Tama Design High School「デザイン以前のアート思考とは?」 2023年12月09日

■準備運動
・アートをテーマに、15秒で絵を描くワークショップ
・お隣の方とご挨拶、ご自身の絵について一言!

■自己紹介
・末永 幸歩さん
・アート教育家
・アーティスト
・武蔵野美術大学造形学部卒業
・中学校や高校で美術教師
・著書:13歳からのアート思考

■アート思考とは?

▼そもそも、アートとは・・・?
・マルセル・デュシャン「泉」

マルセル・デュシャン「泉」


 →小便器の向きを変えてサインをしただけ。
 →20世紀のアートにもっとも影響を与えた作品。
・表現の花
 ・興味のタネ
 ・探求の根
 ・アート思考
・アート思考とは?
 →自分自身の
  「興味のタネ」から
  「探求の根」を伸ばすこと
 →全ての創造活動の基盤である

▼では・・・「興味のタネ」から「探求の根」を伸ばすためになにをすべきなのか?

・ある日、授業で家を空けていた時、何もなかったはずのベランダのプランターにヨウシュヤマゴボウが生えていた。もちろんタネは植えていない。

・「興味のタネ」から「探求の根」を伸ばすためになにをすべきなのか?
 →「土」を耕しておくこと
 →あせってタネを植えることはない。根っこも伸ばすことを考えることもない。
・「土」を耕しておくこと
 →常識を疑い
  自分の中の固定概念を崩し続けること

・パブロ・ピカソ:全ての創造は破壊から始まる

▼固定概念を崩す、2つのワークをします!
WORK1:またまた15秒間で、お絵かきしましょう!
    →15秒間、めちゃくちゃ速く腕を振ってみよう!
    →はじめに描いたお絵かきと比較してみると?
    →1回目のお絵かき
     →名詞で言い合わせるものを書いていたのでは。
    →形容詞(速く)
    →動詞(腕を振る)

  ・新聞紙を3分間「ビリビリ」しよう!
    →手を使って考える /  頭を使って考える

  ・パブロ・ピカソ Bull(plate XI) 1946

パブロ・ピカソ Bull(plate XI) 1946


    →版画で制作されている。
    →数か月に日数をかけている。
    →10枚の下絵を描いている。
    →手を使って考えていたのではないか。
    →ピカソは15万作品もの作品を残した
    →”子どもはだれでもアーティストである
      問題なのは大人になったときにも
      アーティストのままでいられるかだ”

   ・「手を使って考える」ことでしか
    生まれないものや感じられないことがある

WORK2:アート鑑賞
   ・クロード・モネ「睡蓮」-印象派の傑作

クロード・モネ「睡蓮」


    →4歳の男の子「カエルがいる」
    →学芸員「えっ、どこに?」
    →「今、水の中にいる」

WORK2のテーマ:自分の答えを創る
    →「気がついたこと」「感じたこと」をアウトプット
    →アウトプットの質はとわない。
    →気がついたこと(事実)→そこからどう感じる?(主観)
     感じたこと(主観)→どこからそう感じる?(事実)
   ・鑑賞にあたり、前提としていることとは・・・?
    →視覚で見る
    →視覚以外の感覚で捉える
     (匂い・音・温度・味・雰囲気 etc・・・)
    →鑑賞者として見る
    →変身して見る
     (登場人物・作者・作品になって etc・・・)
    →描かれたものを見る
    →想像を働かせて見る
    (作品の外側・描かれていない部分・別の時間 etc・・・)

   ・自分の答えを創る / 正解を探す
   ・変化の大きい不確かな時代に「自分の答えを創る」ことが欠かせない
    
  ▼百年眠っていた古いハスの種、円明園で命を吹き返す
   https://www.afpbb.com/articles/-/3234368

★皆さんはきっとあの100年と言わずきっと数年ない数十年内に地道に土を耕して、そして探し続けていればきっとどっかのタイミングで1人1人の種の名種から芽が伸びて、そしてその人らしい創造活動の結果の花が咲くのではないかなというふうに私は思っていますし、願っております。

■質疑応答

Q.お話の部分で全ての創造活動の基盤であるというふうにおっしゃっていただいたと思うんですけど、自分の中で考えてみると想像活動でないものってどういうものだろうって疑問が自分の中にあって答えを見つけられないなとずっと思っていて、先生は想像活動ではないものっていうのはどういうものだと思いますか。

A.私はもう本来、全ての活動が想像活動だと思います、生きることが創造活動であるっていうふうに大きく考えたら、全て創造に含まれるんですよね。でも、多分大抵の場合そのことを忘れているんじゃないかなって、私以前、高校で行っているアート思考の授業があって、それを取材してくださった方がいいってあの授業その取材された方が、授業の中でこうやって創造活動、自分の答えをつくる活動するっていいですねって何でかというと、普段その方が仕事の中で創造活動することってないので、また生活の中ですることもないので、授業の中でできるっていいですねっていうふうにおっしゃったんですね。
でも私はそのちょっと何か話がずっと引っかかっていて考えたときに、いやなんか違うなってそうじゃなくてやっぱり人生の全ての一つ一つの選択も大きい選択も小さい選択も全部創造活動なんだから、そこに活かせるんじゃないかなっていうふうに思ったんですよね。
本当にあの3歳の娘アーティストである娘からいろんなことを教えてもらってるんですけど、3歳の娘はですね、全てやっぱり想像活動なんですね。英会話習ってるんですけど、子供クラスの後に最後シールをもらえるんですね。かわいいし、英語の先生がどれどれがいいっていうと、時間が回ってくるともう適当に選べばいいのに、すごい悩むんですね。どのシールにしようかなって、ずっと固まってて、どうしようどうしようって私横でハラハラしてるんですけど、でもそのまま私固まってこれってどっかで選ぶんですよねなんかこれも想像活動だなと思っちゃうんです。このシールを一つ選ぶそこにも自分の答えを見つけようとするというか、あの自分で一番満足が行くこのシールっていうものを選ぼうとするとか、それを貼るときってきっと何でしょう適当に選んでねその日のそこに貼るよりも、きっとそのときなりの嬉しさとか、充足感があると思うんですよね。こんなふうにものすごい小さい例えでしたけれど全ての人生における選択も、今日何を食べるか何を着るかとか、そんなことにも想像活動って現れていくんじゃないかなというふうに思ってます。

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