HCDと人類学の対話研究会 Vol.05 2024年03月01日

5回目の講義は、
慶応義塾大学の武山政直教授を迎えての開催となりました

■システミックデザインとHCD/人類学の接点

▼システミックデザインの背景

・日常の食生活を支える製品やサービス
・サービスのユーザー体験のデザイン
・ユーザー体験を支えるサービスデリバリーのデザイン
・社会・技術システムに組み込まれる慣行としてのサービス
・環境インパクトもたらす工業的な食料システム
・環境インパクトもたらす工業的な食料システムのロックイン
・デザインによる問題解決?
・システム・トランジションの必要性
・トランジションに作用するマクロな環境要因
・トランジションに作用するイノベーションや草の根活動
・システムトランジションのダイナズム(MLP:マルチレベル・パースペックティブ)
・システミックデザイン:意識から転換
・システミックデザイン:どう実践するか
・サービスデザインにおけるシステミックなマインドセットの強まり
・システミックデザインの方法論(メタデザイン)
 →書籍:システミックデザインの実践
 ・デザイン思考
 ・システム思考
・多様なシステミックデザインの捉え方
・システミックデザインの実践プロセス
・デザイン領域に変化をもたらす4つのムーブメント
・システム思考の変換と発展
・システム思考の特徴
 ・全体を繋がりで見る
 ・システムを見る感性(Sever)
 ・現象を構造から理解する
 ・現象を構造から理解する
 ・メンタルモデルを探り出す
 ・異なるレベルで理解する
 ・事例:「人はなぜモノを買うのか」の研究
 ・システムへの介入と変革のレバレッジ
 ・システムバリュープロポジション
 ・オープンな介入策をデザインする
 ・ノルウェーの公共サービスイノベーションラボ
  (StimuLab)の「運転免許更新サービス改革プロジェクト」
・ビジネスとシステミックデザイン
・デザイン(思考)のプロセス
 ・デザインのマルチファイナリティ
・システムのダンスし続ける

・ここまでの話のまとめ
 ・デザインへの時代の要請:システムシフト
 ・デザインもシステム思考も変遷
 ・システミックデザインの課題
 ・システムと関係性
 ・システムの文脈横断性
 ・ハードシステム思考・ソフトシステム思考
 ・プレゼンシング
  (シャマー「U理論}より)
・非エキスパートの日常的/身体的システミックデザイン
・個人のシステム変革への意欲とインパクト

■質疑応答
武山政直先生と
JAISTの伊藤先生と、
千葉工大の安藤先生とのディスカッション

Q.カメラがONにできないのでチャットで失礼します。
システムへの介入というと非常に大きなことのように感じたのですが、システムと付き合っていくにあたって、どのように介入後の反応を測るのでしょうか。
そのシステムの中にいる人々の変化をユーザーリサーチなどで測っていくイメージでしょうか。

→そうですね基本的には最初のリサーチを繰り返すっていう理解がわかりやすいかなと思うんですけど最初のマッピングする前に、やっぱり注目する変数に関わるいろいろなリサーチをしたり、それに関与しているステークホルダーに、どういう状況になってるのかっていうリサーチしてこういうas-isのマッピングをしていくわけですけど、あの介入したことによって変数だったり、素通しの関係がどう変わったかっていうのを、もう1回リサーチをかける。ていうのが基本的な考え方でマップが書き換わっていく状況をモニタリングしていくのが、マクロに見たときの発想だと。あとはやっぱりその子の勧誘者喰うをするときの一応アウトカム設定だとかアウトプットの目標みたいなのは決めると思うので、それは個別にそれがちゃんと期待した通りのインパクトが出たのかどうかっていうのは、個別にまた見ていく。っていうことがありますけどこれは管理策によってそれがプロダクトなのか、政府の規制なのか、新しいサービスなのかによって全然その評価の仕方が変わってくるので、それは今やっているプロジェクトと同じようなパラメータが使える可能性があるので、ただ重要なのはさっき言ったように、全体のシステムをどう動いたかっていうことを常にウォッチしていく必要があるので、どうだったかっていうのを、独立して評価していくんじゃなくて常にこうシステムとの関係で、評価していくっていうのが重要になるんじゃないかと。

Q.ビジネスで実行しようとする際に、事業会社内のどの部門がやるべきなのでしょうか?また、このようなことを依頼できるコンサル企業はありますか?

→これはでも課題次第でしょうねやっぱりこれも、あの要するに、やっぱりSDGsみたいなそういうCO2削減みたいな形でやろうっていうようなことであれば、やっぱそれに近いところの、
部門の担当者がまず、連携してみたいなことになってきますし、全然その後は別な新しい小ビジネス機会を別のところで生み出していこうってなると思いますねなんかちょっと良いクリアな答えができないけれども、そのプロジェクト次第かなっていうのがまず一つの答えとただですね今後は、そういうシステムデザインプロジェクトみたいなもんが企業の中で本格的に導入していろいろな取り組みに応用していこうという動きになってくれば、あのそういったスキルを持った人材を社内で育てるっていうことがあるんじゃないかな。というふうに思いますし、もちろん外部のそういうエージェンシーとかに、あのサポート求めてって言うこともある。と思います。今後コンサル企業出てくると思います私がやってるところ弱小チームですけれども、今もそういうご相談いただくことありますので、今後でもそういうスキルを持ったプレイヤーが世の中に増えてくると思います。

Q.欧州発とのことで、欧州における分かりやすい事例を挙げていただけないでしょうか?

→ノルウェーの公共サービスイノベーションラボ
今日本のデジタル庁で今やって省庁横断で、共通のシステムで、合理化しつつ、連携交換を出していこうなんていうことが日本に限らず、各国の縦割り行政の弊害が出てきているところなので、そういうところでこのシステムデザインを入れて、省庁横断型のユーザーのことも考えて財政的ないろんな制約も考えて、うまくそこを切り抜けていくためにシステムデザインを公共サービスのイノベーションプロジェクトに応用していくってのは非常にわかりやすい応用分野じゃないかなと思います。
ただビジネス領域がやっぱヨーロッパでもケースがまだそんなに出てきていないっていうふうに聞いてるんですねやっぱり
ビジネス協業みたいなことはシステムデザイン使うが使う前がやってると思うんですけど、システムデザインを意識って明示的に取り入れて、何かご社会課題に向けて企業が率先してコトを起こしていくっていう、ところまでまだ行ってないって言い方もできますし、ヨーロッパの場合は福祉国家なので、国民のお金が相当学校プロジェクトにつぎ込まれて、いうことを考えるとどっちどうしてもそっちの方が、あの数が多くなっちゃうっていうのもすごくお国柄の特性でもあるかなと。なので逆に私としては日本の民間企業なんかでこういう方法論を使っていろんなことを社外と連携して取り組んでいくと、ことがどこまでできるのかなな期待も込めて、多分課題もいろいろあると思うんですけど、そういうものを早く探り出して、みたいなと思うます。

Q.これは非常に幅広い質問ですが、日本人がシステミック・デザインに基づく考え方、原則、プロセスを受け入れるために必要なモチベーションや知識とはどのようなものだと思いますか?

→この日本人がっていうところにどういう思いが込められているかなんですけれど、これはちょっと仲間といろんな議論をしていって、脱線しちゃうかもしれないんですがさっき安藤さんもちらっと言ってたその日本人の元々持っていた少しシステミック感覚って言うんですかね、これ伊藤先生に思い切ってお聞きしたいんですけれども、なんかそういうメンタリティがまだ残っているとしたらやっぱそこをもう1回取り戻していくって言うか再評価していく。こともあるかなっていう、極端なこと言うと仏教的な世界観、とかね、そういうものにも繋がってくると思うんですけど、あんまりそこを下手にやると何かまたあの、ニューエイジムーブメントみたいなのを間違えられちゃうといけないので、違うフレーミングをする必要があると思う
けれども言いたいことは何ですかねシステムミックに物事、捉え金感覚的にも、世の中そうなってるし自分自身もこうシステムテックだっていうあたりのマインドセット、ますように肯定的に日本人の文化に合わせて、再解釈していくっていうんですかねという作業もあるかなっていうふうには思ってる。

Q.これからシステミックデザインの勉強をしていきたいと思っているのですが、どうアプローチしたらよいですか?
武山先生のお話を伺える機会などはありますでしょうか?

→https://actant.jp/

Q.はじめて「システミックデザイン」という言葉を聞いたHCD初学者です。いま、行政が規制強化の方向に向けて動いている「物流の2024年問題」への対応を
システミックデザインで捉えることができると思いました。関係者(発荷主・物流事業者・着荷主)間で
三すくみになっており、行政の規制強化へとなったと存じますが、関係者の主に経済的利益が相反する閉塞状態を改善していった事例がございましたら、ご教示頂けると有難いです。

→そうですねこれも状況次第かと思うんですけどやっぱり個別最適化っていうか自分の権益とか自分の任務を最優先するプレイヤーが集まると、コンフリクトが起きたり、津波の引っ張り合いみたいなことが多分、起こりうると思うのでやはりあのなんていうんですかね今日の話と、結びつけるとすると、システム全体のメリットというものを、この数参画するプレイヤー共有にしないとまず、いけないと思うんですね。あのシステム全体を良い方向に持ってくっていうことがそれぞれの立場のプレイヤー組織だったり企業の人この物流でもいろんなプレーヤーが入ってると思うんですけどみんなにとってシステムの改善がメリットがあるっていうところをやっぱり感覚的に視覚的にも、共有するっていうところが第一歩だと思いますので、
そういうところにシステミックデザインをうまくアプローチしていければいいかなと思います実際そうですね交通の物流じゃないんですけど地方の交通プロジェクトにシステムズ・デザインですねそういう動きもあるようなので、今後政府のこういったプロジェクトの中にもあるいは公共的なあのプロジェクトの
中にも、入り込んでいくんじゃないかなと期待してます。

Q.私学生で、システムミックデザインのツールを使ってみようと、他の学生と一緒に、ある地方のカーボンニュートラルシティを題材にツールを使っていたのですが、そこに住む当事者じゃない以上、「システムデザイン」の「デザイン」の部分が難しい(望ましい未来を外側からとやかく言えないなも)のが印象でした。
自分が当事者である中で使わないと、システムが本当に変革するところまで行動するまでの、思いが続かないなと。(という感想です)

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