Tama Design High School「農業をデザインで伝える」 2023年12月13日

■自己紹介
長岡淳一さん
株式会社ファームステッド 代表取締役
クリエイティブディレクター

▼北海道十勝地方
・広さ:10,831㎢
・人口16万人くらい
・千葉県2個分
.NHKドラマ 夏空
・1戸あたり40ヘクタール(東京ドーム8個分)

▼農と食と地域をデザインする。
・一次産業を活性化し、地方から日本を元気にする
・北海道と東京の2拠点体制である

▼なぜデザインとブランディングが重要なのか?
・生産者や地域などが切実な問題に直面している
・新型コロナウィルスの影響が色濃く残っている
・異常気象が当たり前の状況になっている
・ウクライナ紛争により物流がストップしている。
・高齢化が進み、後継者不足による農業人口の減少
・自社製品の品質には自信があるが、知ってもらえない・売れない
・商品やサービスの差別化がしづらく、価格競争に巻き込まれている
・6次産業化を考えているがどう取り組んでいけばいいか・・・
・海外からの農業生産品が安価に輸入されてきてどうしたら良いのか・・・
・「おいしい」や「こだわり」だけで売れる訳ではない事が分かった・・
・求人しても集まらない・・・
・会社の理念や社訓をスタッフに浸透させたい
・ブランドやデザイン戦略を構築したいが、どうしたらいいかわからない

▼CI
・Corporate Identity
・企業の独自性や事業の強みなどを再確認して、
デザインを統一することにより、
その企業文化を内外に発信していくこと

▼大事なのは「旗印」
・自分は何者なのか
 何のために事業をやっているのか
 これから何をしていきたいのか
 何を伝えていきたいのか

▼CI
生産者ならではのこだわり
    ↓
   自己主張

▼FM
・Farmers Identity

▼本山農場 北海道美瑛町
・40歳くらいの若手
・今から10年くらい前にCIをした。
・おじいちゃんの形見の印を家紋風にした。
・奥様が加工商品をFacebookで発売
・Webサイトも作成
・段ボール
・アスパラガスがとても売れた。
・看板を作った(夜になるとLEDで光る)

▼フルーツのいとう園 福島県福島市
・7・8年のお付き合い
・福島県産というだけで発注できなかった。
・6次産業化に取り掛かった
・干しぶどうを作った。
・値段も一番高かった。
・聞けば聞くほど伝わらない。
・誰が作ったか顔がない。旗印がない。
・商品がどれくらい年間で作れるのか。
・年間500個しか作れない。
・価格を倍の3800円に設定
・どなたが作ったかが大事。
・グッドデザイン賞受賞
・会社の想いを伝えていくことが主。

※商品を変えるのではなく
 人間の意識を変える

▼デザインブランディングで大事な
 「4つの心得とアクション」

1.視覚的シンボルをきちんと作る!
2.一言で言える自分の強みを作る!
3.統一感と一貫性!(コントロール)
4.常に発信する、諦めない!

地域の自信と誇りを
「旗印」に

■質疑応答

Q.素人質問で恐縮なんですけれど今回の事例ってかなりBtoCというか消費者の方に直接、販売する事例だったかと思うんですけれどここまでの北海道とか、あのかなりその原料を生産をされてる方が多いかなって思いまして。
企業さんとその連携してそのBtoCとかで販売している事例の場合って、あと何かそのBtoCをメインでやってる方企業さんのブランディングとかを行う際に何かBtoCと違う点とかっていうのあるんですかね。

A.違う点はあまりないんですけども、基本的には商品につくかつかないかっていうことだと思うんですよね。例えそれが一般的な百貨店さんだったりスーパーさんに販売してるっていうわけじゃなくて、例えば農協さんであったりとか、市場に出してたりとかですね、そういうところもあると思います。でもそれは、いろんな会社の理念だったりWebサイトだったりそういう市場関係者の方農協関係の方もやっぱ見るわけですよね。そうすると、あそこの農場ってやっぱりこういうことでこういうことでこういうふうにやってるんだっていうことがやっぱり理解されるのとされないの差はすごく大きいと思います。なので他の農場さんから比べると少し価格が高かったり、いや、やっぱりあそこはああいうことをしっかりやって考えてやってるのでそこで働いてみたらどうだとかですね、そういうリクルートに役立ったり、物を売るっていうこともそうなんですけども、農場としてのしっかりした体制を確立するっていうことをこそがすごく僕はブランド好きですよく大事なことかなと思うので、両方それは特にやり方が違うとかそういうことはないかなと思います。

Q.ブランディングの仕事は農家の方からそご相談があることが多いんでしょうか、それとも長岡さんから持ちかけることもあったりするんでしょうか?どうやってこういったお仕事が始まっていくのか、進んでいくのかが気になりました。

A.基本的には我々から何かこういうあのことをした方がいいんではないでしょうかっていうことはあまり話しはしません。いろんな繋がりの中で農家さんから、いや、あそこの農家さんもすごく素晴らしいものを作ってるし、もっと世の中に出す、出せばいいんじゃないかなと思ってちょっと紹介したいんだっていうことをご紹介いただいたり、例えばこうYouTubeを見ていただいたり、どこかでこういった事例をお話させていただく機会があったりしたときに、それを聞いてですね、やっぱりこういった考え方があるんだなっていうことでお声がけいただいて、実際の話、活動が始まると、いう形が多いかなというふうに思います。

Q.美大生です。地域や農業のデザインに関心があります。売り上げやビジネスのこととかまだよくわからないのですが学生のうちに何かする。しておくといいことはありますか

A.農業といっても僕らは先ほど見ていただいた北海道っていうことところが、たまたまの出身地だったので、そういった農業地帯を見て、必要性にかられて、活動するということになったんですけども、本州、に行くとですね。いや北海道にはやっぱ規模じゃかなわないんですよねとか、北海道うらやましいですとか結構言われたりするんですね。なので、北海道にない価値が例えば本州のあるところにあったり、人口が例えば多いところだったり少なかったりすごく面積がちっちゃかったり大きかったり、あると思うんですよね。なので、学生のときからですね、多分いろんなところを見て、畑だったり、牛だったり、いろんなものを見ていくとすごくこんな農業もあるんだとこんな農業のあり方もあるんだこういうふうにして、自分たちの食べるお肉はこういう流通を通ってこういうふうに使えるんだとかですね、いろんなところに行って生産者とお話する機会を持っていくってのはすごくいいんじゃないかなと。いうふうに思います。なので大きい畑だけにいったりいろんな紹介をしたりとかですねされたりっていうことでいろんな全国各地の畑に足を運ぶってのが一番いいんではないかなと思います。

Q.日本では厳しい状況に置かれているのかなというふうに思いますが、
再度元気を取り戻していくには、業界としてどんな取り組みをデザインして取り組んでいく必要があると思いますか。

A.先ほど一番最初冒頭の方に実際の生産の課題っていうのも実はすごく多くてですね、農業はどうしてもやっぱ政策に左右される。部分も多々あります。大きく規模拡大という国の方針があったり、またそういうことじゃない方針に変わったり、すごくそういうことになってるんですけども、その中で自分たちがそれぞれの農業スタイル、経営の理念を掲げてですね、それに基づいて決めていかれるわけなんですけども、僕らの専門分野から言うと、今日お話したものの繰り返しになるんですけども、やっぱり1人1人の農家さんがですね、自分たちの作ったものにちゃんとかけて価格決定権を全ては難しいかもしれません。でも、それは消費者が僕望んでることだと思うので、消費者に直接届ける取り組みが少しでも多く、活動として出てくるっていうことと同時に、今日見ていただいた。単純に何か販売するっていうことではなくて、自分たちの思いをですね形にしていくと、いうことが、やっぱり農家さんですごく大事なことだなと思いますし、あのもその思いが伝わらないことはすごくもったいないことだなと。いうふうに思うので、そんな活動を少しでも地域においてですね、当たり前になるスタンダードなるような雰囲気というものがあるといいんじゃないかなと思います。

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