぼす
▼When!
産業構造の変化と機会
技術革新により消耗品が耐久消費材へと置き換わる時
例:電球→蛍光灯→LED灯
技術革新により低効率なマシンが高効率なマシンへと換わる時代
例:自動車の燃費向上→ガソリンスタンドの減少
医療・健康領域における予防の定着
例:虫歯予防習慣の定着→は医者の減少・収益減
メーカーにとってはモノが売れない時代
新しい時代構造へ移行する中で、企業の新しい価値創造を、
どう取り組んでいけばよいのか?
▼How!
儲けることを前面に出す
↓
責任と範囲が明確になる
↓
継続できる
継続できる
↓
収支バランスを図る
↓
社会に貢献する。
★ワークショップは企業における風土、
意識改革のための場つくり、ツールである。
▼情報デザインの教室
情報デザインの教室の1-5に、組織と戦略について記載がある。
▼情報デザインのプロセスの役割
・本質的な目標の設定と共有化が可能になる
・市場要求に沿った明確な仮説、検証サイクルを設定することができる。
→暗黙知と形式知の相互互換であり、
創造とイノベーションの駆動力となりえる。
「組織を成長へと導き、未来へつなぐための戦略を
構成する目的と手段の構築のために
情報デザインのプロセスを有効に活用すべき」
↓
情報デザインのプロセスを学ぶ
↓
ワークショップ
▼誰もが経験あるでしょう。
社内や学校での会議で、
余り深く知らない人たちが集まって議論すると、
何となく、お互いを傷つけないように玉虫色の結論を導いたり
全員のコメントを一通り取り入れたりしてしまう。
コミュニケーションのテクニックとして、
そのような対応は当然にあり得ます。
ですが、そのような状況に、
自らは安易に妥協することなく、
クリアにしなければならない点はキチンと突き詰める、
あるいは、後で自らの思考を深め
自らのものは書き換えてしまう、
そのような姿勢が、
思考を深めるという観点では大切なのです。
自分が持っている情報・知見・ノウハウを積極的に
他人にわかりやすく伝え、
相手の役に立つ、
技術や知見は使われるコトに価値があるという意識を持って、
日常的に行動できるようにする。
観察から価値の本質を見極め、
多様な視点を交わらせるコトで新たな着想や発想に繋げたり、
目標を共有できるようになる。
▼ビジネスのためのデザイン思考
「知識創造プロセスの具体化」
「組織内で研究者が技術の内容を共有化する場」
「たとえば街を観察し、グループでアイデアを出しながら、
カタチにする(プロトタイピング)などの手法を研修(ワークショップ)で学ぶことで、
他領域の研究者と対話をしはじめ、これを通じて社内の知識資産の融合が進んで行く。」
▼What to do
企業では、何のためのワークショップなのか
IO(費用対効果)を問われる!
属人的な部分と合理的な部分の切り分けが必要
・合理的な部分
できる限りマニュアル化して誰でもできるようにする。
毎回のレビューで改善をしていく。
・属人的な部分
メソッド、ガイダンスとして余白を残す。
受講者の能力の引き出し方は人間力によるOJTに頼る。
信頼と期待を醸成し、継続できる環境とシンパを増やす。
▼運営マニュアル
1. 運営フロー
1-1. 流れと担当部門
2. ワークショップ概要
2-1. ワークショップについて
2-2. ワークショップのコースとカリキュラム
2-3. ワークショップ内容とスケジュール
2-4. 発表会
2-5. ワークショップ開催年間スケジュール案
2-6. スタッフ役割
3. 受講者の募集と決定
3-1. 受講者枠
3-2. 募集範囲とポイント
3-3. 募集の流れ
4. ワークショップ運営
4-1. テキスト・資料
4-2. 準備
4-3. 備品・ラピッドプロトタイピング作品管理
4-4. ワークショップ中のスタッフ役割
4-5. 会場
4-6. 欠席者フロー
4-7. Aコース運用
4-8. Bコース運用
5. 効果測定と運営見直し
5-1. レビュー
5-2. 総括および報告
5-3. アンケート
5-4. レビューシート
5-5. Review & Questionnaire
▼レビューすること
→日常に活かすこと→継続すること。
★企業におけるワークショップは、
イノベーションマインドのためのツールである。
UX TOKYOとワークショップ– サード・プレイスとしての機能と役割
脇阪善則(楽天編成部)
企業にHCDを根付かせるワークショップとその開発
浅野 智(横浜デジタルアーツ専門学校)
▼HCDにおけるUBからUXへ。
・UB→UX
・2011年にISOが改編された。
・スマートフォンの時代へ。
→アジアやアフリカでは、PCの時代を飛び越えてスマートフォンの時代に突入!
(マサイ族の70%がスマートフォンを持っている)
→モバイルファースト
「なんでもできる」から「やりたいことをすぐにできる」へ。
※スマートフォンから入った人は、何かを検索したりすることがへたくそ。
ユーザーの文脈に合わないアプリケーションは使われない。
・海外では。
韓国では家電やサービスのスマート・ホーム化が進んでいる。
→韓国のバーチャルスーパー
▼ワークショップ事例
企業での事例
典型的な企業ワークショップのパターンを紹介(全7回)
1回目で、HCDの概論、
2回目で、全体を俯瞰出来るようなワークショップを行う(おままごと的)
→ミドルスタートで行う、野球をする時に、いきなりランニングから始めるではなく、
ゲームなどの楽しい部分を体験してから、細かい箇所を行って行く。
3回目、4回目 ユーザー評価(NE比)
※最初からペルソナをやると、ペルソナがキライになる。
ユーザー評価は結果が出やすい。
5回目 ユーザー調査
半構造化インタビュー
6回目 構造化シナリオ法
アクティビティシナリオとインタラクションシナリオの違いを学ぶ、
ユーザーの経験(アクティビティ)から考える。
7回目 ペーパープロトタイピング
ストーリーボードからウォークスルー
▼ワークショップの開発
ぶっつけ本番でワークショップを行っているわけではない。
1. ゼミのプロジェクトから
大量の調査、分析からフィードバックする。
2. 大学院大学の授業から
3. 論文発表したものを行う(或は逆も)
※ワークショップよりも長いスパンの講座から、
エッセンスを抽出して作っていく。
▼まとめ
・ワークショップを行った企業が全てHCDプロセスに取り組むようになった訳ではない。
・社内に強力な推進者がいると定着する。
・トップダウンで実施しると定着しないことが多い。
・参加した学生は皆ブレイクスルーした。
パネルディスカッション
懇親会
懇親会は諸事情により、
いつものメンバーにて。
参考リンク
▼登壇者のブログ
・情報デザインフォーラム
・安藤研究室ノート
・情報デザイン研究室
・Dig:dramatic info-graphics
▼参加者のブログ
・chachakiさんのブログ
・mocha_cocoaさんのブログ
・やまのさかだち。
・Route-01
・d.line
・専修大学 上平研究室/上平プロジェクト
・超芳醇の日記
▼Togetterまとめ:http://togetter.com/li/298015
http://togetter.com/li/298244
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