Tama Design High School 「くらしの『ありよう』のデザイン」 2023年12月22日

▼自己紹介
長田英知さん
株式会社良品計画 執行役員 ソーシャルグッド事業部担当

・政治家
・IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社
・PwCアドバイザリー合同会社
・2016年、Airbnb Japan株式会社入社
・2022年より良品計画

▼「くらし」とは何か?
・生活→日々の実務、営み
・くらし→日々のスタンス、ありよう

▼くらしの「ありよう」は、人と周りとの関係性によって定義される

▼くらしの「ありよう」のデザイン
・人の周りの関係性=「ありよう」をデザインすることで、
よりよい「くらし」を実現する。

▼「もの」と「くらし」
・無印良品
・元は西友のPB
・良品質を保った構造的な廉化商品
・3つのわけ
 ・素材の選択
 ・工程の点検
 ・包装の簡略化

▼初期の特徴的な商品
・ものの「素=ありよう」を追求

▼無印良品の原点にある、もののありようの考えかた
・自然と。
・無名で。
・シンプルに。
・地球大。

▼「無印良品の未来」(2002年)~ノーデザインからデザインへ

▼デザインに対する意識の変化
・壁掛け式CDプアレイヤー:深沢直人
・椅子:エンツォ・マーリ
・ステンレスカトラリー:ジャスパーモリソン

▼長いくらしの中で培われてきたデザインに、光を当てる
・Found MUJI 10か条

▼顧客のくらしから生まれた声を、デザインに活かす
・持ち運びできるあかり
・体にフィットするソファ
・いつものもしも防災スリッパ

▼「すまい」と「くらし」のありよう
・MUJI HOUSE(木の家・縦の家・陽の家・窓の家)

▼MUJI BASE
・宿泊施設を立ち上げた

▼くらしのありようの変化がもたらす、すまいの変化①
・MUJI HOUSE 木の家
・良品計画オフィス

▼すまいの中に「オフィス」をつくる
住まい=LIVEの中に、仕事場=WORKをそなえる

▼ライフステージによる「可変性」の担保
いかによりよく住まうか。

▼「くらし」の変化にあわせた「すまい」のデザイン
・0LDK
・壁を作らず、収納で部屋を区切る

0LDKの間取り

▼「もの」を持たない「すまい」へ
・家具の月額サービス商品の本格化

▼「他者」と「くらし」のありよう
・陽の家

陽の家


・52間の縁側

52間の縁側

▼Airbnb
・古城
・マハラジャ宮殿
・貝殻ハウス
・ピング・クロスビー邸
・フランク・ロイド・ライト建築
・築100年の古民家

▼Airbnb
・3人の創業者がいる
 ・ブライアン・チェスキー
 ・ジョー・ゲビア
 ・ナサン・ブリュースター
・家賃が払えなくなった。
・2008年泊るところがなかった→インターネットで泊まれるように考えた
・2011年 総ゲスト数80万人・宿泊予約日数190万泊
・2013年 総ゲスト数600万人・宿泊予約日数1800万泊
・2016年 総ゲスト数7000万人・宿泊予約日数1億3900万泊
・2022年 物件数660万・総ゲスト数3.9億人・当期利益19億ドル

・信頼のデザイン
ジョー・ゲビアのTED
https://www.ted-ja.com/2016/04/joe-gebbia-how-airbnb-designs-for-trust.html?m=0

▼アクセス権にもとづく他者への「社会的共用」
・プライベートな空間が、
オンラインの信頼関係に基づき、
パブリックで共用される。

・オンラインの信頼関係が、オフラインの「アクセス権」の幅を拡張させる

▼オンラインの信頼関係が可能にする「くらし」の拡張=関係人口による新たな社会づくり
・オンラインの信頼関係が、オフラインの「アクセス権」の幅を拡張させる

▼他者をつなぶハブとなることで、社会を活性化させる「コミュニティセンター」としてのMUJI
・MUJIのオン/ オフラインが、地域の新たなつながりを生むコミュニティセンターとなる。

▼「社会」と「くらし」のありよう
PwC-5つのメガトレンド
・気候変動
・テクノロジーによるディスラプション
・人口動態の変化
・世界の分断化
・社会の不安定化

▼都市力評価とその限界・2016年、1位はロンドン、東京は15位

▼社会課題の本質
・かつて存在したコミュニティによる共助の仕組が弱体化し、
利益の追求を目的として資本主義経済が強い影響を持ち、
地域社会が循環不全の状態

▼ソーシャルグッド事業部の目指すところ
・MUJIのアセットを活用して、地域コミュニティ再生の起点=社会的共通資本となる「コミュニティセンター」を構築する

▼アプローチ~社会的視点から、くらしのありようをリデザインする
・くらしのありようを、リデザインする。

▼リデザインにあたっての、5つのプロトコル
・温故知新
 「新しいくらしを提供する」のではなく、くらしのありようを「見つけ出し、耕す」
・唯一無二
 「どこにでもある」価値ではなく、「地域固有の」価値を大事にする。
・余白
 「完全に完成させる」のではなく、「くらす人が自分で選んだり創造できる余白」を残す。
・相互扶助
 「一方通行」ではなく、「自律・共助の循環」を作る。
・共創
 「競争」ではなく、産学官民様々なステークホルダーを巻き込み「共創」する

▼事業領域
①営み方を、リデザインする。
②過ごし方を、リデザインする。
③支えかたを、リデザインする。

①営み方を、リデザインする。
・ビジョン:地域コミュニティの起点を作り、地域との関わり方を組み立てる
・岡山表町商店街・前橋中央通り商店街

岡山表町商店街・前橋中央通り商店街


・一坪開業(無印店内にお店を出せるようにした:るーぷ)
・カニミライブ図書館

カニミライブ図書館


・里のMUJI みんなみの里

里のMUJI みんなみの里

②過ごし方を、リデザインする。
01店舗
02宿泊・滞在
03ポップアップ
04地域体験
・土着的リサーチ×人間中心デザインリサーチ
 →コミュニティ型の宿泊滞在(MUJI STAY)
・MUJI BASE KAMOGAWA
 →「感じ良いくらし」の実験のための古民家改修
・移住促進住宅(宮崎県日南市)
 →「やさしい移住」をコンセプトにこの土地ならではの暮らしを体感できる家に改修

③支え方を、リデザインする。
・地域共助の仕組づくり
・いつものもしもCARAVAN
・福山市との防災備蓄予約権契約

▼おわりに
・人と周りの関係性は絶えず変化し、
くらしの「ありよう」のデザインに、おわりはない。

▼質疑応答

Q.質問というか感想なんですけども今私ソフトウェアエンジニア、会社でエンジニアをしておりまして、主にテクニカル面でのリードするポジションにいるんですけども、弊社の全国のレジャーチケットレジャー施設3棟ですねチケットの販売ですとか、今お話いただいた通り地域のちっちゃい規模、事業者さんとかですね、お繋ぐ役目として、そのチケット販売ですとかっていうのを行っている会社でおります、そこで今私やってるプロジェクトとしては、そのまま誰もが使えるようなプロダクトを作るアクセシブルなプロジェクトを作ろうとしている点において、その今無印、おっしゃってるような誰もが使いやすいユニバーサルな物を作っていくっていうところで非常に共感させてもらいました。あとAirbnbでその信頼関係が必要だというところで私もそのサービスを作る上でAirbnbのサイトを結構参考にさせてもらってるんですけども、大体サイトの構造が主に参ってたんですけども、信頼性を促進するサービス面ではあまり今まで見てなかったのでそこをちょっとこれから、どういった信頼性のあるプロダクト作っていくかという点を何か今後そういう視点でちょっとここサービス使っていこうかなと。はい。思いました。ありがとうございます。

A.Airbnbでいうと結構ですねいわゆるA/Bテストと呼ばれる一つのサイトと別のデザインのサイトを比べてどっちがどういうどれぐらい例えば予約が入るかとか、うまく回っていくかみたいなことをやったりするんですけれどもまず信頼という観点で非常に大事なのがその正確な口コミになってくるんですよね。なのでどういった形で例えば口コミを書いてもらうかっていうときにどれぐらいの量だったら皆さん書いてくれるかとか、あるいはどれぐらいのタイミングでリマインドを送ると、人は書いてくれるのかとかその辺りもいろいろな調査をして、最適な形に常にしているっていうところとかあったりするので、ぜひまたちょっとそういった観点で、Airbnbのサイトを見ていただければなというふうに思います。

Q.お店作りについて、駅ビルとその他の地域に、それぞれ店舗を作る時、デザインの仕方として、どのような違いを意識されて作られているのでしょうか。

A.基本的な店舗の作り方の考え方は変わらないですもちろん1000坪の店を作るときと100坪のお店を作るときにはその広さが違いますので、展示のできる面とか変わってくるので、当然1000坪の方がいろいろな要素っていうのを入れなければいけないんですけれども、基本的なそのデザインの考え方というところは一緒かなと思います、ただ先ほど申し上げたようなその商店街の店舗とかでいうと、なんていうんすかね地域の方々とそのどう繋がっていくかっていう仕掛けをより今打ち出している感じにはなっているのかなと思うので先ほどの一坪開業みたいなそういったスペースを設けてる形になります。もちろんその1000坪のかスペースでもオープンMUJIっていうのはこういうイベントができるようなスペースを設けたりですとか、町の保健室っていうふうに読んでるちょっと健康診断とかができるようなスペースも受けたりもしているんですけれども広い店舗ならではの、その地域との関わり方なんですけれども、小さい店舗は小さい店舗でも、そういったところを、ある種尖って作ってるっていうとこが一つの特徴なのかなと思います。

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