ヤバいユーザ理解2024 実践編 2024年01月23日

▼自己紹介
 藤井保文さん

▼リサーチを巡る企業の状況
 事業成果を向上させるための新しい打ち手を模索する中で、
 リサーチに関心を持ち始めるも……
・ユーザ/顧客について理解を深めたいがどうすればいいか分からない
 ・アクセス解析やアンケートは実施しているが結果を見ても何をすべきか分からない

▼適切なユーザリサーチによる変化
 ・ユーザの状況や困りごと行動原理がわかる
 ・ユーザの行動を促す打ち手が見つかり、成果が向上する

▼ユーザ理解4つのレベル
 論外 アリバイユーザ調査
 Lv.1 事実を報告する
 Lv.2 状況の仮説を持てる
 Lv.3 ユーザを憑依させられる
 Lv.4 判断軸・状況を構造化できる

 ※UXの専門家はLv.3以上

▼「憑依」を実現する定性リサーチ
 ・【考え方】定量リサーチと定性リサーチの違いそれぞれの向き不向き
 ・【基礎編】ビービットのユーザ理解の根幹となる「ユーザ行動観察調査」
 ・【応用編】多様なリサーチ手法を使いこなし「憑依」を実現する

▼【考え方】定量リサーチと定性リサーチ
 ・定量データの例
  ・アクセス解析データ
  ・広告効果データ
 ・定量データ分析の特徴
  ・個々のユーザ行動を集計したデータ
  ・総量や平均値が中心

▼定量リサーチの限界
 ・ユーザを一つの大きな塊として捉えてしまう
 ・ユーザの行動・回答の背景が分からない

 ※定量リサーチだけ

▼定性リサーチの落とし穴
 ・ユーザが自分の考えを正確にアウトプットできるとは限らない
 ・その場の雰囲気に合わせて回答してしまう

 ※どちらの例も、発言ではなく状況・行動に注目することの重要性を示唆している

▼ビービットのユーザ理解
ユーザ本人に質問することで困りごとやニーズを明らかにいようとする調査はユーザ「内側」からのアプローチといえます。一方ビービットでは、ユーザ/顧客が置かれている状況や、行動した際のシーンなどを通じて、「外側」からのアプローチ
 ・顧客理解(=内面の探求)⇔顧客体験理解(認知世界の把握)

▼基礎編
ユーザ行動観察調査の手法

ユーザ一人ひとりの発言ではなく行動に注目するこで、「ユーザがなぜそのように行動したのか」という行動原理が明らかとなり、成果に繋がる打ち手が見えてくる

▼ユーザ行動観察調査
 ビービットでは、累計20000人を超える調査知見を基に調査を実施します。ユーザの発言ではなく「行動」を捉えることで、行動の背景に隠れている心理・インサイト等を精緻に把握します。

・個々人の現実に即した状況を設定
・リアルな状況下での行動を観察
・行動に対するヒアリングにより心理を深堀り

 ※なんか違う。ちゃんとインタビューとかユーザーテストと呼んで欲しい。

▼リサーチのコアポイント
よくある形
 「ユーザ理解」を目的にリサーチを行う

実現すべき形
 「ビジネス成果」を目的にリサーチを行う
  →ユーザ理解活動と成果創出がうまく循環していく

▼ユーザ行動観察調査の基本的な流れ
 目的・検証ポイント設定
  ↓
 調査設計
  ↓
 被験者収集
  ↓
 調査実施
  ↓
 振り返り・まとめ

▼定性リサーチで成果を出すポイント
 ・ユーザ側の視点・判断軸が獲得できるまで実施する(仮説がズレなくなる)
 ※ユーザを憑依させられるとは
  ユーザ視点・顧客視点と言われて、ユーザの姿が思い込んだら負け
 ・検証ポイントをこなさない(目的達成を最重視する)
 ・ビジネス観点でターゲットの分岐を明確にする(幅広くいろんな人を見ない)

▼ビジネス観点でターゲットの分岐を明確にする
 例えば自社サービスでの購入や成約を増やしたい時…

 取れてもいいのになぜか取れてない層
 →そもそもこれが見えてないと成果の出しようがない
  ・ターゲット設定を間違っていたり、すでに取れている層の理解が浅かったりすることも。
  ・「なぜか取れていない」理由はUI、コミュニケーション、機能、提供価値などさまざま

▼「なぜか取れてない」の理由はさまざま
 Before 優れた教材により、子どもを賢くするサービス
 After 教材+先生により、親子の時間をもっと豊かにするサービス

▼【応用編】ユーザに「憑依」するための定性リサーチ事例

・型で止まるな
 UXやリサーチの初心者は、「プロセスを実践する」ことに重きを置きがち
 
 しかし熟練者は、正直毎回やり方をカスタマイズさせ、
 「最もユーザ理解ができる方法は何か」を目的に合わせて検討している。

▼ユーザリサーチ応用編
1.東南アジアのバイクユーザ調査
2.リビングルーム調査・子連れ調査
3.生成AI 品質プロトタイピング
4.人気音声コンテンツの特徴調査
5.「推し活」直撃インタビュー
6.ビジネスパーソンの休憩時間調査
7.街の認知的ウォークスルー

▼東南アジアのバイクユーザ調査
例:「すぐに修理できること」よりも「いつものお店で見てもらう」ことを優先

▼リビングルーム調査・子連れ調査
 調査の目的によっては、調査ルームをリビングのようにしたり、被験者にお子様を連れてきていただいたりする場合もあります。サービスの利用シーンとして想定される場所や状況になるべく近づけることで、実情に近いユーザインサイトを得ることができます。

▼生成AI品質プロトタイピング
 顧客に必要とされる生成AIサービスをつくる

▼人気音声コンテンツの特徴調査

▼「推し活」直撃インタビュー
 ・ファンの熱量が最もホットなタイミングで調査を実施
 ・より普段の実情・本音に近い結果に引き出すことができた
 ・作品にハマるまでの過程や、グッズ購入・イベント参加がファンにとって持つ意味が明らかに

▼ビジネスパーソンの休息時間調査
 ・「ビジネスパーソンが休憩時間をどう過ごしているか」をリサーチ
 ・ある被験者の「トイレで隠れてタバコを吸う」という奇妙な行動
 ・「喫煙所での休憩を他の社員に見られると、「メールを解してくれていないのに」「意外と暇なんだな」と思われそう」
 ※ダイアリー調査

▼街の認知的ウォークスルー
 ・「街歩き」でより良い暮らしを考える

▼本日のまとめ
1.定量リサーチのみでユーザの行動・行動原理を知ることには限界があるため、定性リサーチを積極的に併用する必要がある

2.定性リサーチを行う際には、ユーザの発言ではなく行動を重視することが大前提。その上で「どこを伸ばしたいか」を中心に据えて重要な分岐を探ると、最小工数で最大効果があげられる。

3.ユーザ行動観察調査を基本として、理解の解像度をなるべく高められるよう調査の目的に合わせて手法を柔軟にカスタマイズすべし。

▼質疑応答
Q.確認なんですけど、藤井さんの先ほどの事例で、藤井さんがおっしゃった中でその目的を三つぐらい用意していって、それぞれに対して何か確認をしていくっていうくだりがあったと思います。おそらくその三つの目的はまずあるとして、その前にもっと大きな目的がありますそのサブボックスみたいなものが大きな、その課題みたいなものがポンポンと、そのそれぞれの目的については、多分そっからまたさらに調査課題みたいな、多分あって、それについて、多分そこちゃんと確認していけばその目的が達成されるってその繰り返しが多分出されているのかなっていう多分理解しましたと。かつ調査に呼ぶ方についてなんですけど、通常はその、そういったものを解決するためにはこういう人を呼ぶればいいよっていうふうな考え方をするんですが、そうではなくて先に仮説があって、こういうような人にしてのきかなければならないので、目的だそうであるという考え方をするのか、それとも今私が最初に申し上げたような形で調査対象者を決めて、ちょっとそこはちょっとお聞きしたいな。

→そもそも大項目みたいのありますよねっていうのは本当その通りで、なんていう基本的にはツリー構造みたいにやっぱりなっていて大項目これでそのために理解しなきゃいけないこと込んだけあって、もっとブレークダウンしていくと40個の検証項目になるんですけど、基本的にこの四つを押さえればいいしそれはこれ1個目のやつがゴールできる答えてないと駄目っていうのは、まさにその通りって感じて、その構造ですとか、でも調査対象を、フェーズによるっちゃよります。調査対象は基本やっぱ何かしらの目的に合わせて読んでいる。さっき言った例えば以前やったときには、ロイヤルカスタマーを理解するために、例えばその何でしょう、買わなかった人買った人買ったけど、以後買ってない人と2回目以降買った人に2回目以降買ってポイント制度まで使った人と使ってない人とかっていう分岐が、あって、それぞれの分岐を理解して、どういうトリガーで、顧客はロイヤリティレベルを上げていくのかみたいな調査をやったこれは、顧客ロイヤリティのレベルみたいなものを把握するために、どういうトリガーがあるきっかけがある理由があるのかを、知りたいだったのでさっきの分岐を作っていきました。なんで、目的が先にあって、こうじゃないかに対して呼ぶ人を決めてますね。そこの仮設さえないときやっぱあるのって、特に完全なる新規サービスを作るとかっていうときには、なんていうんでしょう、仮設の幅がやっぱりどうしても広いし、1個の検証内容を検証したいというよりは、例えばABC三つコンセプト思いついているんだが、それぞれちゃんとチェックしたいとかになるので、結構その当然それはあります。大きくありつつ、ちょっとやっぱり広めに呼んでいて、こういうタイプの人だったらきっと刺さるはずなんだよな。だから検証項目はとかって感じ決まっていたりする。っていうのはありますが、基本的には多くの場合は目的が先にあるかなと私は思う。

Q.一番最初の方、深層心理にいったやつ。
っていう話と、例えば行動に着目するっていう話があったとかいうけれど、これはDBとさんが、UX改善とかUXデザインを目的とした場合に、内面でどちらかというと構造にするっていうのがすごいいいかなってます。例えば、UXデザインとケースする改善が目的ではなくって、そもそもその新しいイノベーションを起こして商品を開発するためっていうふうな目的になった場合は、もしかしたら内面の探求に重きを置くかもしれないし、
その目的によって変えるっていう認識で大丈夫です。

→基本はそうだと思います特に新商品で、何かそういう感情的な価値とかがめちゃくちゃ大事だみたいなことは多分あるとは思うんで、そのときにはそれでいいのかなとは思うんですけど、ビービットだとそれでも状況理解環境理解の方やります。なぜなら、使うシーンとか、ターゲットとしてこれは私のことを支えてくれそうとかって思ってもらうためには、中の感情の方に入るよりも、結局外の状況とか、困り事って発生するのって周りのせいだと基本思ってるんですよね。困りごと発生してんの周りのせいなんだとしたら、その周りの環境を理解しないと、困り事のことを深く理解できないよなとっていうのが我々なって、その目的でも多分我々は外の理解をやるだろうなとは思いますその方が困り事の表現やチームのメンバーの、その困り事の理解が深まりそうだなっていう個人の経験とかをベースにこういう過去の経験とかこういう価値観があってこうなりましたみたいな形に入っていってしまうと、みんな同じような理解をしたつもりではいるんだが、実際にはあんまり理解が正しくないっていう不確定要素がすごく多いな変数がと思っているか、周辺の環境として、何かこういう人たちが周辺にいてこういう状況ですとかっていうことを多分、言われると例えばクラスにこういう人たちがいて、そもそも外国でクラスに日本人がこういうふうに言って他の外国人こういうふうに言って、自分は何か例えばその中であんまり背が高くない方でとかっていうその状況とかが、あとイメージしやすいし大体合ってたりするわけですみんなの想像しているものが何でその意味でも僕らは結構外の方を理解するかなとは思っています。
冒頭に、どっちでもあってますって言い方したのは何かっていうと、ですね。別に内面の方を掘り下げても真理にはたどり着けると思うんですよ。外の方を理解しても真理はたどり着くんじゃないかなと思ってるんですけど、両方あってようやく真理にたどり着けるかもと思うんですけど、再現性の高い体験とか、価値とかを作っていき、しかもみんなで共有しようとかって思った場合は、外の方が再現性高くなるなデザインしやすいなって思ってるっていう感じ。多分違うと思われてますね。内面を理解した方がいいケースあり、あるよな、多分思われる。そう。

Q.先ほどの教育系サービスについてだとお話いただいたと思うんですけど、結構他の楽しい例が何か、私の理解だと、行動理解という外面に理解なるほど、出されたアウトプットのような気がしたんです。確か、アウトプットでどちらかというとそのどういうメッセージを伝えるかっていうところが、この上位概念ですよね。はい。なので、そこと今お話いただいたところから、あまり僕の中に結びついてきたり、ていうに、課題っていうところが思っています。

→そこの3行目に書いてるところが結局一番憑依レベルまで行くってなったときに、こういう環境に置かれてんだよな、みたいなことがちゃんとイメージできてるかどうかで、何かこっちの答えが出せるかどうかが結構決まってくるんですよね。すごくここで書かれてることとか下で書かれてることは、めちゃくちゃ心理とか琴線に触れるとかっていう表現がされてるのですごく情緒的なんですけど、実際これを出そうと思ったときに、何か特定の人の内面に掘り下げがって言ったら、できるかというよりは、いろんな親の方々が置かれている環境とかを想像したときにさっき言ったように、いろんな条件があるんですよ。自分共働きであんまり時間ちゃんと使えなくて、その中でも教育ちゃんとしなきゃいけないなと思ってるんだけど、なんか勉強させるっていう時間に1日何時間しか触れ合えない時間を使うのかとか、いやめちゃくちゃ時間あるんだけど、子供とずっとあのコミュニケーションしなきゃいけなくて、ただなんかこっちも別にネタ尽きるから、やることないんだよな基本YouTube見せればいいんだけど、でもYouTubeずっと見せてるのもなんか頭悪くなるように泣きがするしな。とかっていう、周辺環境の例えばYouTube、ツールですよね子供がそもそもいるとか、目の前にいるとか、自分は仕事をしていてこんな状況だ。仕事を簡単に引き上げて4時とかに帰ってきたけどそんなことを許してくれる環境ではないとかっていう周辺環境があって、いろんな環境をトレースができるとようやくこれが思いつくなと思う。それがない中の方に入っていくと、すごくトレースがむずい。だってその人の過去なんか何十分とかで話した過去の経験とかをダイブインして入っていっても、何か再現できるかどうかよくわかんないじゃないですか。でも自分が確かに同じ条件下でこういうふうに感じるようなとかっていうところはすごくいうようなちょっとだなと思ってその意味でも環境を理解して自分をトレースさせることが、憑依の近道かなと思ってきた。

Q.受託のサービスデザイナーです予算や時間の問題でユーザー調査を実施できないことがほとんどですがこれではUXを突き詰めることは不可能でしょうか?
自身ではなるべくユーザーを表示しようとはしていますがおそらくそれでは浅いと思っています。

→深津さんっていいますよね深津貴之さんわたしたまに一緒に講演したりする。方で、noteのチーフエクスプレスオフィサーとかやってらっしゃる方ですね。彼は基本自分がユーザーになるっていう方法を使ってますね。なんで同じように主幹形成するんですけどとにかく自分がそのサービスのユーザーになりまくるってことをやる。もうこれ実はさっきの例えばそんなんでしょうね。結構マニアユーザーとかいわゆるオタクユーザーとか言われるような人たちのために、とりあえずガンダム全部見てガンプラ作ってから来いというのと同じ話です。自分がそこのユーザーを見に行けないんだとしたら、知り合いにいろいろヒアリングをするとかでもいいですし、あとは自分がそのターゲットユーザーになりきるぐらいに生活に染み込ませるっていうのは、突き詰める1個のやり方としてやっぱりあるなと思ってちょっとその方法も使っていただけたらと思います。

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