産業技術大学院大学で社会人向けに行われている、
履修証明プログラム「人間中心デザイン」で、
KA法と呼ばれるユーザー調査技法のワークショップを2日間に渡って実施してきました
僕自身も2010年度の履修証明プログラムの卒業生なのですが、
今回は教える側に立たせていただくという貴重な機会をいただきました。
(教えられる側といってもいいですね)
履修証明プログラム人間中心デザインは社会人向けのため、
水曜日と金曜日の18時30-21時40分、
土曜日の10時30分-18時まで(1コマ90分、休憩10分)
で行われています、
僕の担当したコマは4コマで、
時間としては6時間になります、
ちょうど昨年に横浜デジタルアーツ専門学校で行ったワークショップと同じぐらいの時間でしたが、こちらはユーザー調査技法に特化している授業でしたので、
アイデア発想などは行わずに、純粋にKA法だけを実施してきました。
■準備
講義の1時間前ぐらいに講師控え室に当プログラムの責任者の安藤先生と待ち合わせをして、
6階の教室へ移動。
(安藤先生は千葉工業大学の在籍なのですが、前任であった産技大の当プログラムの責任者だったので、ひきつづき、今もプログラムを委任されて担当されています。)
参加者が42名でしたので、
6名×7チームと適当にチームわけを行いました、
(名簿でランダムで割り当てたら、女子のいないチームができてしまいました、すみません)
■講義
簡単に自己紹介とKA法の考え方について40分ほど講義をしたあとに、
KA法のワークショップを実施します。
※皆さん仕事が忙しいので、なかなか人数がそろわないチームがいて、
ドキドキしました。
さすがに1チーム2人とかだとワークショップがなりたたないので・・・
■ワークショップ
まずチーム内で自分にニックネームをつけてもらい、
自己紹介をしてもらいました。
クラスですので、
それなりに関係値は形成されているはずなのですが、
初めて一緒にワークショップを行うこと人もいるので、
肩書きをはずしてフラットな状態になってもらうために、
必ず行ってもらっています。
それにしても人数が多いw
そのあと、宿題として行ってきたもらった、
フォトエッセイをチーム内で紹介してもらいます。
※反省点なのですが、社会人は時間配分にルーズなような気がします、
話上手ということもあるのですが、持ち時間は1人3分っていう設定なのに、
10分ぐらいしゃべられると、後の人の時間が・・・
今後はもっと厳密にタイマーなどで計るか、
チーム内で進行役を設けるなどの必要があると思います。
フォトエッセイの発表が終わったら、
各自で自分の行動をKAカードに書いていってもらいます。
その後、
カードをシャッフルして、
そのカードに書かれたユーザーの行動を分析、考察して、
「ユーザーの心の声」と「価値」を記載していきます。
この価値を書くということが、
慣れないとなかなか難しいんです。
また、人によって考察の結果が違うので、
答えをひとつに合意するすり合わせをしないといけないわけです。
ここらへんが人間中心デザインをワークショップで行うことのポイントでしょうか、
別にKA法でなくてもいいので、
ユーザーの行動、背景、気持ちを多様なチーム(デザイナー、エンジニア、ステークホルダー)で、考察して仮説検証することが大事なんだと思います。
ワークショップで行う場合はいいんですが、
実際の現場で、自社の上司やクライアントと一緒に行う場合など、
「声の大きい人」の意見に左右されていかないかという懸念はあるのですが、
自分もやったことないのでなんともいえませんw
でも今後はそういったワークショップ形式での合意形成や、
ファシリテーションがWebディレクターに求められてくるんじゃないかと思います。
(相当ハードルは高いですが)
そんなこんなで、
KAカードが出来上がったので、
今日の授業は終了です。
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