■2017年06月22日(木)UX dub「UX/UIの現場、最前線」
渋谷で行われた、UX dubというセミナーに参加してきました、
dubってのはジャズのジャンルのひとつだそうです。
BGMにジャズが流れてたんですが、それは余計だったと思いますねー。
▼19:10~19:25
株式会社オハコ 菊地涼太さん
「サービス開発・実装まで担当できるUIデザインカンパニーが大切しているポイント
・STUDIOというプロトタイピングツールを開発している。
・UIデザイン
・インターフェース
・しかしUIデザイナーのジレンマがある。
・サービスが検証できるようになるまで。
1.誰にどんな価値をどのように届けるのかを決め、検証する
2.「具体的にどんな仕組みを実現するか」を整理し、UIをデザインする
3.プロダクトとしてUIを実装する
4.MVPを検証する
・サービススタートアップ段階での役割ウェイトの推移
→三者とも常に動き続けるが、ウェイトのバトンタッチはおこる。
・コミュニケーションマネジメント
1.共通言語の醸成
2.各職位の基本理解
上記の2点への理解がないと、進行が予定通り進んでもさえないものが
具現化される。
・オハコが防ぐために何をしているのか
1.体験コンセプトは常にPMが発信
2.最初にPJ内での我々のミッションを明確にする。
3.プロダクトの大まかなロードマップは全員インプット
4.1週間に1回、プロジェクトの振り返り(KPT)
5.バトンタッチの時に、今一度方針は明確に伝達
▼「何かあったら聞いてね」では解決不可
聞くべきかどうか、伝えるべきかどうかが分からなければ、
お互いにコミュニケーションは生まれない。
↓
使命があり、コミュニケーションの土台があり、
建設的な場があってこそ、コミュニケーションが図れる風土は醸成される。
・UIデザイナーが気をつけるべきこと
1.コンポーネントは整理し、今後のサービス改善をスピーディーに
「エンジニアでも細かなUI変更ができる」を目標に、
Readmeのドキュメントを随時整理
2.UI設計時には縁にジアにも、工数的な視点からも意見を仰ぐ
ユーザー視点での価値インパクトと工数の重さの2軸で見積もり、
優先度をしっかり決めよう。
3.常にしっかり理詰めでUIデザイン。
感覚的なデザインは、要素を分解して検証することができない
(なぜなら設計意図が不明だから)
意味のない「細部へのこだわり」に神は宿らない
「細部に神が宿るのは」良い体験があってこそで、
その良い体験を伝達するための細部までのこだわりこそ重要
▼まとめ
・良いプロダクトを生み出すために、PMはコミュニケーションマネジメントを。
・メンバーが「誰に」「どんな価値を」「どのように」について答えられなかったら
プロジェクトは進行するがプロダクトはグロースしない。
・UIデザイナーはUIを理詰めする、エンジニアに設計段階から相談する
・エンジニアはサービス企画段階からしっかりと関心を持って入ってもらう
・1週間に1回、必ずPJ振り返りをして、見積のアップデートとPJを改善する
▼おまけ ー それぞれの領域がここまで知れていればPJはうまく進めでしょう編
・PM) UIデザイン・実装についての基本知識
・De/E) プロダクトの体験コンセプト/対象ユーザーへの理解
・De) 実装への基本理解(UI Kitとか知ってて当たり前)
・E) 人間中心設計の初歩的理解(ユーザビリティは担保して当たり前)
すべてはなかなか難しいですけどね・・・
▼19:25~19:40
株式会社ARCHECO 熊澤宏起さん
「UXチームは独立部隊であれ」
▼職人文化とソフトウェア文化
・職人文化(ハードウェア)
→「神は細部に宿る」
・ソフトウェア
→神は細部に宿っていなくてもスピードを求められる
多少のバグがあってもOK。
▼以上の2つの時間軸から分かること
特に日本のメーカーの様な組織においてグローバルプレイヤーと戦うためには、
ソフトウェア開発においては職人文化的スピード感と違う時間軸で
Webアプリのサービスを提供する必要があり、
UXデザインは独立した時間軸で動くことが求められる
▼お客様は神様文化と利益追求型のギャップ
・「お客様は神様」
例:お客様第一視点で1ヶ月で400万ユーザーを獲得した事例
→1000円分のギフトカードを配る
→400万ユーザ獲得
→コストが40億
※皮肉なことに顧客満足度は100%であったらしい。
▼成功への秘訣は、企業とユーザの架け橋になる存在
成功へ導くためにはいっぽうの視点に偏らないバランス感覚を維持できる
意思決定機関を設ける必要がある。
※プロダクトマネージャーが企業側とユーザ側の視点をバランス良く持ち、
判断(意思決定)をする必要があり、この両視点が事業の成功のカギである
・企業やユーザを一度に見続けることは困難
→UXデザイナーが必要
UXデザイナーがユーザ側に立つためには、
企業側に必要以上に肩入れしない。ユーザの声の翻訳作業において、
UXデザイナーの基礎能力であるユーザ理解のスキルが最適である。
よって企業から独立した視点で物事を考えられるチームを作るのが最適。
▼結論
UXチームは独立した部隊であることが求めれる
そしてプロダクトマネージャーと共創するモノづくりの座組が今後求められる。
▼19:40~19:55
株式会社スタンダード 鈴木健一さん
「受託会社はスタートアップのベストパートナーたりえるか?」
▼クライアントのパートナーという関係でのデザインに関わることが増えています。
1.Webそのものが事業としての役割を果たすケースが増えてきている。
2.作りきりではなく、社会に価値提供し続けるように成長させていくことが
求められている。
3.Webを事業として利用する企業は爆発的に増えているが
デザイン人材が不足している。
▼User ユーザー視点
→手段の1つではあるが疑問
・事業そのものがデザイン対象と捉えると、
コアな能力を外部に依存していては成長が加速しない。
・アウトソーシング費用が高額となるため、
その他の重要な施策への投資機会を失う。
・複数案件を掛け持っているデザイン会社だと必然的にコミット量が減る。
・心から事業ミッションに共感しているならもはや転職してくれるのでは?
BUT もちろん良い面も
・受託の会社なので様々な顧客のプロジェクトに関わっているからこその
幅広い知見を得られる
・優秀なメンバーが揃っていることによる安心感が得れれる
・内部では言えないニュートラルな視点や意見を取り入れられる。
▼何がわかれば判断できるのか?
1.自分たちの組織におけるデザイナーのあるべき姿や期待すべき役割は
どんなものなのか?
2.その役割は組織の知的資産(学びの蓄積)につながるか
3.その役割ができる人の採用が簡単か?
※Takramuの募集要項→そんな人いるか
▼2.DESIGNER
デザイン会社で働き続けることがベストなのか
・Melit
・色々なスタートアップと出会えて経験できる機会がある。
・組織が成長していくにつれて変わっていく課題を
一緒に考えていくような走り方ができる。
・長く関係性を続けていく中で、その会社の新しいサービス立ち上げの
機会につながったりもする
・But
・複数の案件を掛け持たなければいけないような場合、
ひとつひとつのスタートアップと向き合う時間は必然的に削られてしまう。
・本当に共感できるような事業と出会えたのであれば、
むしろその会社の中に入ってしまった方が深くコミットしていけるし
挑戦もしていける。
・成長中のスタートアップに転職した方が、多分稼げる
▼何がわかれば判断できるのか
→自分がどうしたいのか?
・専門的なスキルを学び上達したい、だからこの会社にいるor行きたい
・医療の領域の課題を解決する仕組みをデザインしたい。
だからこの会社にいるor行きたい
・この人からもっと学びたい。だからこの会社にいるor行きたい
・将来、ビジネスとデザインと開発を横断できる人材になりたい。
だからこの会社にいるor行きたい
を自分で決めているか?
→人生は短い
▼19:55~20:10
株式会社ベイジ 荒砂智之さん
「どのようにパートナーをリードしてUIに落としていくか」
▼提案したデザインに納得してもらえない・・・
デザイン
→初回でデザインが通る確率 90%
デザイン提案時に加えて全体のプロセスにおいて
納得してもらいやすい関係性を築いておく必要がある。
▼どちらの顧客と仕事をしますか?
A. 明日にでも打ち合わせをしたい
できるだけ安く作りたい
要望の通りとりあえず形にして
B. スケジュールは要望次第で調整可能
安さよりも費用対効果を重視
ゼロベースで一緒に考えて欲しい
Aは怪しい
▼良好な関係性を築きやすい顧客を選んでいるか
受注する前段階の顧客剪定で注意していること
→我々の強みを理解して認めた上で対話を重ねてプロジェクトを
進行してくれるかどうか
計画性が無い、会話が成り立たない、制作会社を下に見ているクライアントから
プロジェクトを受注するとスムーズな進行が阻害される危険性がある
▼なぜそうして顧客選定ができるのか?
常日頃からの積極的な情報発信によって安定したお問い合わせがあるから
・コーポレートサイト
・各種ブログ
・SNS
▼顧客が安心できる進行を心がけているか
1.プロジェクト定義書の共有
2.WBSによるスケジューリング
3.メールは誰かが1時間以内に一時返信
4.MTG後、1営業日以内に議事録を共有
5. 行動指針と日報で何のためのルールかを認識
▼論理的なデザイン提案を行っているか
デザインの役割定義
↓
ターゲットの再確認
→ターゲットならどう感じるか?
↓
ブランドの明確化
↓
トレンドやセオリーの啓蒙
・デザイナー
・クライアント
↓
デザインの提案
1.提案内容はバリエーションで幅を持たせる
2.ビジュアル案の意味を説明する
3.必ず対面で説明する
▼専門家としてリダーシップを発揮しているか?
クライアントは我々に対して専門的知見に基づく意見を求めている
1.言われたままの要望になぞって提案しない
2.クライアントの認識が間違っていれば指摘する
3.専門家びいき(アンフェア)な説明をしない
▼20:10~20:25
株式会社アジケ 梅本周作さん
「UXデザインは儲かるのか?」
▼UXデザインは儲かるのか?「誰にとって」
・UXデザインを導入する企業にとって
・UXデザインをサービスとして提供する企業にとって
※結論
儲かると思っています。
▼UXデザインが、なぜ「儲かる」と思っているのか。
一般的な見積り例→https://liginc.co.jp/240197
▼ビジネスモデルを作る時のよくある予算の考え方
市場:1兆円
売上:1000億円
シェア1%を目指そう!「まずは年商10億円を目指す」
→「あれっ、数字の規模違う?」
→「もし、ビジネスモデルの企画から携わるUXデザイナーが
年商10億円のビジネスに携わる時、価値ってWEB制作と一緒で
いいんでしたっけ?」
このビジネスを成功させたいんです
→この領域からコミットできる人が「UXデザイナー」
難しいのは当たり前。事業は1勝9敗(らしいです)
▼UXデザイナーが持つスキル
我々はユーザーに触れてもらうものを作るスキルや、
調査するための方法を持っているのです。
▼スタッフは会社のユーザーでもある。
CEOとして
「儲けなければいけない」と思っています
スタッフに
「おもしろい仕事」「稼げる仕事」
▼まとめ
UXデザインを一時的なブームにするのではなく
ユーザーに価値を届けて、その価値を極大化させていく
そんな循環を作れる人材が増えることがUXデザインを
一過性のキーワードにしないことだと思います。
皆さん、一緒にプロダクトと市場をつくっていきましょう。
■感想
UX系のセミナーがだいぶ増えてきたのですが、
本当にUXなの?ってのが増えてきたのがちょっと気になりますね、
今回も一部、UXってよりはデザインやディレクションの話だろっ
ていうのがありました、それはそれでタメにはなるんですけどねー。
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