Schooの授業を受けました。
(この日3回目のウェビナー)
■自己紹介
・カイシ トモヤ
・アートディレクター
・東京造形大学教授
・著書「すべての仕事はデザインから始まる。」など
■仕事
原風景 Original scenery
・伊藤かな恵さんのアートディレクション
→失敗をキーワードに制作
→イラストにして制作進行
・ブラッシュアップ ロマンスカーVSE 10周年ロゴ
→一緒に磨き上げていった。
■前回のポイント
デザインプロセスは、受発注という
コミュニケーションの集合体でできています。
①発注者はリレーの第一走者。
②「評価と選択」を通じて、重要なポイントに立ちます。
③デザインが世に出るためには発注者の承諾が必要。
→発注者も「発注」という形を通じて
デザインプロセスに参加している。
・オリエンテーション
・オリエンシート
①ターゲット
②目的・目標
③USP
④仕様
⑤予算
⑥スケジュール
⑦履歴・関連制作物
など
※自由に作ってください!というものほど恐ろしいものはない。
①ターゲット
年齢×性別による区分け(セグメント)
・同じ年齢のとき、同じ価値観を持たなくなった。
・Z世代が若者をあらわさなくなってくる!
・15年周期で考え方が変わるといわれている。
・日本だと、団塊世代・バブル世代・氷河期世代・さとり世代
ペルソナ
・集団としてのターゲットはイメージしづらい。
典型的なターゲットを架空で設定し、
人物像の態度や行動を掘り起こしていく。
※注 このペルソナの考えかたは間違っています。
②目的・目標
それは本当に当たり前?
・売れること
・目立つこと
・わかりやすくすること
・認知度をあげること
・クリック数を稼ぐこと
KPI
重要業績評価指数
・デザインに数値的な目標を掲げることも多い
・PV:ページビュー
・UU:ユニークユーザー数
・CVR:コンバージョンレート
※注 なぜここでヒートマップ分析?
③USP(Unique Selling Proposition)
自社の製品やサービスだけが持っている強み。
同業他社や競合商品と比較したときの「差異性」が重要。
・ポジショニングマップを作成する。
・わが社の商品は、素晴らしい商品なんです!
は全くUSPにはなっていません。
「苦手なところ」「弱み」もしっかり共有する。
自分のUSPを見つけること
・あなたはどの辺が他とは違うデザイナーですか?
・あなたはどんなふうに他と違うビジネスマンですか?
④仕様
印刷物の場合、デザイナーや印刷会社との事前すり合わせ
WEBの場合はRFP(提案依頼書)の作成をおススメ
⑤予算
A:予算イメージがある場合は伝える。
B:これから上申していく場合は積み上げ見積もりを作成してもらう。
※Aを隠して、Bをつくってもらうという
「無用な駆け引き」は不信につながる可能性も。
デザインと実装に関わる予算が別であれば、それも提示する。
段階見積もり
・最低限の実行に耐えうる制作(梅)
・一般的にスムーズに進められる制作(竹)
・いたれりつくせりの+αオプションの制作(松)
⑥スケジュール
Why?の提示
・「社長が確認する」から期間が必要
・「他社からの情報がこの日に集まる」からこの日まで戻せない。
・「イベントで配布する」からこの日までの納品が必要。
⑦履歴・関連制作物
「変えたいこと」と「変えたくないこと」の参照。
・踏襲:成果を収めた、長期的な訴求をしていくたい。
・回避:満足した品質にならなかった、結果が伴わなかった。
軌跡を共有することで、
コミュニケーションの持続可能性が高まります。
オリエンテーションは発注コミュニケーションの重要な場面であり、
第1回目の議論の場としたいです。
できればオリエンシートは事前にデザイナーと共有しておければベスト。
※デザイナーへのお手紙を書くように。
私のパターン
①発注者の話を意向を伺う(傾聴)
②足りない、読み取れなかった情報の確認(取材)
③思い描いていたことを少し伝えてみる(観測気球)
断捨離と優先順位
「全て強調する」というオーダーは
「何も強調しない」といっているのに等しい
リファレンス式の発注
→インターネット・SNSの普及で台頭しているが、注意が必要です。
リファレンスをデザインに用いる問題点
①著作権の問題(複製権の問題、盗用の問題)
②デザインの類型化、コモディティ化の問題
③目的からデザインを発想するのではなく、
表層や傾向からデザインを組み立てる慣習ができてしまう。
新規分野にとりくみため、
「型」を知るためにはリファレンスも有効
守・破・離
→どのように差別化していくかのスタート地点。
原風景の設定
→「多くの人の心にある共通化した言葉のイメージ」
「小学生男子」みたいなデザイン
「老舗の料亭」みたいなデザイン
「ムジラー(無印良品マニア)」みたいなデザイン
ブレインストーミング
対話を通じて発注者もデザインに参加していく「共創」スタイル
①コンセプトマップ
②KJ法
※言葉に空間性が備わる。
①コンセプトマップ(マインドマップはちょっと違う)
中心に「お題」を置いて、連想される言葉でつないでいく。
離れた部分の言葉をくっつけてみる(水平思考)
②KJ法
データをカードに記載し、
カードをグループごとにまとめて、
図解したり(KJ法A型)
それを文章に連ねて(KJ法B型)
※アイデアを否定しない、全部ひろう。
※編集作業を早い段階でやることを厳しく禁止
最近はオンラインホワイトボードも普及してきました。
https://miro.com/ja/
ブレインストーミングの序盤は
「否定しない」「整理しない」ことが大切。
少数意見を捨てずに、
貴重な水平思考の種だととっておく。
そのために参加者のフラットな関係も大切です。
秘伝レシピとは、なにをかくそう
すべて「対話のための材料」です。
発注者もデザイナーも、各々の個性があります。
情報を共有し、相手の属性を理解することが
スムーズな発注や新しいアイデアを
生むことにつながります。
■コメント
・なるべく上流工程の情報を共有してくれないと、デザイン制作のとき情報の優先度とかつけられないんですよね。
・このサイトみないにしてと言われることよくあります・・・非常に困る・・・
→1個だけ見せるのは絶対やってはいけない。
・発注側は、デザイナーさんがどんな引き出しをもっているかわからないので、
とても知りたい。
・デザインコミュニケーション=今日は「デザイナーと発注者のケミストリー」と理解しました。
・高校の授業の中でコロナの影響もあってグループワークやブレインストーミングをやらなくなってので、する機会があると授業が楽しいのになーと日々おもってます。
・発注側です。何度も直させるのも申し訳ないな・・・と、いつもデザイナーさんの意向に極力沿うようにしてしまってました、オリエンお仕方って、誰からもい教わることがなかったので勉強になりました!初めてのデザイナーさんとの時に、どういうデザインが苦手か、得意か、などは聞いて良いのでしょうか?
→全然聞いていいと思います。ぶっちゃける。
・発注者とコミュニケーションを図りたいのですが、上司を挟んで会話するのでなかなか向こうの意図が汲み取りづらいです。
→なるべくデザイナーさんと会った方がいい。
→オリエンについてく、そこからがデザイン。
■感想
発注側のセミナーなんだね。
ペルソナの「典型的なターゲットを架空で設定」は完全に間違いなので、
皆さん、間違えないように。
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