Tama Design High School「子どもの遊びと学びのデザイン」2023年12月06日

保育園の園長さんからUXの話を聞けるとは、
思いませんでした。

■「子どもの遊びと学びのデザイン」
・デザインに溢れる保育の世界
・保育士さん
→無自覚にデザインの視点や思考を考えて仕事している。

▼自己紹介
鈴木八朗 (社会福祉士・こども環境管理士/社会福祉法人 久良岐母子福祉会 常務理事/くらき永田保育園 園長)
2001年より保育園園長
趣味のアウトドアを活かし、環境教育にも関わる。

▼教育(まなび)って何?
・小学校に入ってからの教室は学習空間なのか?
・教えて育むが、教えるだけになっている。
・くらき永田保育園 モノとどうかかわったらいいのか。
・モノを置く、そこにアクセスしやすいか
・保育園、朝7時から夜8時まで。
・保育室の5つの機能と空間
 ①遊び
 ②食事
 ③受け入れ
 ④排泄
 ⑤休息&お昼寝
・机とか椅子とか不動物品をどうやってレイアウトするかからスタートする

▼保育室は「ヨコ」と「タテ」でできている

保育室の水平・・・床
・モノが置ける、移動できる
・「つなぐ」を支える特性
・机・マット・カーペット

※チャイルドエクスペリエンス

保育室の垂直・・・壁
・空間を区切る
移動できない(停止)
・「わける・わかる」を支える特性
・ロッカー・棚・ついたて・鉢
※一対一の関係をつくらないといけない
ひとがどうかかわるかというデザイン、
一番おおきいのものがおもちゃ、遊んでいるときに学んでいる

▼「あそび」を「まなび」に変換する玩具
・カラダの玩具(思った通りに体を動かせるようになる)
・コトバの玩具(言葉を覚える)
・かんかく玩具(いろんな感覚が統合されて理解する)
・かかわり玩具(人と関わるちから)

▼カラダ(身体機能)の玩具
・入れたり出したり
・並べて積んだり
・ひねったり
★動詞で言えるもの

▼子どもの動きを書き出してみた
 →70種類も出てきた。
・人って掴むのは簡単なのだが離すのが高度
・おもちゃと対話しながら学んでいく
※全ての発達は遊びを通して
※遊びと生活がリンクしていくのが理想的

▼モノの理解のタイムライン
①経験を想像する段階
②経験の開始 モノと対話
③内省する段階 繰り返しと試行錯誤
④多様な利用方法 創意工夫

▼コトバ(認知)の玩具
・大人は声とか音楽とかテレビとかから言葉に出会う
・思考のなかで言葉に出会う。
・色(赤・青・黄色)
・カタチ(〇・△・□)
・素材
・音
・大きさ(大小)・(長短)
※言葉のおもちゃのときはものの形容詞も覚えないといけない

▼カンカク(感覚)の玩具
・7つくらいの感覚を大事にしている。
※五感が大事と誰もが言うけれど・・・
・脳(処理)
・行動(出力)
・感覚(入力)
※多動な場合のケース、椅子に長く座っている筋肉ができないだけ。
※ハイハイが終わってしまうと手をあげたりしなくても生活できるようになってしまう。

▼かかわり玩具
・人と関われる能力は大事
・非認知能力を目に見えるカタチで育める
 →書籍:幼児の教育の経済学
・保育士さんは、目に見えない力大事だよね。と言っていた。
・育てる仕掛け、モノ、コトをしっかりいれないといけない。
・木のロボット:擬人化する能力は大人よりも高い。
 →かわいそうだよ。→週末は子どもたちは変えるがロボットは帰れない。
 →ホームステイさせたいと言い出した。
 →最後、自分達もロボットになりたいといいだした。

▼目に見えない力を育む(コトのデザイン)
・ピーステーブル
 →喧嘩したらピーステーブルで話し合いで解決してもらう。
 →目に見えない力をモノによって解決できる

▼保育の仕事とは?
子どもの主体性を保障しながら
「時間・空間・モノ・ヒト」を最適化しながら関わること。

▼主体性ってなんだ??
・能動的(積極的・自主的)
・受動的(消極的)
・中動態(主体が発露される前)

▼主体性を引き出す「見通しと安心感」
・ケアワーク担当制というデザイン
(コトの仕組化と理念浸透)

▼見通し・自己決定による協力動作

▼理念浸透のデザイン
 くらき永田保育園 見守り12か条

▼大事なことは「あいだ」にある!
・大人の予定調和の世界に閉じ込めてしまう
・今年の夏まつりごっこをやっていた。
 →浴衣を着ていい日。盆踊りごっこ。
 →たまたまミンミンゼミが鳴いていた。
 →盆踊りかミンミンゼミのどちらをとるかでリフレクションした。
  (保育士さんの大事な仕事)

▼事例:股関節の病気で入院していたAちゃん。
・かなり長い間ギブスをしていた子ども。
・ハイハイなどの探索活動ができなかった。
・もっと広い世界に行くために平面を利用できないか。
 →ピクニックマットに安心空間と椅子を置いた。
 →安全な平面の中で交流というデザインができた。
 →このピクニックマットから出られないんじゃないですか。
 →100均でピクニックシートを追ってみて道をつくったら、ハイハイするんじゃないか。と画策した。
 →Aちゃんを見ていた先生がシートの反対側に移動したら、
  Aちゃんがハイハイし始めた。

・繋がろう&拡げよう「八朗園長TV」

▼質疑応答
Q.こどもがやりたいと言ったことを園のイベントに反映されているのが素敵だなと思いました!基本的にそういった感じでこどもの希望から行事が決まっていくのでしょうか?
→発表会があって、劇をやりたい、ファッションショーやりたい、とか子供たちと色々意見を出してくるので対話する。
→問の立て方が難しい。
→子どもたちと対話する。

Q.とてもざっくりな質問で恐縮ですが、子ども(福祉業界)でデザイナーとしてアプローチできることって何があると思いますか?なんでも構いません。鈴木先生が思ったこと教えていただきたいです。
→めちゃくちゃありますよ
→0~3歳児向けの玩具は意外とない。
→アイディアソンとかハッカソンしている。
→SDGsが大事にされていて、ゴミが子どもにとっては遊びの道具になる。
→デザイン系とかアート系の人とかが間に入ってくれる方を募集中。

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