~使いやすい製品やサービスを開発するための10の手引き~ 顧客視点セルフチェックセミナー 2023年10月26日

~使いやすい製品やサービスを開発するための10の手引き~ 顧客視点セルフチェックセミナー UI
~使いやすい製品やサービスを開発するための10の手引き~ 顧客視点セルフチェックセミナー

ということで、
セミナーに申し込んだんですけど、
ヒューリスティック評価のお話だとは思いませんでした、
復習のために聞きました。

■U’eyes Design Inc.
創業30年
竹中薫さん 2005年から参画 人間中心設計専門家
三好祐紀さん 2016年に参画 人間中心設計スペシャリスト

なぜ「使えない」製品がうまれてしまうのか

思っているのと違う→使えない!!!
使えない=「ユーザビリティに問題がある」
ユーザービリティ=使えること
最も重要なことは「使えること」

ユーザービリティとは何か?

ユーザビリティ(Usability)
Use(使う)+able(~できる)+ity(こと)
    =「使えること」

ISO 9241-11:2018に基づく、JIS Z 8521:2020での、
ユーザビリティの定義

特定のユーザが、特定の利用状況において、
システム、製品又はサービスを利用する際に、
効果、効率及び満足を伴って特定の目標を達成する度合い。

ユーザービリティは「効果」「効率」「満足度」の3つからなる。

なぜ「ユーザビリティに問題ある」製品がうまれてしまうのか?
元々はOne to One→使う人にフィット

産業革命以降の大量生産・大量消費
高機能化・複雑化、効率重視、コスト競争、縦割りの組織

→作る人と使う人が遠い→作る人と使う人とのギャップ

「使える」商品づくりのためには

ユーザのもつ「経験則」を理解する
~10ヒューリスティックス~

顧客視点のセルフチェックを開発に取り入れる
~ユーザを必要としないユーザビリティ評価~

ニールセンのユーザービリティ10原則【10ヒューリスティックス】

1.システムの状態をフィードバックする
2.システムと実世界を一致させる
3.ユーザにコントロール感を提供する
4.一貫性と標準化
5.エラーを予防する
6.記憶させない、見てわかるようにする
7.習熟に合った柔軟性と効率性
8.美しく、最小限のデザイン
9.エラー時はユーザーが認識・診断・回復できるようにする
10.ヘルプとマニュアル

様々な製品・サービスが満たすべき「一般的なルール」

ヒューリスティックとは
 ヒューリスティック=経験則

製品・サービスを利用するとき、
無意識に過去に体験したことのある操作や使い方のイメージにあてはめて使っている

1.システムの状態をフィードバックする
 システムは、妥当な時間内に適切なフィードバックを提供して、今、何が起こっているのかを絶えずユーザーに知らせる必要がある。

2.システムと実世界を一致させる
 システムは、ユーザーの知っている言葉によって情報を伝える必要がある。専門用語ではなく、ユーザーに馴染みのあらる言葉や概念を使おう。
現実世界の慣習に沿って、自然で論理的な順序で情報を提示する。

3.ユーザにコントロール感を提供する
ユーザーは、誤ってアクションを実行してしまうことがよくある。
その際、望まないアクションをすぐにやめるための抜け道を用意する(キャンセル、取り消し”undo”、やり直し”Redo”)

4.一貫性と標準化
ユーザーに、異なる言葉や状況、アクションが同じことを意味するかどうかを疑問に思わせてはならない
プラットフォームと業界の慣例に従おう

6.記憶させない、見てわかるようにする
要素やアクション、選択しを表示して、ユーザーの記憶への負荷を最小限に抑える。
インタフェースのある部分の情報を別のところで思い出させるべきではない。システムを利用するために必要な情報(フィールドラベルやメニュー項目など)は、表示されているか、必要に応じてすぐに引き出せる必要がある。

8.美しく、最小限のデザイン
インタフェースに無関係な情報や、めったに必要のない情報をいれてはならない。
インタフェース内の余分な情報はすべて、関連する情報と競合することになり、関連する情報の相対的な可視性が低下するからだ。

7.習熟に合った柔軟性と効率性
初心者に見えないショートカットは、経験の浅いユーザーと経験抱負なユーザーの両方に対応できるデザインで、エキスパートユーザーの操作を高速化することができる。
頻繁に行うアクションをユーザーが自分の好みに合わせて調整できるようにする。

9.エラー時はユーザーが認識・診断・回復できるようにする
エラーメッセージは、(エラーコードではなく)わかりやすい言葉で表現され、問題を正確に示し、建設的に解決策を提案する必要がある。

5.エラーを予防する
エラーメッセージは適切であることが重要。しかし最も良いのは、細心の注意を払って、そもそも問題が発生しないようなデザインにすることである。
エラーが発生しやすい状況をなくすか、ユーザーがアクションを行う前に確認オプションを提示しよう。

10.ヘルプとマニュアル
システムは、追加の説明が必要ないのが一番だ。
とはいえ、ときにはユーザーがタスクを完了する方法を理解するのに役立つマニュアルの提供が必要なこともある。

顧客視点のセルフチェックを開発に取り入れる
~被験者を必要としないユーザビリティ評価~

▼ユーザビリティ評価とは?

ユーザビリティを評価するプロセス・活動のこと。
開発された製品やサービスが、
ユーザのユーザビリティに関する要求を満たしているかどうか評価する。

▼ユーザビリティ評価とは?

被験者あり
 ・ユーザビリティテスト
 ・ロギングツール
 ・心理学的実験

被験者なし
 ・ヒューリスティック評価
 ・認知的ウォークスルー
 ・エキスパートレビュー
 ・多元的ウォークスルー
 ・チェックリスト

▼評価方法の特徴
 実験的手法(被験者あり)
  客観的
  評価結果は事実
  時間・コストが大きい
  評価範囲が狭い
  評価対象物のプロトタイプ等が必要

 分析的手法(被験者なし)
  主観的
  評価結果は仮説的
  時間・コストが小さい
  評価範囲が広い
  設計の初期段階でも評価可能

開発タイミングや目的に合わせて、
組み合わせながら補完的に実施することが望ましい

ヒューリスティック評価
10ヒューリスティックスを根拠として、
評価対象の製品にある「ルール違反」を発見する方法

・十分に検討された原則を根拠とすることで、評価者の知見を補完するためユーザビリティ評価業務の経験が少ない評価者でもユーザビリティ専門家の視点に近づくことができる

・評価を繰り返し行うことで、ユーザビリティ原則が評価者の中に内化されていくことが期待できる

▼評価の質を高めるための条件
①ユーザビリティ専門家、ユーザビリティ評価経験の多い者、10ヒューリスティックスを熟知した者が評価する
②設計者本人ではない方が望ましい
③3名以上で行うこと

▼ヒューリスティック評価の進め方
 準備
 個別評価
 合議

▼【準備】評価目的の明確化

評価目的として検討すべき項目

 ・評価したい範囲や条件
 ・どのような行為を、どのような機能や操作でどう支援しようとしているのか?
 ・評価結果をどのように活用したいのか?

▼【準備】対象ユーザー像の設定

評価対象を使っている(使うであろう)メインユーザーを対象ユーザー像として設定する。
ユーザー像を設定する際は、評価にあたり考慮すべき特性を整理する。

▼【準備】評価タスクの設定

評価目的に沿って、確認したい操作・機能を評価タスクとして設定する。評価者間で評価の範囲や捉え方の認識をそろえるために、タスクは具体的に設定設定しましょう。

 評価タスクの例
 ✖不適切なタスク設定の例:目的地を設定する 
 〇【いつ?】移動開始前に
  【どこで?】車の運転席で
  【目的は?】メニューから名称を用いて目的地の設定を行う

▼【個別評価】問題点発見・抽出のコツ
 単独で行う。まとまって行わない。

1.まずは全体をみる、次に細部を見る
2.最初に感じた違和感をしっかり書き留める
3.10原則に縛られず、問題と感じたことをどんどん書き出す

▼【個別評価】問題点の書き方
 ①場所を特定できる情報(どの画面、どの表示部、どの操作部)
 ②状況を特定できる情報(**して〇〇しようとしたときに)
 ③問題となる現象(起こった問題、ユーザーの困りごと)
  ・起こった問題
    初めて利用するシステムなのに、ログインのためのIDとパスワードを求められる。

  ・ユーザーの困りごと
    ユーザは何を入力していいのかわからず、ログインできない

▼【合議】合議の進め方 1/2
 1.現象:起こった問題、ユーザーの困りごと
 2.要因:なぜその問題が起こってしまうのか
 3.改善案:どこがどうなっていれば問題が解消されるか

▼【合議】合議の進め方 2/2
 4.問題点の優先度
  発生頻度×ユーザビリティ尺度で判断

▼【合議】合議の進め方のコツ
 1.指摘した人数が少ない=些細な問題とは限らない
 2.どこをどう変えれば問題が起きなくなるかも意識・検討しながら進める

 1つ1つの問題を合議して整理し、必要に応じてリストにしたり、PPTなどで図を使って説明するような資料を作成します

■まとめ
 ユーザの持つ「経験則」=10ヒューリスティックスを理解する
 顧客視点のセルフチェック=ヒューリスティック評価を開発に取り入れる

 ↓
 開発しながら製品の使いやすさを向上できる
 顧客視点が身に付き、使いやすい商品づくりができる

さらに顧客視点を高めるために
 ・人間中心設計プロセス(ISO9241-210)の理解
 ・人間特性(ヒューマンファクターズ)の理解
 ・UXの理解

■Q&A

Q.ヒューリスティック評価の人数は3名以上とありますが、
実質どのくらいの人数が必要ですか?

A.弊社では基本3名で行う。

Q.知識の少ないメンバーで構成されているチームに10ヒューストリックスを共有する手法として効果的な方法をおしえて頂けるとうれしいです。

A.ぱっと聞いて覚えるというのは難しい面がある。
ユーザーとして感じたことがあるんじゃないか。
内容を理解する。なんども読み込んだり、それを意識しながら製品を見ていく。

Q.ユーザー層が非常に限られているような特定業務向けシステムであっても、ヒューリスティック評価担当者にはバックグラウンドの広さが必要になるでしょうか

A.すごく特定の業務システムの場合、広さは必要はないかと思います。管理者とユーザーみたいなちょっと立場の違う人が関わる場合もありますのでそういった意味でのタイプの違いっていう意識しながら評価するっていうことがあるかなと思います。

Q.①対象ユーザー像の設定をどこまで作りこむかの指標はありますか?仮説だと思うので際限がないように思いました。
②自動車のような様々な属性のユーザーが使う対象物についても、メインユーザの設定は同様に行うべきでしょうか。

A.製品開発をする中で、ペルソナってのすごくしっかり作り込んで、開発されるっていうケースもあると思うんですねそれがあればもちろんすごく詳しく作られていてそれ活用するということがよろしいと思いますし、そこまでのものがないっていう場合もどういう一番大事なのはやっぱり年齢とか、あの身体特性に関する部分が影響が多いようなものであればそこの部分をしっかり設定するとか、あとはどういう状況で使うもの。屋外で外回りするときに可能なのか、あのデスクで使うのか、そういうその利用環境ところもしっかり徹底しておいた方が、影響でてくる部分かなと思いますので、そういうところは作り込む必要あるかなと思いますそれ以外はあまりそうですね必要に応じて作ってく聞いておくっていうようなところがあるかと思いますので、そうですね状況に応じてっていう判断をいただくのがよろしいかなと思います。

A.自動車ですと場合によっては運転の熟練度と免許取り立てのユーザーだと大きく違うのでそれをメインユーザに設定する。

コメント

タイトルとURLをコピーしました