Tama Design High School 「13歳からのビジョンのデザイン」 2023年12月19日

▼ビジョンの作り方
・自分のやりたいをカタチにするビジョンのアトリエワークショップ

▼自己紹介
佐宗邦威さん
株式会社BIOTOPE代表
チーフ・ストラテジック・デザイナー
多摩美術大学 特任准教授
32歳までは美術外の職業だった。

▼私のビジョン
・もしも、全ての大人が創造的に生きれたら。
そして、全ての子どもが持っている創造性を阻害しない社会を作りたい。

▼株式会社BIOTOPE
・企業の人たちの創造力を引き出して、
僕たちの未来を一緒に考え、形にする会社をやっています。

▼著書紹介
・模倣と創造 13歳からのクリエイティブの教科書
・直観と論理をつなぐ思考法

▼本日のトークテーマ
・創造性の発揮の仕方を、デザイン初学者にどう教えているか
 私の場合は、夢・ビジョンから始めます

▼僕の子どもの頃のおはなし
・開成中高校
・東京大学
・P&Gでマーケティング
・SONYでデザイン
・BIOTOPEでデザイン

「パターンをいっぱい覚える」
そして、組み合わせる

33歳でアメリカのデザインスクールに留学しました。
そこで学んだことは?

とりあえず、手を動かす
他の人と話しながら形にする。
で、また手を動かす

プロトタイピングを繰り返しながら、
解像度を上げていく

仲間と一緒に、ストーリーを共創する。

だんだん、創るということを
どうやって学ぶかがわかってきました。

創造の守破離
・模倣
・想像
・創造

▼観察
・「まねる」プロセスで何がおこっているのか?

・思考モード:鳥の目
・直観モード:虫の目

▼想像
・自由に妄想して、未来の景色を頭のなかに描こう

▼創造
・手を動かして考える
・ピカソはどのように作品を作っていったのか?

・飛躍 いっぱい飛ばして、一気にまとめる

・創造思考の二つのエンジン
 ・好奇心
 ・他の人に見てほしい

・デザインを勉強することで、
自分なりの答えを創造していく方法を学べる

その中でも、一番忘れがちなこと。
それは、想像する力だと思っています。

▼13歳からのビジョンの描き方 ビジョンのアトリエワークショップ
・中高生向けにアトリエワークショップの実践

▼あなたの夢はなんですか?
・2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、
大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう
(米デューク大学 キャシー・デビッドソン)

今考えた職業は、
存在しない可能性も高い。

人生100年時代誰でも道なき道を歩く時がくる

大事なのは
夢を常に自分の中で作り続ける技術

夢=ビジョンの作り方

▼夢のカタチの仕方
①聞かれる
②作ってみる
③話してみる

▼①もしも・・・だったら What if…
もしも、火星へ人類が移住できるとしたら・・・

もしも、すべてのウェブサイトをダウンロードできて、
そのリンク先を記録しておけたら…

ドラえもん
・もしもどんな外国の人とも話せたら?
 →翻訳こんにゃく

・もしも世界中の色々な世界を体感できたら?
 →もしもボックス

▼ビジョンの作り方1:妄想を引き出す
・妄想インタビュー
・盛り上がる質問のやり方

▼ビジョンの作り方2:制作しながら考える
~レゴや絵で未来の街を表現する作品を制作する

・Think by hands
手を動かして遊ぶことで内面と向き合う

 

・体感→視覚→言語

ビジョンはラフなスケッチから始まる
・エジソンの蓄音機
・アラン・ケイのDynabook

▼制作・展示のテーマ
あなたが作りたい未来を手を動かして作ってみる。絵を描くか、レゴで作る。

・ヒント1
 まずは1人で考える
 最初は手を動かして何枚もスケッチを書いてみる。
 あまり考えなくて良い。

 ボツの数は多ければ多いほど良い

・ヒント2
 何枚か作った中でしっくりきたものがあったら、一つ選んで
 少し具体化してみよう
 
 もし、煮詰まったら、何を作ろうとしていたのか?
 どこで詰まったのか、口に出して行ってみよう。

 もしかしたら、ヒントをもらえるかも。

・ヒント3
 ある程度作品が出来てきたら、こだわりの大事なところに
 色をつける
 太線にするなど、少しだけをやってみよう

▼ビジョンの作り方3:概念化する
 ~作品に名前をつける

▼ビジョンの作り方4:展示する
~未来展として展示しフィードバックをもらう

作品の共有
 その作品を見て感じた良いところを教えてあげてください。

▼ビジョン制作の講評ポイント
作品そのものよりも、その作品で

・その作品のこだわりはどこか?
・作品に隠れたビジョン
・一歩具体的に進めるアイデア

プロトタイプのやり方:スケッチしてみる
ユーザー価値のプロトタイプはスケッチから

プロトタイプのやり方:紙で工作して作ってみる

プロトタイプのやり方:模造紙でポスターを

プロトタイプのやり方:サイエンスフィクション作り

▼ビジョンの作り方
①妄想を引き出す(ペアによる妄想インタビュー)
②制作しながら考える
③名前化する
④展示し感想をもらう
⑤発表と振り返り(ストーリーテリング)

▼夢をカタチにするためのひみつ
・夢は、一度カタチにすれば、実現しやすくなる
 ・言葉にする→絵にする→誰かに話す→世の中に出す

・あなたの周りは、夢をカタチにするヒントに溢れている
 ・ヒントを見つけたら写真を撮ろう
 ・いいこと思いついたらメモしよう

・誰にも見せない夢日記を書こう
 ・普段から自分のやりたいことを書いていると、
  どんどんやりたいことが浮かぶようになる
 ・書いている時間がなければ何かをやめよう!

・誰かひとりお友達と一緒に夢を語り合おう
 ・夢を話す友達は一人でもいい。

▼作って学ぶ学びの特徴
 ①正しさを学ぶ(指導主義)
 ②役に立つを学ぶ(社会構成主義)
 ③作って学ぶ(構築主義)

▼一度作った夢を
 具体化する可能性を高める方法がある。

 エクササイズ:未来日記

■質疑応答

Q.質問させていただきたいのが、あのワークショップのところについていてあの最後に出てきたの個人日記だとかと、個人自分との内面性みたいなところが今後のところ大事っていうふうなところがあったと思うんですけど、このワークショップの中で例えばこんな世界とかこんなものがあったらいいなっていうのを考えたところ、その制作者との何か接点という関係性例えばそんなものを作りたいなのか、ただその中でこんなことをしたいっていうのかみたいなところの、何か作った人とその世界の関係性みたいなところについても何かワークショップで言及されてたりするんでしょうかっていうのが気になりました。

A.いつもワークショップでやるとき、あのちっちゃい、小学校ぐらいのときにはもう作っただけでOKにしてるのであんまりそこを深掘りしたりしないんですけど、高校生ぐらい、中学生の後半から高校生ぐらいになったときには、何でそれを作りたいと思ったのとかっていうような問いかけをしてもらうようにしてます。
よりか褒めるだけじゃなくて質問する。なんでそれ作りたいのとかつく作ったのとかっていう動機を聞くみたいなことを入れていくとできたけどこれ何でやるんだっけな、みたいな。振り返る。ていうことでその内面との対話っていうところになってくる。はあるかなっていう感じですね。

Q.制作っていうところも僕も現場で携わってることが多いんですけど、どうしても周りそのいわゆる制作現場を外からそれを俯瞰して評価しようとする人たちは、どうしても子供たちが作ったものっていうその作品を見て、評価してしまう世界がまだまだ拭えないなと思っていて、でもその現場に実際すれば、どういう空気感で、どういう会話が行われてその価値を得ると思うんですけど、
今日も直接お話していくといいなと思うんですが、その制作っていうものの価値をどう届けて、行くその何かコツとかってありますか。

A.それは実際に学校学校という現場にいたときに、先生わかってるけど親がわかってないってよくありますよね。なんかそういう意味だとすごくそこはよくわかるなと思っていて、ただ、今回の僕がやっているテーマに関して言うと、制作物としてビジョンとかやりたいことって比較的わかりやすいアウトプットではあるんですよね。親御さんにとって、なので、何か実際に帰って娘さんだったりその息子さんからその作品を観て、こういうものを作っていく娘がやりたいんだってことはわかった作ってくれてありがとうみたいなことを言われたりすることはあります。ただおっしゃる通り1個1個の制作はプロセスの中にすごくいろんなことが起こってるけど、それを全部制作物だけでは伝えきれないことも
あったりするので、やっぱり全員それを伝えることは現実的ではないけど、この子はこういうこういうことはできるけどこういうことは悩んでる。とか、こういうあの声を声掛けをしたときに、こういう作品が進むようになったんだよみたいなことを親御さんとかに伝える。機会があったりするとそこで理解してこういう声掛けをすればいいんだなって気づくってことは結構あるんじゃないかなと、それ実際は僕は今言ってる学校でも、結構文章を娘が物語を書くっていうのをすごくやってるんですけど、物語だけを見たときにはわかんないですよね。正直これがいいのか悪いのかすら判断できなくて、ただこれは実際にこういうことでね悩んで、でもうちの娘はこういうことをすごい得意にしてますっていうのを先生から観察した文書を1回もらったことあるんですけど、もらうとなるほどそういうことなんだなっていうのがすごい自分の中でも腹落ちたことがあるんで、意外とそういう何かプロセスでの気づきを共有してあげる体験とかはすごくそれだけでも親御さんは安心するのかなっていうの思いましたね。

Q.子供のワークショップに関わることがたまにあるんですけども、模倣も大事なんだよと言うと、パクリじゃんと理解してくれないことが度々ありました気持ちはわかりますが模倣だったり模写が良いことであるっていうふうにはどのように伝えると良かったんでしょうかという質問が届いています。

A.どんな人に言われたかにもよりますからね。それはすごい簡単なことではないですけれども、そうですね今日さっきお話したように、一見模倣なんでやんのかっていう無駄な行為やっぱ見えちゃうじゃないですか。
でも今日ちょっとお話をしたように、実は観察眼をトレーニングしてるんですよね目のトレーニングだと僕は思っていて、だから僕は目のトレーニングをしてるんだから、別にそれを出すわけじゃないんだからいいんだよって言っちゃえばいいんじゃないかなと思いますけどね。

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